ネットストーカーの恐ろしい手口と嫌がらせ行為の全貌とは

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弁護士法人ネクスパート法律事務所
寺垣 俊介
監修記事
ネットストーカーの恐ろしい手口と嫌がらせ行為の全貌とは

ネットストーカーとは、従来のストーカー行為をネット上で行うことや、ネット手段を利用して、知人や友人、元交際相手等につきまとうことをいいます。

近年では社会問題として大きく取り上げられることも多いですが、ネットストーカー行為がエスカレートして殺人事件に発展してしまうこともあるほど、深刻化していることがわかります。

ネットストーカーの犯人は一体どのような手口を使って犯行に及ぶのでしょうか。犯人が使う手口を紹介した上で、ストーカー行為の内容と被害に遭わないための予防策をお伝えしたいと思います。

ネットストーカーの恐ろしい手口

ネットストーカーの恐ろしい手口

ネットストーカーを行う人物の共通点は、相手に執着して徹底的に情報収集をするということです。ここでは面識のない相手をストーキングする手口をみていきましょう。

ターゲットに定めた人物の交友関係を徹底的に調べる

ターゲットが決定したら、その人物の交友関係を調べます。すべてはターゲットの情報を手に入れるためです。仲良くしている友達の投稿内容から出身地や出身校、職場や住んでいるエリアなどの特定ができる場合があることから、交友関係を調べて情報収集をするのです。

コメントのやり取りを確認

交友関係がある人のページに飛んで、コメント欄をチェックします。コメントのやり取りで個人情報やターゲットの行動範囲が浮き彫りになることも…。

ネットストーカーは執着心が強いので、どんな小さな情報も見逃さないように全ての投稿に目を通しています。

投稿内容から個人情報を特定する

ターゲットもしくは、その友人の投稿した写真から住んでいるところがわかることもあります。例えば、マンションの前に咲いている花の写真を投稿したとします。このとき、花の後ろに写り込んだ風景からマンションを特定することが可能な場合があります。事前に仕入れた情報が多いほど投稿写真から個人情報の特定に繋がるのでしょう。

SNS上で好みの異性を物色

ツィッター、フェイスブック、インスタグラム、ブログなどのSNS上で好みの異性を探します。公開範囲を限定していない方がターゲットになりやすいといえるでしょう。

SNSの投稿内容が殺意を覚えるきっかけに?逗子ストーカー殺人事件

2012年11月16日、神奈川県逗子市在住の33歳女性が自宅アパートで、元交際相手に刺殺される事件がありました。このおぞましい事件に発展する1年半前に、犯人は被害女性に対して、メールによるストーカー行為の内容が脅迫にあたるとして逮捕されています。

懲役1年、執行猶予3年の有罪判決が確定しましたが、犯人に殺意がなかったことが認められて1日で釈放されます。その後、犯人は反省することなく大量のメールを送信するなどストーカー行為を繰り返し、2012年11月、宅配業者を装って自宅に押しかけ、犯行に及びました。

被害女性は2008年夏に別の男性と結婚し逗子市に転居したが、加害男性には新しい姓や住所は隠していた。被害女性が新婚生活を度々facebookに投稿していたことから2010年4月頃に被害女性の結婚を知った加害男性から嫌がらせメールが届くようになった。メールは次第にエスカレートし、2011年4月には「刺し殺す」などと被害女性を脅すメールが1日に80通から100通送りつけられたため、被害女性はその旨を警察に相談し、同年6月に脅迫罪容疑で加害男性が逮捕される。

引用元:ウィキペディア

この事件の発端は、元交際相手の女性が新婚生活の様子を度々フェイスブックに投稿していたことから、結婚した事実を知ってしまったということでした。仕事上の繋がりを大切にしていた被害女性は、フェイスブックを全体公開にしていたのか、元交際相手がフォロワーにいたのかは定かではありません。

しかし、間違いなく断言できるのは、投稿写真がきっかけで近況を知ってしまった犯人が、怒りや悲しみを抱いたことで嫌がらせ行為に発展してしまったということでしょう。

ネットストーカーによる嫌がらせ行為の内容

ネットストーカーによる嫌がらせ行為の内容

ネットストーカーが行う嫌がらせ行為の例をご紹介します。

嫌がらせを超えるアカウントの乗っ取り

ターゲットの設定しているパスワードを入手して、不正にアクセスし個人情報を盗んだり、本人になりすましてアカウントを乗っ取ることもあります。これは、嫌がらせの範囲を超えていますね。

ちなみにこの行為は、不正アクセス禁止法により3年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処されます。

コメントやメッセージを執拗に送りつける

ターゲットに対して、コメントやメッセージを何回も送り続けます。さきほど紹介した逗子ストーカー殺人事件の犯人は、2012年3月下旬から4月上旬にかけて合計1,089通のメールを送り続けていました。

他サイトへ個人情報などを掲載

ターゲットのメールアドレス、電話番号、住所など知っている個人情報をサイト上に掲載することも、ネットストーカーによる嫌がらせ行為のひとつです。本人になりすました上に、出会い系サイトなどに個人情報を掲載して「セフレ募集中」と書き込むような酷いストーカーも存在するようです。

ネットストーカーに狙われないためにできる予防策

ネットストーカーに狙われないためにできる予防策

ネットストーカーに目をつけられないためには、SNSの利用方法を改める必要があるかもしれません。ここではすぐに実践できるネットストーカーに狙われないための予防策をお伝えしたいと思います。

全体公開をやめる

公開範囲に制限を設けずに、誰でも見ることができる状態の方はすぐに公開範囲の変更を行いましょう。

誰が見ているかわからないネットの世界で、生活の様子を発信することは非常に危険です。もし、仕事上全体公開にせざるを得ない方は投稿写真や発言内容に、人一倍気を使いましょう。

投稿内容に気をつける

面識のない人ばかりではなく、顔見知りや友人、元交際相手などがネットストーカーになる可能性も考えられます。先ほどお伝えした殺人事件のように投稿内容から近況を知り、逆恨みに繋がることもありますので、たとえ友だち限定公開にしていたとしてもプライベートをさらけ出しすぎないように注意すべきといえるでしょう。

IDパスワードの見直し

不正アクセスを防ぐためにも、IDパスワードの見直しをしましょう。他人に推測されやすいものは避けて、予測不可能なパスワード設定をしてください。

まとめ

ネットストーカーの手口はとても気味の悪いものばかりです。また普通の人以上に強い執着心を持っていることから、予想することが困難な被害に遭ってしまう可能性も考えられます。ネットストーカーを寄せ付けないためにもここでお伝えした方法を実践してご自身の身を守りましょう。

万が一被害に遭われた場合は、以下の記事を参考にしていただけますと幸いです。

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この記事を監修した弁護士
弁護士法人ネクスパート法律事務所
寺垣 俊介
2016年1月に寺垣弁護士(第二東京弁護士会所属)、佐藤弁護士(東京弁護士会所属)の2名により設立。遺産相続、交通事故、離婚などの民事事件や刑事事件、企業法務まで幅広い分野を取り扱っている。

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