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KL2020・OD・037
不法滞在(ふほうたいざい)とは、出入国関係の法律に違反して外国に滞在する行為をいい、オーバーステイともいいます。警察に逮捕された場合、3年以下の懲役もしくは禁錮もしくは300万円以下の罰金に処せられます。
今回は、不法滞在の種類や、どんな人がそんな経緯で不法滞在者になるのか、不法滞在者に困ったときの対処法についてお伝えします。
目次
ここでは、不法滞在の種類と不法滞在をした際の罰則についてお伝えします。
上陸許可を得ず、在留資格が無いのに日本に滞在している外国人を指します。偽造のパスポートを利用したり、船に乗って密入国したりするため、正確な数を把握するのが困難です。
上陸許可を得ていた人が、在留期間満期後も日本に滞在すると不法在留扱いになります。満期前にかならず『在留期間更新許可申請』をしましょう。
長期間に渡り不法に日本で暮らすことを不法移住といいます。
不法滞在をすると、退去強制の対象になります。法律上は5年経過したら再入国できるようになりますが、入国拒否の理由にもなり得るため、再入国できなくなる可能性も否定できません。
パスポートの偽造や密入国、不法残留する人などは出入国管理及び難民認定法70条に従い、3年以下の懲役もしくは禁錮もしくは300万円以下の罰金に処せられます。以下がその条文です。
第七〇条 次の各号のいずれかに該当する者は、三年以下の懲役若しくは禁錮若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はその懲役若しくは禁錮及び罰金を併科する。
一 第三条の規定に違反して本邦に入つた者
二 入国審査官から上陸の許可等を受けないで本邦に上陸した者
三 第二十二条の四第一項(第一号又は第二号に係るものに限る。)の規定により在留資格を取り消された者で本邦に残留するもの
三の二 第二十二条の四第七項(第六十一条の二の八第二項において準用する場合を含む。)の規定により期間の指定を受けた者で、当該期間を経過して本邦に残留するもの
四 第十九条第一項の規定に違反して収入を伴う事業を運営する活動又は報酬を受ける活動を専ら行つていると明らかに認められる者
五 在留期間の更新又は変更を受けないで在留期間(第二十条第五項(第二十一条第四項において準用する場合を含む。)の規定により本邦に在留することができる期間を含む。)を経過して本邦に残留する者
六 仮上陸の許可を受けた者で、第十三条第三項の規定に基づき付された条件に違反して、逃亡し、又は正当な理由がなくて呼出しに応じないもの
七 寄港地上陸の許可、船舶観光上陸の許可、通過上陸の許可、乗員上陸の許可、緊急上陸の許可、遭難による上陸の許可又は一時庇護のための上陸の許可を受けた者で、旅券又は当該許可所に記載された期間を経過して本邦に残留するもの
七の二 第十四条の二第九項の規定により期間の指定を受けた者で当該期間内に出国しないもの
七の三 第十六条第九項の規定により期間の指定を受けた者で当該期間内に帰船し又は出国しないもの
八 第二十二条の二第一項に規定する者で、同条第三項において準用する第二十条第三項本文の規定又は第二十二条の二第四項において準用する第二十二条第二項の規定による許可を受けないで、第二十二条の二第一項に規定する期間を経過して本邦に残留するもの
八の二 第五十五条の三第一項の規定により出国命令を受けた者で、当該出国命令に係る出国期限を経過して本邦に残留するもの
八の三 第五十五条の六の規定により出国命令を取り消された者で本邦に残留するもの
八の四 第六十一条の二の四第一項の許可を受けた者で、仮滞在期間を経過して本邦に残留するもの
九 偽りその他不正の手段により難民の認定を受けた者
2 前項第一号又は第二号に掲げる者が、本邦に上陸した後引き続き不法に在留するときも、同項と同様とする。
引用元:出入国管理及び難民認定法第七〇条
ここでは、日本にいる不法滞在者の内訳や、どの在留資格を持って入国したのかについてお伝えします。
近年の不法滞在者は、アジア圏の外国人が多いようです。その理由として政府が観光客を呼び寄せたり、労働力を集めたりするために東南アジアからの審査を緩和したことがあげられます。
内約を見てみると、一番多いのが韓国、そして中国、タイ、ベトナム、フィリピンと続いていきます。
引用元:法務省|国籍・地域別 不法残留者数の割合
在留資格は日本での活動目的に応じて得られる権利のことですが、この指標を見ることでどの方法で入国した人が不法残留者になっているのかが伺えます。
引用元:法務省|在留資格別 不法残留者数の割合
一番多いのが短期滞在者が満期日以降もそのまま日本に残っている場合で、全体の67.7%にのぼります。
その次に多いのが技能実習(10.0%)です。技能実習とは、日本の技術を吸収して帰国し、母国(開発途上国)の発展に貢献しようとする外国人のことを指しますが、最初の職場から失踪したりするなどして不法就労するケースもあるようです。
そして、3位が留学(5.8%)ですが、これは在留資格を変更しないまま就職してしまったケースも含まれるように思います。
在留資格変更しないのも不法滞在になってしまいますから、就職する場合はかならず『在留資格変更申請』をしましょう。
現在日本に不法滞在をしてしまっている方で、正式に日本で暮らしたい方や、収容されずに帰国したい方はどうすれば良いのかをここでお伝えします。
退去強制の手続きを行う際に、日本に残りたい方は在留特別許可を求めましょう。法務大臣が申し出を認めた際は、特例として正規の在留資格を得られることがあります。入国管理局に出頭し、退去強制の手続きをしましょう。
周辺住民からの通報などで警察に逮捕された場合、それから5年間日本に再入国できなくなります。ただ、自ら出頭し出国命令制度を利用すれば、入国拒否期間が1年で済むようになります。
近隣に不法滞在者がいて困っている人は、自分でなんとかしようとしないで入国管理局や警察に通報するのがベストです。
不法滞在は治安悪化にもつながり、当然政府も歓迎していません。出入国管理及び難民認定法第66条によると、不法滞在者を通報して退去強制令書が発付された場合、通報者は5万円以下の報償金を受け取れます。ぜひ覚えておいてください。
第六十六条 第六十二条第一項の規定による通報をした者がある場合において、その通報に基いて退去強制令書が発付されたときは、法務大臣は、法務省令で定めるところにより、その通報者に対し、五万円以下の金額を報償金として交付することができる。但し、通報が国又は地方公共団体の職員がその職務の遂行に伴い知り得た事実に基くものであるときは、この限りでない。
引用元:出入国管理及び難民認定法第六十六条
最近の日本における不法滞在者はほとんどがアジア圏からの人たちです。短期滞在や技能実習生として入国し、そのまま不法在留していることが法務省のデータでわかっています。外国人を雇っている場合は各種手続きを忘れないようにしましょう。
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