外国人登録証明書に代わる新制度|在留管理制度との違いと具体的な内容

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弁護士法人ネクスパート法律事務所
寺垣 俊介
監修記事
外国人登録証明書に代わる新制度|在留管理制度との違いと具体的な内容

2012年7月9日に新しい制度が開始され、在留の上限が3年から5年に変わりました。ここでは、

  • 新しい制度である在留管理制度とはどのようなものなのか
  • 前制度とは何が違うのか
  • 不法滞在になった場合の相談先

などを紹介します。不法滞在になってしまうと最悪強制送還などの処分になってしまうので新しい制度をしっかり把握しましょう。

新しい在留管理制度の具体的な内容

新しい在留管理制度の具体的な内容

在留制度とはどのようなものなのか、具体的な内容と前制度との違いをまとめました。

在留管理制度とは

在留管理制度とは法務大臣が中長期間の在留状況を把握し、適正な在留を確保するための制度です。3ヶ月以上滞在の外国人を対象にしており、上陸許可と共に顔写真が表示されている「在留カード」の交付を行っています。

外国人登録証明書との違い

外国人登録証明書とは大きく分けて3つの違いがあります。

外国人登録制度の廃止

前制度では、入国した外国人の在留期間中に変更された情報(住居地等)については直接法務大臣が把握せず、市町村の外国人登録制度を通じて法務大臣が把握できるという制度でした。

新制度では、市町村で手続きした情報がそのまま法務大臣のもとに届くという制度に変更されました。そのため必要な情報を継続的に把握することが可能になりました。

「在留カード」の交付

3ヶ月以上滞在する外国人には上陸許可と共に「在留カード」が交付されます。これは、顔写真が表示されており、就労資格や基本的な個人情報が記載されているため、自身の身分証明として使用できます。

みなし再入国許可の導入

従来は、再入国する際に入国許可を必要としていました。しかしみなし再入国許可の制度では、出国から1年未満の場合は再入国の許可を原則必要としません。例外として、入国許可が必要となる対象者は以下のいずれかに当てはまる者です。

  • 在留資格取消手続中の者
  • 出国確認の留保対象者
  • 収容令書の発付を受けている者
  • 難民認定申請中の「特定活動」の在留資格を持って在留する者
  • 日本国の利益又は公安を害する行為を行うおそれがあることその他の出入国の公正な管理のため再入国の許可を要すると認めるに足りる相当の理由があるとして法務大臣が認定する者

引用元:入国管理局

これらのいずれかに当てはまる者は従来通りの入国許可が必要になります。

外国人証明書と在留カードの違い

外国人証明書と在留カードの違い

新しい制度で交付される「在留カード」とはどのようなものでしょうか。具体的な記載内容や有効期限などをまとめました。

在留カードの具体的内容

在留カードとは中長期間適法に在留する外国人に上陸許可と共に交付されます。在留カードには顔写真のほかに以下の情報が記載されています。

  • 氏名,生年月日,性別及び国籍の属する国又は入管法第2条第5号ロに規定する地域
  • 住居地(本邦における主たる住居の所在地)
  • 在留資格,在留期間及び在留期間の満了の日
  • 許可の種類及び年月日
  • 在留カードの番号,交付年月日及び有効期間の満了の日
  • 就労制限の有無
  • 資格外活動許可を受けているときはその旨

引用元:入国管理局

これにより、雇用主は雇用できるかどうか、不法ではないか等の確認が容易にできるようになりました。

在留管理制度の対象者

在留管理制度の対象となる中長期間在留者とは以下のいずれにも当てはまらない人を指します。

  1. 「3月」以下の在留期間が決定された人
  2. 「短期滞在」の在留資格が決定された人
  3. 「外交」又は「公用」の在留資格が決定された人
  4.  ①から③の外国人に準じるものとして法務省令で定める人
  5.  特別永住者
  6.  在留資格を有しない人

引用元:法務省

なお、観光で日本に入国した外国人にも交付されません。

在留カードを携帯していなかった場合の罰則

  • 在留カードの不携帯:20万円以下の罰金
  • 在留カードの提示の拒否:1年以下の懲役又は20万円以下の罰金

また16歳未満は常時携帯の義務がありません。在留カードにこのような義務を課すのは、不法に残留している者と見分けるためです。携帯していないと不法滞在と疑われる可能性が高くなります。

在留カードの発行場所と有効期間

在留カードの有効期間は在留期間満了日までになります。16歳未満に関しては、満了日か16歳の誕生日いずれかの近い日が有効期限になります。在留カードは上陸許可と共に交付されるので、各空港で交付されます。

在留カードの更新方法

在留カードの更新方法

有効期限が切れた場合、対象者に限り更新手続きを申請することができます。ではどのような人が対象でどこに申請すればいいのでしょうか。

更新申請対象者

対象者は大きく分けて3つになります。

  • 永住者
  • 高度専門職2号
  • 有効期限が16歳の誕生日とされている中長期在留者

また申請の際に16歳未満の者は代理人に行ってもらうことになります。また16歳以上の者でも疾病の場合、代理人で申請を行うことはできます。

その場合は医師の診断書と委任状を用意する必要があります。

申請先と相談窓口

申請先と相談先は同じで以下の2か所になります。

地方入国管理署

正確で迅速な回答が欲しい場合はこちらに相談しましょう。問い合わせ方法は電話かFAXになります。自分の住居地を所管している管理署に問い合わせましょう。

外国人在留総合インフォメーションセンター

電話だけでなく、メールでも問い合わせすることができますが、個別事案に関する申請や許可の見通し、審査の進捗や処分結果などは答えることができない内容になっています。

外国人在留総合インフォメーションの方が地方入国管理署よりも遅い時間まで受付しています。

不法滞在の罰則と不法残留に対する制度  

不法滞在の罰則と不法残留に対する制度  

不法滞在をした場合どのような罰則があるのでしょうか、また不法残留してしまった場合どのような救済制度があるのか紹介します。

不法入国・不法滞在した場合の罰則

不法入国・不法滞在とは以下のことを言います。

  • 入国規定に違反・無許可での入国
  • 不正な手段によって上陸許可を受ける
  • 在留期限が切れた・資格を持っていないにもかかわらず残留するもの
  • 不正な手段によって難民と認定されたもの

参照元:入国管理局

これらを認められた場合は3年以下の懲役若しくは禁錮もしくは300万円以下の罰金のいずれか、又は両方に処せられます。また、これらを営利目的で手助けした者も同じ罰則が処せられます。

在留資格取消制度

不正や入国目的である活動や就職を行わないと在留資格を取り消すことができる制度です。取り消せる条件は以下になります。

  • 不正手段により、入国管理官の判断を誤らせ入国した場合
  • 日本で行う活動やその他項目を偽り入国した(日本では働かないのに「技術」と偽った資格で入国したり、自身の経歴を偽ったりすること)
  • 故意の有無に関係なく虚偽の書類を提出した場合
  • 不正手段で在留特別許可を受けた場合
  • 特定の仕事に就く目的の在留資格を所持しているものが、その仕事に就かずほかの仕事を行おう、行っているもの
  • 特定の仕事に就く目的の資格を所持しているにも関わらず継続して3ヶ月働いていない場合
  • 「配偶者」の在留資格で入国した者が半年以下で離婚した場合
  • 期間中に自身の住居地の届け出を正確に報告しなかった、また虚偽の事実を提出した場合

参照元:入国管理局

在留資格を取り消すかどうかを判断するための事実の調査を、入国管理官だけではなく入国警察官も行うことが可能になりました。

違法在留で悩んだ場合に知っておきたい制度

出国命令制度を利用する

不法滞在は退去強制や罰則の対象になります。それらを受けずに国に帰るためには「出国命令」を利用しましょう。

出国命令は退去強制と違い、収容されずに簡単な手続きで出国することができる制度です。また1年の期間を開けることで再入国が可能になります。

この制度を受けるには以下の条件が満たされていることが必須です。

  • 出国の意思をもって自ら入国管理官署に出頭したものであること
  • 不法残留以外の退去強制事由に該当しないこと
  • 窃盗罪等の一定の罪により懲役又は禁錮に処せられたものでないこと
  • 過去に退去強制されたこと又は出国命令を受けて出国したことがないこと
  • 速やかに本邦から出国することが確実と見込まれること

引用元:入国管理局

在留特別許可を利用する

これは不法滞在をしてしまった人が、普段の素行・家族状況・国内外情勢等様々な要因を総合的に判断し法務大臣が決定します。なお、結婚しているからといって必ず許可されるものではありません。

また滞在特別許可は申請によりもらえるものではなく退去強制手続きを経て決定されます。退去手続きの一連の流れはこちらになります。

違法在留で悩んだ場合に知っておきたい制度

参照元:法務省

特別許可が下りなかった場合は退去強制になり5年間は日本に入国することができません。なので、退去手続きではなく、出国命令制度の利用をお勧めします。

まとめ

いかがでしょうか。新しい制度になって従来できたことができなくなっています。友人や知人また自身が日本に入国する際は不法にならないようにしっかり把握しておきましょう。

不法滞在をしている人を見つけたら、警察ではなく入国管理局に情報提供しましょう。情報があればそこから捜査することができます。

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この記事を監修した弁護士
弁護士法人ネクスパート法律事務所
寺垣 俊介
2016年1月に寺垣弁護士(第二東京弁護士会所属)、佐藤弁護士(東京弁護士会所属)の2名により設立。遺産相続、交通事故、離婚などの民事事件や刑事事件、企業法務まで幅広い分野を取り扱っている。

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