不法就労を助長すると事業者にも300万円の罰金|外国人雇用時の注意点

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弁護士法人ネクスパート法律事務所
寺垣 俊介
監修記事
不法就労を助長すると事業者にも300万円の罰金|外国人雇用時の注意点

不法就労(ふほうしゅうろう)とは、在留資格を持たない外国人が就労することや、在留資格の範囲を超えて就労することをいいます。

在留資格を持たない外国人を働かせてしまった事業主には、不法就労助長罪が成立し,3年以下の懲役・300万円の罰金を科せられる可能性があるので気をつけねばなりません。

日本経済新聞『農業の不法就労 3年で3倍に 15年、業種別で最多』によると、農業での不法就労者は3年で3倍にも増えたようです。茨城県で中国人を雇い摘発された男性(60代)は、「違法でも雇わなければ経営が成り立たない」と述べています。

少子化で若い働き手が不足している業界や、若者に不人気な職種などでは、不法就労者に頼らなければやっていけない場合もあるのではないでしょうか。

今回は、不法就労になってしまう条件と不法就労に関する罰則、就労可能な外国人の条件、不法就労の外国人を雇わないために確認すべきポイントをご説明します。

不法就労になる3つのパターン

まず、不法就労となる具体的なパターンを確認していきましょう。

不法滞在者が仕事を得るパターン

不法滞在者とは、在留資格を持たず上陸許可がないまま日本に来、または適法入国した後に、更新手続きを取らないなど在留資格を失った状態の外国人のことを指します。この不法滞在者が日本に入国した後に職を得て不法就労となる場合があります。不法滞在者は、密入国のため正確な数を把握するのは困難です。

入国管理局から許可を受けずに働くパターン

ビザはビザでも、就労ビザを持っていなければ日本では働けません。短期滞在者や留学生が資格外活動許可を得ないまま働いた場合も不法就労となります。

入国管理局に許可された範囲を超えて働くパターン

就労ビザを得ていても、在留資格と異なる仕事についた場合は在留資格変更許可申請を提出していなければなりません。

不法就労させた場合は不法就労助長罪に該当する

不法就労させた場合は不法就労助長罪に該当する

例えば、朝日新聞『難民申請中の外国人を不法就労させた疑い 会社会長逮捕』の記事のように、外国人を不法就労させた事業主は不法就労助長罪で罰則を科されます。

【3年以下の懲役・300万円以下の罰金】不法就労をさせた者やあっせんした者

不法就労をさせた者だけでなく、不法就労をさせたりあっせんした者は3年以下の懲役・300万円以下の罰金が科せられる可能性があります。

不法就労の外国人だと知らずに雇用した場合は処罰されませんが、状況から判断して不法就労とわかっていたと判断される状態にあれば罰則の対象になるので気をつけましょう。

【退去強制】外国人事業主が不法就労をさせたり、あっせんしたりした場合

外国人事業主が不法就労を助長・あっせんした場合は退去強制の対象になります。

【30万円以下の罰金】ハローワークへ届け出をしなかったり、虚偽の届け出をしたりした場合

平成19年10月1日から、すべての事業者は外国人の雇用・離職があった場合にハローワークへ届け出をすることが義務付けられました。届け出をしなかったり、虚偽の届け出をしたりした場合は30万円以下の罰金が科せられます。

日本で就労可能な外国人の条件

日本で就労可能な外国人の条件

では、逆に日本で就労可能な外国人はどのような条件を揃えているのでしょうか。ここで確認していきましょう。

在留カードを持っている

大前提として在留カードをもっていなければなりません。在留カードは日本の入国管理局が発行しており、3ヶ月以上日本に滞在することを認められた外国人に与えられます。

一方、ビザは外国人の母国などに所在する渡航先の国の大使館や領事館から発行されているという違いがあります。

在留カードの公布予定がある

また、今手元に在留カードがなくても発行される予定がある外国人も雇用して大丈夫です。申請を出すと大体1週間程度で手元に届きますから、発行された在留カードを確認してから正式に雇用すると良いでしょう。

職種に合った在留資格を得ている

在留資格にあった職業であれば日本で就労しても構いませんが、転職する際は在留資格を変更しなければいけない場合があります。事業者は外国人を雇う際、在留資格も確認しておきましょう。

資格外活動許可を得ている

短期滞在者や留学生が日本でアルバイトをしたいと思った際は資格外活動許可を得ている必要があります。これがないまま働いてしまうと不法就労とみなされてしまいます。なお、資格外活動許可を得ていても、就労できない職種も一定程度あります。

不法就労かもしれないと思ったらやるべき3つのこと

不法就労かもしれないと思ったらやるべき3つのこと

不法就労助長が故意でない場合は罰則がない可能性もありますが、もし故意だと判断されると罰則があります。ここでは、不法就労かもしれないと思ったときに事業者がやるべき3つのことをお伝えします。

不法滞在者は雇用しない

もし雇用しようとしている外国人が不法滞在者だとわかったら地方入国管理局に通報するか、出頭を促したりしましょう。

在留カードを確認する

では、何を確認すれば不法就労だとわかるのでしょうか。ここでは、具体的に確認すべきポイントをお伝えします。

就労制限の有無の欄(表)

まず、在留カードの表面、赤枠で囲ってある『就労制限の有無』を確認しましょう。就労ができない場合、見本のように就労不可と記入されています。

番号(表)

同じく表面の右上にある『番号』を確認しましょう。入国管理局で照会することで、失効した在留カードや偽造された在留カードを把握できます。

資格外活動許可欄(裏)

在留カードの裏面を見ていただくと、下の方に資格外活動許可欄があります。就労制限の有無の欄が就労不可となっていても、資格外活動許可が降りていれば不法就労にはなりません。

外国人を雇用したり、離職されたりした場合はハローワークに届け出を出す

再確認になりますが、外国人の雇用・離職があった場合はハローワークへの届け出を忘れないようにしましょう。

まとめ

不法就労を助長してしまうと事業者にも罰則が科せられる可能性があるので、外国人を雇用する際は今回お伝えしたように、在留カードの次の欄を確認するようにしましょう。

  • 就労制限の有無の欄
  • 番号
  • 資格外活動許可欄

これらの欄を確認し、在留資格があるのか、在留目的がさせようとしている仕事に合致しているのか確かめることが大切です。

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この記事を監修した弁護士
弁護士法人ネクスパート法律事務所
寺垣 俊介
2016年1月に寺垣弁護士(第二東京弁護士会所属)、佐藤弁護士(東京弁護士会所属)の2名により設立。遺産相続、交通事故、離婚などの民事事件や刑事事件、企業法務まで幅広い分野を取り扱っている。

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