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KL2020・OD・037
「税務署から納税申告を見直すよう指導されたけど内容に納得いかない!」そんな時に訴訟を起こすのは解決策の1つではありますが、実際にはすぐ訴訟というわけにはいかずその前に定められた手続きを踏んでいかなければいけません。
当記事では、税務訴訟を起こすまでの手続きと弁護士に依頼するまでの流れを紹介しますので、税務署からの指導に悩まされている場合はぜひ参考にしてみて下さい。
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目次
税務署から更正処分を受けその処分を国税不服審判所長に審査依頼を行い、その結果を受け取ってから初めて税務訴訟をする権利が得られます。
税務調査を受けその指導に納得いかないからと言って、いきなり訴訟を起こすことはできませんのでご注意下さい。
更正処分や不服申し立てなど、訴訟を起こす際に必要な手続きを紹介していきますので、まずは順を追って何をするべきか確認していきましょう。
更正処分とは、税務署からの「申告書に間違いがあるから再提出お願いします」という要請を断り続けた場合、税務署の方で申告書を訂正されそれに記載された内容に従うよう求められる手続きのことを言います。
ちなみに、更正処分を受ける前に税務署からの指摘通りに申告書を訂正するのを『修正申告』」といいますが、一度これを提出してしまうと指摘に納得したと見なされその後の訂正が出来なくなってしまうのでご注意ください。
税務署より更正処分の通知を受けたら、3ヵ月以内に国税不服審判所長へ不服申し立ての審査請求、もしくは1カ月以内に一度審査をお願いした税務署への再調査の要求どちらかの選択をします。
上記の図を見るとどちらにしても国税不服審判所長に審査請求をするなら税務署に再審査を要求せず、最初からそちらの方に提出した方がよいと思われるかもしれません。
しかし、税務署への再審査を選択した場合はその審査で自分の主張が認められれば手続きが早く終わるというメリットがありますので、なるべく迅速に対応してもらいたい場合には税務署への再審査から依頼をしてみましょう。
ちなみに、審査の期間は申請時期や案件によって異なってはきますが、税務署の場合は3ヵ月で国税不服審判庁の場合は1年ほどが目安だと言われています。
国税不服審判所長より不服申し立ての審査結果の通知を受け取った後から6カ月間は、その内容に納得いかない場合に訴訟を起こす権利が認められ、ここで初めて弁護士へ依頼をする検討に入ります。
ただ、この期限を過ぎてしまうと訂正ができなくなってしまうのでお気を付けください。これは訴訟に限らず審査請求の期限を過ぎた場合も同様です。
依頼する弁護士によって訴訟費用は多少の違いはありますが、基本的に下記の当該基準に基づき費用が決定されています。
経済利益の額 | 着手金 | 報酬金 |
300万円以下の部分 | 8% | 16% |
300万円を超え3000万円以下の部分 | 5% | 10% |
3000万円を超え3億円以下の部分 | 3% | 6% |
3億円を超える部分 | 2% | 4% |
もし勝訴したとしても敗訴側に弁護士費用を請求する権利は認められていないため、裁判の判決に関わらず弁護士費用は全て自己負担となります。
裁判自体にかかる訴訟費用に関しては勝訴側が敗訴側に請求できる権利がありますが、仮に1000万円の訴訟をした場合でも印紙代の5万円ほどしか請求できないし、その他もろもろの手間がかかるためほとんど行使されていないのが現状です。
税務訴訟は税務の専門家を相手に行政訴訟のプロの審判の下で争う訴訟なので、通常の民事裁判のように話し合いの和解などで終わることはなく、法に基づき純粋にどちらの主張が正しいかを厳格に判断されます。
その性質のため税務訴訟をした側の勝訴率の平均は10%以下と他の訴訟と比べかなり低い数値となっています。
年度 | 勝訴率 |
平成23年 | 13.4% |
平成24年 | 6.3% |
平成25年 | 7.3% |
平成26年 | 6.8% |
平成27年 | 8.4% |
なので、税務訴訟を行う際は「それは本当に訴訟を行うべきなのか?」を必ず明確にしておかなければいけません。とくに税理士が争うのは難しいと言っているにも関わらず、依頼を承諾してくれる弁護士を無理に探し出し訴訟をしても、勝訴になる可能性は極めて低いです。
税務訴訟は必ず税理士と弁護士の両方の判断を参考に実行するかを検討しましょう。
税務訴訟は勝訴した場合でも費用はほぼ自己負担で勝訴率も極めて低い訴訟なので、弁護士と税理士への事前確認を行い無駄な裁判に挑まないよう注意が必要です。
正しい主張であるのなら不服申し立ての時点で認められる可能性が高いので、訴訟は裁判で勝てる根拠が明らかな場合だけにしておいた方が賢明かもしれません。
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本記事はあなたの弁護士を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。
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