決して安くない弁護士費用。いざという時に備えてベンナビ弁護士保険への加入がおすすめです。
離婚、相続、労働問題、刑事事件被害、ネット誹謗中傷など、幅広い事件で弁護士費用の補償が受けられます。
【ベンナビ弁護士保険が選ばれる3のポイント】
- 保険料は1日あたり約96円
- 通算支払限度額1,000万円
- 追加保険料0円で家族も補償
保険内容について詳しく知りたい方は、WEBから資料請求してみましょう。
KL2020・OD・037
更正の請求とは、提出した納税申告書の内容に誤りや不備があったときにできる訂正請求手続きのことを言います。法人税の申告に誤りがあった場合も、更正の請求が可能であることをご存知でしょうか。そこで今回は、法人税で更生の請求をする方法と、手続きが認められる条件や提出期限などの基礎知識についてご紹介します。
(更正の請求)
第二十三条 納税申告書を提出した者は、次の各号のいずれかに該当する場合には、当該申告書に係る国税の法定申告期限から五年(第二号に掲げる場合のうち法人税に係る場合については、九年)以内に限り、税務署長に対し、その申告に係る課税標準等又は税額等(当該課税標準等又は税額等に関し次条又は第二十六条(再更正)の規定による更正(以下この条において「更正」という。)があつた場合には、当該更正後の課税標準等又は税額等)につき更正をすべき旨の請求をすることができる。
引用元:国税通則法第23条
目次
法人税で更正の請求を認めてもらうには、以下の条件に該当している必要があります。手続きをしても必ず認められるわけではありません。税務署で「税金を納めすぎている」と判断された場合のみ減額更正が行われます。
4 税務署長は、更正の請求があつた場合には、その請求に係る課税標準等又は税額等について調査し、更正をし、又は更正をすべき理由がない旨をその請求をした者に通知する。
引用元:国税通則法第23条4項
単純に納付する税金額が多かったケースです。基本的には、自ら申告手続きしなければなりません。しかし、管轄の税務署長が税法に基づいて要訂正と判断した場合、職権を用いて更正することもあるようです。
一 当該申告書に記載した課税標準等若しくは税額等の計算が国税に関する法律の規定に従つていなかつたこと又は当該計算に誤りがあつたことにより、当該申告書の提出により納付すべき税額(当該税額に関し更正があつた場合には、当該更正後の税額)が過大であるとき。
引用元:国税通則法第23条
税務上の赤字を意味する『欠損金』の翌期繰り越し分を少なく記載していた場合も更正の請求が認められます。欠損金は、期限内であれば翌期に繰り越しができるため、課税所得と相殺させるケースも少なくありません。
納税者の納めすぎによって発生した、返還すべき税金を『還付税』と言います。欠損金と同様に、還付税の金額も少なく記載していた場合、更正の請求が可能とされています。
三 第一号に規定する理由により、当該申告書に記載した還付金の額に相当する税額(当該税額に関し更正があつた場合には、当該更正後の税額)が過少であるとき、又は当該申告書(当該申告書に関し更正があつた場合には、更正通知書)に還付金の額に相当する税額の記載がなかつたとき。
引用元:国税通則法第23条4項
法人税で更生の請求が認められない条件を確認してみましょう。大きく分けて2つの項目が該当します。どちらも処理や申告が漏れると、更正の請求が認められないとされています。手続きの際は、内容に漏れないかしっかりチェックすることを心がけましょう。
会社で行う決算の調整事項に処理漏れがあった場合、更正の請求は認められないとされています。具体的には、以下のようなことが挙げられます。
任意申告の調整事項に申告漏れがあった場合、更正の請求は認められないとされています。概要として、控除対象となる項目の申告をしなかった場合、更正の請求は認められないと覚えておけばよいでしょう。
更正の請求には提出期限が設けられています。加えて、更正の請求に関連する法律は複数あり、どの内容に基づいて提出するかにより、期限がそれぞれ異なるため注意が必要です。
国税通則法の第23条第1項と第2項に該当する内容で更正の請求をする場合、それぞれ提出期限が異なります。第1項に該当するなら法定申告期限から5年以内、第2項は、項目に該当した日から2か月以内とされています。
国税通則法 | 提出期限 | 該当するケース |
第23条第1項 | 法定申告期限から5年 | ・法に則った方法で算出せず過大申告していた ・計算にミスがあったため過大申告していた |
第23条第2項 | ケースに該当した日から2ヶ月 | ・記載した純損失額が過少だった ・純損失額の記載がなかった |
一 当該申告書に記載した課税標準等若しくは税額等の計算が国税に関する法律の規定に従つていなかつたこと又は当該計算に誤りがあつたことにより、当該申告書の提出により納付すべき税額(当該税額に関し更正があつた場合には、当該更正後の税額)が過大であるとき。
二 前号に規定する理由により、当該申告書に記載した純損失等の金額(当該金額に関し更正があつた場合には、当該更正後の金額)が過少であるとき、又は当該申告書(当該申告書に関し更正があつた場合には、更正通知書)に純損失等の金額の記載がなかつたとき。
引用元:国税通則法(第23条第1項、第2項)
更正の請求に関連する法人税法は、第80条と第80条の2が該当します。ひとつは、欠損額を元に算出した金額と同等額の法人税を還付請求するケース、ふたつ目は確定申告時に記載する金額について誤りがあったケースです。どちらも、該当日から2ヶ月以内に更正の請求をしなければなりません。
法人税法 | 提出期限 | 該当するケース |
第80条 | ケースに該当した日から2ヶ月 | 事業年度などに生じた欠損金額を元に算出した金額に相当する法人税の還付請求 |
第80条の2 | 更正決定通知の翌日から2ヶ月 | 確定申告に記載すべき項目の金額記載に、誤りがあり修正が必要とされる場合 |
続いて、地方法人税法に基づいた提出期限を確認してみましょう。更正の請求に関する地方法人税法は第24条が該当します。内容は主に、法人税法の第80条の2と同じ意味を持っています。
地方法人税法 | 提出期限 | 該当するケース |
第24条 | 更正決定通知の翌日から2ヶ月 | 法人が確定申告に記載すべき項目の金額記載に、誤りがあり修正が必要とされる場合 |
租税特別措置法に基づいた、更正の請求の提出期限を確認してみましょう。内容としては、それぞれの法に該当する場合の提出期限が5年から6年へと長くなるというものです。ちなみに、純損失等の金額に関する法人税の請求は、提出期限が9年以内となります。
該当する法人税法 | 提出期限 | 内容 |
第66条の4第16項 | 申告期限から6年以内 | 法人が国外関連者と行った取引によって生まれた税の申告に誤りがあった |
第66条の4第20項 | 申告期限から6年以内 | 法人が国外関連者との取引を独立企業間価格と異なる対価の額で行う場合など、特別な場合において税の申告に誤りがあった |
第68条の88第17項 | 申告期限から6年以内 | 連結法人が国外関連者と行った取引によって生まれた税の申告に誤りがあった |
更正の請求で手続きする際の手順は、専用の提出書類に必要事項を記載して管轄の税務署長宛に提出すれば完了です。ちなみに、手続きをしても申出の内容通りの更正が認められないケースもあるようです。その際、不服の申立てができないため注意しておきましょう。
更正の請求に必要なものは、申出書と必要に応じて申出の理由を証明する参考書類です。手続きするとき、手数料はかかりません。
【受付時間】
8時30分~17時
【提出先】
管轄の国税局
引用元:更正の申出書(単体申告用)の書式
書類には、所得や法人税など21項目の記入欄があります。該当する項目のみ記載した上で、国税局へ提出します。ちなみに、調査課所管法人の場合は2部提出が必要なため、漏れがないか確認した上で提出しましょう。
専用の書類に必要事項を記載したら、納税地を管轄している税務署長へ提出します。提出方法は、所轄の税務署へ直接行くか郵送での対応が可能です。お近くの税務署に提出しに行きましょう。
税の申告内容に誤りがあった場合、訂正の報告をしなければなりません。その際、申告内容によっては、『更正の請求』ではなく『修正申告』が必要となるケースがあるため注意が必要です。それぞれの違いは以下のとおりです。
法人税で更生の請求をする際は、その項目がどの法律に該当するかによって提出期限が異なることが分かりました。また、申告内容に不備があっても必ず認められるわけではなく、税務署の判断によっては認められないケースもあります。お金にかかわることですから、ひとつひとつの手続きを慎重に行い、不要なミスがないように努めていくことが最も望ましいと言えるでしょう。
決して安くない弁護士費用。いざという時に備えてベンナビ弁護士保険への加入がおすすめです。
離婚、相続、労働問題、刑事事件被害、ネット誹謗中傷など、幅広い事件で弁護士費用の補償が受けられます。
【ベンナビ弁護士保険が選ばれる3のポイント】
保険内容について詳しく知りたい方は、WEBから資料請求してみましょう。
KL2020・OD・037
本記事はあなたの弁護士を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。
※あなたの弁護士に掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。
詳しくはあなたの弁護士の理念と信頼できる情報提供に向けた執筆体制をご覧ください。
※本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。