更正の請求書類の書き方|手続き方法から還付金受取りまでの基礎知識

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弁護士法人ネクスパート法律事務所
寺垣 俊介
監修記事
更正の請求書類の書き方|手続き方法から還付金受取りまでの基礎知識

更正の請求で使用する申告書の書き方や、手続き完了までに必要な基礎知識について知っていますか?更正の請求手続きは、申告した税額が正しい金額より多かった場合にのみ行います。

そのため、過去に手続きをしたことがあっても申告書の記載項目や、還付される税の受取り時期などが曖昧という人がいるかもしれません。そこで今回は、更正の請求で使用する申告書の書き方や、還付される税を受取るまでの基礎知識についてご紹介します。

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①更正の請求手続きが必要とされるケース

①更正の請求手続きが必要とされるケース

まず始めに、更正の請求が必要なケースを確認してみましょう。原則として、申告した税額が本来よりも多い、または控除となる項目の金額申告が本来よりも少ない場合に該当します。

手続きが必要とされるケース

更正の請求手続きが必要とされる具体例を以下に挙げました。申告した税額が多いケースはもちろんですが、還付される税額や純損失額の申告が本来より少ないケースも当てはまります。

  • 申告した税額が本来よりも多い
  • 還付される税額の申告が本来よりも少ない
  • 純損失額の申告が本来よりも少ない

更正の手続きに関連する法律

更正の手続きに関するルールは、国税通則法第23条に定められています。手続きが必要なケースに該当した場合、法定申告期限から5年以内であれば申告可能とされています。ただし、申請しても必ず更正が認められるとは限りません。認めてもらうには、税務署から根拠に基づいた申請と判断してもらう必要があります。

(更正の請求)
第二十三条  納税申告書を提出した者は、次の各号のいずれかに該当する場合には、当該申告書に係る国税の法定申告期限から五年(第二号に掲げる場合のうち法人税に係る場合については、九年)以内に限り、税務署長に対し、その申告に係る課税標準等又は税額等(当該課税標準等又は税額等に関し次条又は第二十六条(再更正)の規定による更正(以下この条において「更正」という。)があつた場合には、当該更正後の課税標準等又は税額等)につき更正をすべき旨の請求をすることができる。
引用元:国税通則法第23条

②更正の請求で使用する申告書の書き方

申告書の書き方について確認していきましょう。申告書を記載する際は、誤りや漏れがないよう心がけるとともに、記載後のチェックを忘れないように。

②更正の請求で使用する申告書の書き方

引用元:所得税及び復興特別所得税の更正の請求書

以下に、更生の請求で使用する申請書原本リンクを添付しています。手続きの際に、プリントアウトしてご活用ください。

記載が必要な項目

記載が必要な項目

引用元:所得税及び復興特別所得税の更正の請求書

記載が必要な項目を確認していきましょう。原則として、名前や住所などの基本情報は漏れなく記載しなければなりません。また、更正の請求内容や理由などについても、漏れなく記載しましょう。

基本情報と申告理由の記載

記載が必要な項目

参照元:所得税及び復興特別所得税の更正の請求書

まずは、名前や住所などの基本情報と申告理由の記載をしましょう。申告書の提出時、本人確認書類の提示または写しの提出が必要です。記載間違いのないようにしましょう。

ちなみに、更正の請求に至った理由については、日付や金額など具体的な数値を記載するとよいでしょう。以下に、理由の記載例を挙げました。記載の際、参考にしてください。

申告内容 理由記載例
所得額に誤りがあった 理由例:所得の必要経費で経費の計上漏れがあり、事業所得を過大に申告していた
必要な添付書類:決算書や収支内訳書、帳簿書類、該当経費の領収書
医療費の控除額に誤りがあった 理由例:平成〇年〇月〇日に行った、風邪の治療費の記載漏れがあり、医療費控除額を過少申告していた
必要な添付書類:平成〇年〇月〇日に行った病院の領収書
社会保険料控除額に誤りがあった 理由例:平成×年に支払った国民年金保険料に記載漏れがあり、社会保険料控除額が過少となっていた
必要な添付書類:平成×年の社会保険料の控除証明

参照元:所得税及び復興特別所得税の更正の請求書

請求額の計算書欄の記載

記載が必要な項目

参照元:所得税及び復興特別所得税の更正の請求書

請求額の計算書欄の数字は、更正の請求を申告する年度分の確定申告書を元に記載していきましょう。例えば、『平成28年度分の確定申告分』を更正の請求する場合は、平成28年度分の確定申告書を参照しながら金額を記載します。ちなみに、上図の緑で縁取られた金額の差額が『還付される税額』となります。

還付される税の受取り先の記載

記載が必要な項目

参照元:所得税及び復興特別所得税の更正の請求書

還付される税の受取り先を記載します。このとき、口座情報の名義人が申告者名と同じでなければなりません。ただし、管理人を別途指定している場合は除きます。

課税対象となる所得額の確認方法

課税対象となる所得金額の確認方法は、以下の手続きで行うことが可能です。まずは、確定申告書に記載した所得の合計額」から「所得から引かれる金額の合計」を引いて、課税対象となる所得額を算出しましょう。

課税対象となる所得額の確認方法

引用元:確定申告書の記載例(国税庁)

所得の合計額-所得から引かれる合計額=課税対象の所得額(千円未満は切捨て)

課税対象となる所得金額を算出したら、以下の表から当てはまる所得額の欄に記載された『課税額の算出式』を元に計算してください。すると、課税対象となる具体的な所得額が分かります。

【課税額の算出式】

課税対象の所得額 課税額の算出式
0円 なし
1,000円~1,949,000円 課税対象の所得金額×0.05
1,950,000円~3,299,000円 課税対象の所得金額×0.1-97,500円
3,300,000円~6,949,000円 課税対象の所得金額×0.2-427,500円
6,950,000円~8,999,000円 課税対象の所得金額×0.23-636,000円
9,000,000円~17,999,000円 課税対象の所得金額×0.33-1,536,000円
18,000,000円~40,000,000円 課税対象の所得金額×0.4-2,796,000円

必要に応じて添付する書類

更正の請求をする際、申告書の原本と一緒に『申告内容を示す書類』の提出が必要なケースがあります。更正の請求は、手続きをすれば必ず認められるわけではないのです。

しっかりとした根拠の提示ができないと更正不要と判断される可能性も。できる限り、申告内容の根拠となる領収書などの書類を添付して送りましょう。

③更正の請求書の提出期限

更正の請求で申告書を提出する際の期限を一覧にまとめました。該当する税や項目によって提出期限が異なるため、申告内容がどれに当てはまるか確認してから提出しましょう。

該当項目 提出期限
所得税及び復興特別所得税 法定申告期限から5年以内
法人税及び地方法人税の確定申告に係る税額等 国税通則法第23条第1項:法定申告期限から5年以内国税通則法第23条第2項:該当日から2ヶ月以内
法人税法第145条、第80条または第80条の2:修正申告提出日翌日から2ヶ月以内
地方法人税法第24条:修正申告提出日翌日から2ヶ月以内
租税特別措置法第66条の4第16項、第20項、第68条の88第17項:法定申告期限から6年以内
復興特別法人税の確定申告に係る税額等 国税通則法第23条第1項:法定申告期限から5年以内国税通則法第23条第2項:該当日から2ヶ月以内
特別措置法第57条:修正申告提出日翌日から2ヶ月以内
租税特別措置法第66条の4第16項、第68条の88第17項:法定申告期限から6年以内
相続税及び贈与税 相続税:法定申告期限から5年以内贈与税:法定申告期限から6年以内
消費税及び地方消費税 法定申告期限から5年以内
たばこ税及びたばこ特別税揮発油税及び地方揮発油税
航空機燃料税、石油ガス税
石油石炭税、印紙税
電源開発促進税
法定申告期限から5年以内
酒税 法定申告期限から5年以内

④更正の請求書の提出先と提出方法

申請書の提出先と提出方法を確認しましょう。提出先は、あなたの住まいや会社がある地域を管轄している国税局となります。提出方法は、管轄の国税局へ直接提出しに行く、または郵送や電子申告の中から選択可能です。詳しくは「更正の請求|内容別の提出期限と手続きに必要な条件と手順」もあわせてご覧ください。

④更正の請求書の提出先と提出方法

提出先

申告書の提出先は、納税地を所轄する税務署長となります。各税務署に行けば対応してくれますので、自身が納税している地域の税務署を確認しましょう。

下記に記載した、税務署のHPにてご確認いただけます。

国税庁HP|税務署の所在地などを知りたい方

提出方法

提出方法は、管轄の国税局へ直接提出しに行くまたは郵送、電子申告による提出方法があります。どの方法で提出しても手数料はかかりませんただし、郵送費や交通費などの負担がかかりますので注意しましょう。

提出方法 注意事項など
国税局へ直接行って提出 受付は月~金曜の8時30分~17時まで
郵送で提出 管轄の国税局宛に送る
電子申告で提出 更正の請求書・修正申告書作成コーナー(国税庁)から作成

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⑤更正の請求手続きにまつわる基礎知識

⑤更正の請求手続きにまつわる基礎知識

更正の請求手続きを行う際の基礎知識をまとめました。手続き前に確認しておくべきことや、どのタイミングで通知書や還付される税額が受け取れるかについて記載しています。

必ずしも申出通りの更正が認められるわけではない

更正の請求手続きは、申請すれば必ず認められるわけではありません。提出した申告書や、申告内容を立証する参考書類をもとに協議が行われ、更正が必要と判断されて始めて認められます。

還付される税額が受け取れる時期

基本的には申告日から3ヶ月経過後もしくは、更正の処理日から1ヶ月経過した後に受取りが可能です。ただし、請求のタイミングによっては、受け取れる多少時期が異なる可能性があるかもしれません。

更正通知書が届くタイミング

税制改正がなされたことにより、更正の請求ができる期間が延長されました。もし、平成23年12月2日より前に法定申告期限が来る場合は請求期間が1年となります。一方、平成23年12月2日以降に法定申告期限がくる場合は、請求期間が5に延長されます。

請求範囲の拡大について

今まで『更正の請求』が認められていたのは、確定申告書に記載していた金額の訂正のみです。しかし、平成23年12月2日以降より、一部の税に関しては『更正の請求』で事後の適用が認められるようになりました。

まとめ

更正の請求に必要な申告書の書き方や、付随する基礎知識についてご紹介しました。更正の請求は、平成23年の税制改正で今までより申告しやすくなったと言えます。しかし、虚偽の記載をした場合、1年以下の懲役刑または50万円以下の罰金刑が科せられるため、慎重かつ丁寧な手続きが必要です。

それから、申告書と一緒に、申告内容の根拠となる書類もあわせて提出する必要があります。申告書の準備が完了した後に、誤りや漏れがないか確認するように心がけましょう。

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この記事を監修した弁護士
弁護士法人ネクスパート法律事務所
寺垣 俊介
2016年1月に寺垣弁護士(第二東京弁護士会所属)、佐藤弁護士(東京弁護士会所属)の2名により設立。遺産相続、交通事故、離婚などの民事事件や刑事事件、企業法務まで幅広い分野を取り扱っている。

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