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KL2020・OD・037
今回は、親の借金が発覚したときの対処法について解説していきたいと思います。
親が借金を抱えていた場合、それは自分が返済しなければと考える方も多いのではないでしょうか。その額があまりにも高額だった場合、どのようにしてその借金を返済していけばいいのでしょうか?
本当に自分が返済しなければいけないのでしょうか?
また、『知らぬ間に自分が親の保証人になっていた』というケースも起こり得ます。親の死亡後にそれが発覚するのでは遅いですし、今のうちからしっかりと確認しておく必要があるでしょう。今回は、親の借金があったときに起こりうるトラブルについて、または実際にそれが起こってしまったときの対処法について紹介していきます。
目次
そもそも、親が存命の場合子供が親の借金を払う、つまり肩代わりする義務はありません。子供なら払う義務があるようにも感じてしまいますが、たとえ血縁関係があろうとも、借金の返済義務はないのです。
親を思う気持ちとしては払ってあげたいと思うかもしれませんが、それは義務ではないということは把握しておきましょう。
では、もしも親に借金が発覚してしまった場合、どのような対処をすればいいのでしょうか?
まずは親の借金がどれくらいあるのか、借金額を調べましょう。借金の額によってはその後の手続きや選択も変わってきますので、ここを把握しておくことはとても大切です。
銀行やクレジットカード、または消費者金融から借金が発生していると考えられるので、まずはそこから調べていきましょう。
銀行からどれくらいのお金を借りているのかを調べるには、全国銀行協会に郵送で書類を送付します。必要書類としては、
となっていますので、こちらを用意して送付しましょう。
クレジットカードからどれくらいお金を借りているのかを調べるには、CIC(クレジットインフォメーションセンター)に書類を送付する必要があります。
必要書類としては
です。こちらを用意して送付してください。また、スマートフォンでの開示も行っていますので、郵送が面倒だという方はそちらを利用するものよいでしょう。
子供には親の借金を払う義務はないと記載してきましたが、保証人になっていた場合、話は変わってきます。というのも、保証人は債務者としてではなく、保証人として借金を支払う義務があるからです。
不安だという方は、自分が親の保証人になっていないか全国銀行協会個人信用情報センター(全銀協)で確認していきましょう。
全銀協とは、『全国銀行協会個人信用情報センター』の略称で、全国の銀行や信用機関などが加盟している信用情報機関のことをいいます。
個人が銀行から融資を受けたりローン等で借入を行った場合、その情報は必ずこの信用情報機関に登録されることになっています。もしも借入をする際に誰かが保証人になっていた場合には、その情報が登録情報開示報告書に記載されます。
この登録情報開示報告書の『取引種類等』という欄に、『連帯保証人』との記載がある場合、あなたが連帯保証人であるということです。
親の借金について親が存命中に子供が肩代わりする義務はありません。しかし、親の死亡後に債務を相続した場合は別です。
親の債務を相続しない方法としては限定承認と相続放棄の2通りがあります。また、相続してしまった債務を返済できない場合は自己破産という方法もあります。
限定承認とは、被相続人に借金がある場合、そのプラスの範囲内でマイナスの分も相続するという考え方です。
いざ相続をするとなった際、明らかにプラスの財産よりもマイナスの財産が多かったり、気づかぬところから親の借金が浮き彫りになったりなどのケースも起こりえます。
そういったときに限定承認をしていることにより、プラスの財産を上回る分のマイナスの財産は返す必要がなくなります。
相続人は、相続によって得た財産の限度においてのみ被相続人の債務及び遺贈を弁済すべきことを留保して、相続の承認をすることができる。
引用元:民法第922条
メリットが多いようにも感じますが、限定承認をしたいと望む人のみで手続きを進めることができず、相続人全員の合意が必要なため、実際にはあまり使われるケースは多くないようです。
家庭裁判所に受理されることによって成立する『相続放棄』は、被相続人の資産・負債のすべてを相続しないようにできる制度のことです。
- 相続人は、自己のために相続の開始があったことを知った時から三箇月以内に、相続について、単純若しくは限定の承認又は放棄をしなければならない。ただし、この期間は、利害関係人又は検察官の請求によって、家庭裁判所において伸長することができる。
- 相続人は、相続の承認又は放棄をする前に、相続財産の調査をすることができる。
引用元:民法第915条
民法第915条にはこのように記載されています。負債を相続しないということが可能になりますが、もしも相続放棄をした後に資産の方が多かったことに気づいても、その資産を受け取ることができないため、こうなってしまうことは避けたいところです。
メリットもデメリットもありますので、よく考えて実行していくようにしましょう。詳しい内容に関しましては、こちらの記事をご参照ください。
自己破産とは、自分にとって返せないほどの借金が溜まってしまったときにとる最終手段です。裁判所に自己破産申立を行い、それが受理されると、抱えていた借金を支払う必要がなくなります。
ただ、借金がなくなると同時に持っている財産もほとんど失うことになりますから、自己破産は慎重に考えるべきです。
まずは弁護士などの専門家に悩みを相談し、本当に自己破産をすべきかどうか、検討していってください。
ここまで、借金の相続を放棄する方法について解説してきましたが、仮に子供が保証人になっていた場合は固有の債務として返済が必要になります(相続は関係ありません)。
親の借金があまりにも高額であり、保証人である自分には払うことができないといったお悩みがある方は、ぜひこちらの記事も参考にしてみてください。
相続が開始されたあと突然親の借金の支払いを命じられるといったように、自分が保証人であることを知らなかったというケースも起こりえます。そういった場合にはどのように対処していけばよいのでしょうか?
保証人になっているということは、自分のサインと押印が書類上に残っているということです。知らなかったとはいえ、それらが残っているということは書類上の不備はないということになってしまいます。
そのため、これが事実ではないということを証明する必要があるのですが、1人で証明するのは困難であるため、必ず弁護士に相談をしましょう。
内容証明の通知、その後は裁判へと発展することも考えられます。『筆跡が完全に異なる』、『自分の意思に反して勝手に実印を持ち出された』など、不当な請求をされたことを主張できるよう準備しておきましょう。
本人の同意を得ずに誰かを保証人にすることは違法行為ですので、もしも心当たりがない場合は弁護士に相談し、自信をもってその請求をしていきましょう。
借金の相続を全額回避することができなくても、次に紹介する方法によって少しでも減額させることができます。
任意整理とは債権者・債務者の話し合いによって借金を減額する方法。裁判所の手続きではないため、単に当事者間で協議するだけで済みます。
債務整理に関しては最もよく使われている手法です。こちらの記事もぜひご参考ください。
過払い金請求とは、過去に払いすぎてしまった金利分を返済してもらうための請求のことです。金融機関などからお金を借り、知らない間に払いすぎてしまっていたというケースが多々あります。
過払い金が生じている場合、過払い金返還請求権と貸金債権を相殺することで、実質的に借金の減額が期待できます。
しかし、貸金業者に対して過払い金請求が可能かどうかは弁済状況次第であるため、まずは弁護士に相談する方が適切でしょう。
今回は、親の借金が発覚したときにどうすればいいのか、その対処法などについて解説してきました。
親の相続が開始された後に借金が発覚すれば、その返済を誰がするのかなどについて、相続人の間でトラブルに発生してしまう可能性もあるでしょう。
そういった事態を避けるためにも、今からできることに早めに着手していくことが大切です。親の借金額を把握しておくことや、誰が保証人になっているのかなど、今すぐに確認しておくべきですね。
ぜひこの記事を参考に、親の借金がきっかけでトラブルに巻き込まれないよう今から対処をしていってください。
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