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KL2020・OD・037
警察へのストーカー被害の相談件数は年々増加を続け、平成28年度では22,737件もの相談を受け付けたというデータも公表されました。
引用元:平成28年度におけるストーカー事案及び、配偶者からの暴力事案等への対応状況について
この記事では相談対象となるストーカーの定義や相談先について紹介しますので、ネット上でのつきまといに悩まされている場合はぜひ参考にしてみて下さい。
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目次
どのような行為がストーカーに該当するかは、下記のストーカー規制法の定義により判断することが可能です。
- つきまとい・待ち伏せ・押し掛け・うろつき
- 監視していると告げる行為
- 面会や交際の要求
- 乱暴な言動
- 無言電話、連続した電話・ファクシミリ・電子メール・SNS等
- 汚物などの送付
- 名誉を傷つける
- 性的しゅう恥心の侵害
参照元:ストーカー規制法より|警視庁
5の項目を見てもらうと「SNS等」と記載がありますが、これは2017年1月のストーカー規制法の改正により追記されました。ネット上でのストーカー行為を取り締まれるようにするためです。
ストーカー規制法の改正前は、インターネット上のつきまとい行為が適用対象であるかが不明確であり、ネットストーカーの取り締まりは難しい状態でしたが、現在ではSNS等での付きまとい行為はストーカー規制法が適用されることが明確化されました。
したがって、SNS等でのつきまとい行為について証拠を揃えて相談すれば、警察も動きやすくなっているといえます。
東京都の小金井市で活動する大学生アイドルがブログ・ツイッターで執拗な書き込みをされ警察に相談をしたものの、逮捕等の具体的対応はされず、結果、その後のライブ活動後にストーカーの待ち伏せを受け、ナイフで34箇所も刺される重傷を負った傷害事件。
被害者は命の危険を感じると警察に相談をしましたが、逮捕等の強力な措置は講じられることなくネットストーカー行為が重大な傷害事件にまで発展してしまいました…。
今後このような事件を繰り返さないためストーカー規制法の改正がされたので、もし自分の身に危険を感じるような状況の場合は迷わずに直ぐ相談をして下さい。
まず、ネット犯罪の対応を専門とするサイバー犯罪対策課に相談をしましょう。最寄りの交番でも相談はできますが、担当の警察官がネットに疎い人だと適切な対応をしてもらえない恐れがあるので、なるべくサイバー犯罪対策課に足を運ぶことをおすすめします。
相談をして被害届を提出すれば、警察から加害者に対して電話もしくは呼び出しで『警告』が入り、その警告で改善されなければ『接触禁止命令』が出され、それにも従わない場合は『逮捕』というのが警察のとってくれる対処の流れです。
多くの事件は『警告』の段階で解決すると言われていますが、警告を受けて逆恨みをする加害者も存在するので、警察に相談しても事態が完全に収まるまで警戒を忘れないようお気を付けください(『警告』を出さずに『接触禁止命令』が出されることもあります)。
警察に相談したが証拠不十分や危険性が認められず対処してもらえない場合でも、弁護士に相談をすればストーカー被害を解決できる可能性があります。
警察に被害届を出すための証拠集めを任せたり、弁護士を通じて加害者に警告をして接触しにくい状況を作ったりなど、ストーカー問題の解決を得意とする弁護士に相談をすれば状況に合わせて色々な対策を講じてくれるでしょう。
ただし、弁護士にも得意不得意の分野があり依頼する弁護士によって対応にも差が出てしまうので、ネットストーカーの相談をする場合はなるべくネットとストーカーに詳しい弁護士に依頼をするようにして下さい。
一度ブログやSNSへの書き込みを止めて欲しいと伝えたにも関わらず、何度も接触を繰り返してくる場合はストーカー規制法の『つきまとい』の行為に該当する可能性があります。
あと当然ですが、ネット上でのやり取りを拒絶されたからとリアルで接触をしようとしてくるのも『押し掛け』等に該当する可能性があります。
「今朝〇〇ちゃんと同じ車両の電車に乗ったよ」「近ごろ白のスカートよく履いているけどお気に入り?」など、ネットを通じて監視を匂わせる接触をされている状況はストーカー規制法の『監視をしていると告げる行為』に該当する可能性があります。
「いつも見ているよ」と言った直接的な発言がなくても、監視が怖くて外出がしにくい状況になったなど、被害者の実生活に悪影響が生じているのなら、早めに警察に相談するべきでしょう。
ネット上であっても、他者を脅したり交際を強要するような言動はストーカー規制法だけでなく、刑法犯が成立する可能性もあります。特に「言うことを聞かないと殺しにいく」といった脅迫は緊急性が高く、警察に相談をすれば逮捕等強力な対応を取ってもらえることが期待できます。
ちなみに、「会ってくれなきゃ自殺する」といった自分に危害を加えるような内容でなくても、被害者の正常な意思決定の自由を侵害していると捉えられるような言動をした場合は脅迫行為となる可能性もあります。
一度でもストーカー行為を止めてほしいと明確に伝えていた場合、その後の迷惑行為はストーカー規制法の『つきまとい』に該当すると判断されやすくなります。
ただ、伝え方によっては相手を逆上させてしまう恐れもあるため、「書き込みを少し控えてもらえないでしょうか?」のような、感情的でなくなるべくお願いをするような形で自分の意思を伝える方が望ましい場合もあります。
連絡後はその事実を証明できるようにスクリーンショットや印刷をしておき、相談へ行くまでの間はしっかり保管しておくようにして下さい。
ネットでのストーカー行為を証明するには客観的に見て被害が明らかであると判断できる証拠を用意しなければいけません。相談前には以下のものを準備しておきましょう。
もし加害者とのやり取りを消去してまっている場合は、再び加害者から連絡がくるのを待つ(緊急の状況でない場合)か、スマホのデータ復元業者やネット分野を得意とする探偵に依頼をして、必ず証拠を確保しておくようにして下さい。
自分のSNSアカウント・ブログを観察されていたとしても、相手はただ公開されているものを見ているに過ぎないため、ただ観察されているだけの状況ではネットストーカーには該当しません。
「昨日のプール楽しそうだったね!」とあまり接点のない人に言われたとしても、それが自分で公開した情報であるなら違法性はないので、相談をしてもストーカー被害として対応してもらえる可能性は低いです。
もし、観察されたくないのならば親しい人しかネット上のアカウントを見られないように設定するか、見られたくない人をブロックするなどして自分で対策をしていきましょう。
もし自分のアカウント情報や投稿内容から個人情報を特定されてしまったとしても、自らが特定可能な情報を積極的に与えていたような場合には、直ちにストーカー被害として対応してもらえない可能性があります。
例えば、自宅や自宅付近の写真を公開したことに対し、「もしかして〇〇アパートに住んでる?」なんて書き込みがあったとしても、直ちにストーカー行為であるとの評価はされにくいでしょう。
ただ、その特定した個人情報を利用して無理やり接触を図ってきたり、個人情報をばらまくと脅したりする行為は、ストーカー規制法の処罰対象となる可能性がありますし、場合によっては別の刑法犯に該当する可能性もありますので、警察に相談することをおすすめします。
SNSやブログでどんなに執拗な嫌がらせを受けたとしても、ネットでの活動が匿名であって、現実の生活には影響する可能性が乏しい場合はストーカー被害として取り扱ってもらえない可能性が高いでしょう。
ネット上だけでの問題ならば、そのネットのサービス内で解決するしか方法はないので、
Twiiterで悩まされている場合はTwiiterの運営に報告するなど、そのサービスの管理者に相談をして解決方法を探っていくことをおすすめします。
しかし、被害がネット上で留まらない又は留まらなくなる可能性がある(例えば、相手が自分の個人情報を特定しているような場合)は、匿名の利用であってもストーカー事案として取り扱ってもらえる可能性があります。このような場合は、警察に相談するべきでしょう。
ネット上だけでのストーカー行為であっても、ストーカー規制法に該当する被害を受けているのなら、警察や弁護士に相談をすればしっかり対応してもらえます。
ネットストーカーに限らず、ストーカーは放置しておくと行動がどんどん過激になっていく傾向があるので、もし被害に悩まされている場合は大きな事件に発展する前になるべく早めに相談するようにしましょう。
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本記事はあなたの弁護士を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。
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