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KL2020・OD・037
ネット上だけでのストーカー被害であっても泣き寝入りする必要はありません。現代ではSNS等でのつきまとい行為も悪質なものであれば、歴としたストーカー犯罪として扱われています。
この記事ではネットストーカーの被害届を提出する際の基礎知識についてご紹介しますので、警察での対処を考えている場合はぜひ参考にしてみて下さい。
目次
2017年1月のストーカー規制法の改正により、SNS等のネット上の出来事でも下記に当てはまればストーカー行為だと認められるようになりました。
- つきまとい・待ち伏せ・押し掛け・うろつき
- 監視していると告げる行為
- 面会や交際の要求
- 乱暴な言動
- 無言電話、連続した電話・ファクシミリ・電子メール・SNS等
- 汚物などの送付
- 名誉を傷つける
- 性的しゅう恥心の侵害
参照元:ストーカー規制法より|警視庁
ただ、SNS等のネットストーカーの場合はこちらからブロックするなど接触を断つ手段があるので、上記に当てはまっていても被害が軽いと判断される状況では警察に動いてもらえない可能性があります。
なので、ネットストーカーの被害届を出す際はストーカー規制法だけでなく、下記の2つの基準も参考にしてみて下さい。
1度ストーカー行為を止めて欲しいと伝えたにも関わらず、メッセージや投稿をずっと続けてくる場合はストーカー規制法の『つきまとい』に該当すると判断できるので、ストーカー行為だと認められる可能性が高いです。
ブロックや着信拒否などの対策をとっても、新アカウント取得やアド変をして接触を図ってくるようなら明らかなものだと判断できるでしょう。
ちなみに、ネットで拒否されたからと直接的に接触を図ってくる場合でも、当然ストーカー規制法に該当するので、現実での接触を拒否していなくともストーカー被害として扱われます。
「今日の白いワンピース似合っていたね」など監視を告げる行為で外出がしづらくなったり、誹謗中傷を書き込まれ現実の人間関係に支障が生じたりなど、実生活に悪影響が出ている状況ならばストーカー被害と判断される可能性が高いです。
ちなみに、実際に実行はしていなくとも「毎晩寝る前に部屋の前にいるよ」など不安を与える書き込みをして被害者の生活に影響を与えているようであれば、実行の有無は関係なくそれはストーカー被害と判断できるでしょう。
SNSに公開されたものをチェックされているだけの状況だと、ストーカー規制法の要項に該当せずSNSの規約的にも何も問題がないので、ストーカー被害だとは認められません。
相手から一方的にくまなくチェックされていると知ると気分はあまりよくないですが、相手はただ公開されたものを見ているだけに過ぎないので、自分が嫌だからとその行為に違法性を求めるのは難しいです。
もしSNSの投稿などから自分の住所や職場などの個人情報を特定されてしまっても、それは自分の意志で公開したものが招いた結果なので、個人情報を知られただけではストーカー被害と判断はできません。
ただ、その個人情報を使い接触を図ってきたりネット上に情報を拡散したりなどの行為は悪質と判断できるのでストーカー被害と認められる可能性があります。
被害届は「こうした犯罪行為があった」と報告をするものなので、警察に動いてもらうにはそれを証明するための証拠を用意する必要があります。
なので、相談に行くまでには必ず以下の証拠を確保しておきましょう。
あと自分が接触を止めて欲しいと送ったメッセージがあれば、それは1度拒否をしたという事実の証拠になるので、それも保存して提出するようにして下さい。
被害届を提出する際に弁護士と同行をすれば、警察はストーカー被害に信憑性と緊急性があると判断してくれる可能性が高くなるので、もしあてがあるのなら同行をお願いしておくと良いでしょう。
個人だけで被害届の提出に向かい証拠の準備が不十分だったり被害状況を正確に伝えられないと、被害届を受理されるだけで対処をしてもらえないおそれがありますが、弁護士と同行すればそのリスクを回避することも可能です。
ただ弁護士代理交渉の相場は20万前後と決して安いものではないので、この方法は資金に余程の余裕があるか知人に弁護士がいる場合におすすめします。
被害届が受理されると加害者に対して警察からこれ以上ストーカー行為を続けないよう、電話もしくは警察署への呼び出しで直接『警告』が行われます。
多くのストーカー被害はこの警告で解決することが多いですが、この警告でも加害者がストーカー行為を止めなかった場合は、公安委員会より被害者への『接触禁止命令』が加害者に出されます 。
そして、その接触禁止命令を無視した場合に最終的に下される処分が『逮捕』です。ストーカー規制法を犯したと判断され『懲役:1年以下、罰金:100万円以下』の罰が科されることになります。
内容証明とは、「ストーカー行為を止めて欲しい」と郵便局を通じて手紙で公的に伝える手段で、加害者にストーカー行為を自覚させ心理的な圧力をかけることで、ネットストーカーを踏みとどませられる可能性があります。
この内容証明は個人だけでも送ることができますが、より効果を高めたいのならば弁護士に署名をもらうと良いでしょう。(費用相場は5万円ほど)
ただし、相手によっては逆上させてしまうおそれもあるので注意が必要です。特にストーカー行為が長期に渡って慢性化している状況だとそのリスクが高まるので、なるべくストーカー行為が始まった初期段階に実行することをおすすめします。
ストーカーを専門的に扱う弁護士に相談をすれば、状況により様々なアドバイスと対処をしてもらえます。
上記は弁護士が取ってくれる対処の一例ですが、他にもストーカー被害を証明する証拠集めや内容証明の作成など色々な対策を講じてくれるので、依頼まではいかなくとも相談をしておいて損はありません。
ネット上の付きまといでもストーカー規制法に当てはまるようなら歴とした犯罪なので、警察に被害届を提出して対処してもらうことが可能です。
ネットストーカーは放置しておくと殺人につながる事件になる可能性もあるので、そのような最悪な事態を避けるためにも1人で抱え込むのは避け、周囲の多くの人に助けを求めることをおすすめします。
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KL2020・OD・037
本記事はあなたの弁護士を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。
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