リベンジポルノ被害の慰謝料相場 | 示談交渉と慰謝料請求までの流れ

( 3件 )
分かりやすさ
役に立った
この記事を評価する
この記事を評価しませんか?
分かりやすさ
役に立った
弁護士法人ネクスパート法律事務所
寺垣 俊介
監修記事
リベンジポルノ被害の慰謝料相場 | 示談交渉と慰謝料請求までの流れ

被害に遭ってしまった場合の慰謝料はとても気になりますよね。実際どのくらい慰謝料として払われるのか、相場と実際の判例を紹介します。

 また、示談交渉に被害者が応じるメリット・デメリット・犯人特定から慰謝料の請求までをまとめました。

今回はリベンジポルノの慰謝料相場に関する知識に焦点を当てて解説します。

リベンジポルノについて弁護士に相談する

電話相談可・初回面談無料・完全成功報酬
の事務所も多数掲載!

北海道・東北 北海道青森岩手宮城秋田山形福島
関東 東京神奈川埼玉千葉茨城群馬栃木
北陸・甲信越 山梨新潟長野富山石川福井
東海 愛知岐阜静岡三重
関西 大阪兵庫京都滋賀奈良和歌山
中国・四国 鳥取島根岡山広島山口徳島香川愛媛高知
九州・沖縄 福岡佐賀長崎熊本大分宮崎鹿児島沖縄

リベンジポルノに遭った時の慰謝料の相場4つ

リベンジポルノの被害に遭った時、名誉棄損やプライバシー侵害なども問われます。ここでは名誉棄損・プライバシー侵害・ストーカー法違反の3つの慰謝料や算定基準をまとめました。

ネット上の名誉棄損

一般人と一般人 10~50万
著名人・公人と報道機関 50万~100万
慰謝料額の算定基準(加害者側の事情) ・動機・目的・記事内容・真実性・相当性・配布の方法と範囲・配布による利益
慰謝料額の算定基準(被害者側の事情) ・社会的地位・社会的評価の低下・営業上の不利益・社会生活上の不利益・配布後の加害者の態度

(参照元:東京地判平成17年2月22日|慰謝料算定の実務|ぎょうせい)

ネット上プライバシー侵害

一般人と一般人
10~50万
著名人・公人と報道機関
50~100万

(参照元:東京地判平成17年2月22日|慰謝料算定の実務|ぎょうせい)

ストーカー防止法

慰謝料相場 100~200万
高額な慰謝料が認められるケース
  • ストーカーを止めるように警告されたのにも関わらず、ストーカー行為をやめない
  • 優位な立場を利用した悪質な行為・被害者が精神的に追い詰められる
減額が認められるケース
  • 交際していたのに一方的に別れを告げられ連絡を取ろうとした等、被害者に落ち度がある場合
  • 身体的な接触がなく、行為が悪質でない場合

さらにリベンジポルノのようなわいせつな写真や動画を公然陳列したとなると、慰謝料は数百万に上がるでしょう。

また精神的負担で「後遺障害」や「労働能力喪失のため収入減少」が認められた場合、慰謝料は数千万まで上がる可能性もあります。

実際の裁判事例で出たリベンジポルノ慰謝料

実際の裁判事例で出たリベンジポルノ慰謝料

上記の最後に触れたように数百万に達した事例にどのようなものがあるのか紹介します。

元AV女優の裏ビデオなどを無断掲載

【事件概要】元AV 女優の引退後週刊誌が過去の私生活・家族関係・裏ビデオを文章で詳細に紹介したもの・出演していたAVのコマ送り等を承諾なしに掲載。

【判決】

  • 慰謝料200万円
  • 訴訟の費用の8分の1を被告が負担
  • 原告の弁護士費用は20万被告が負担する

参照元:裁判所|裁判例情報

インターネト上での名誉棄損

【事件概要】

インターネットの掲示板上に原告が無実であるにも関わらず、盗撮したことをうかがわせるような内容を書き込んだ

【判決】

  • 慰謝料400万円
  • 弁護士費用の4分の1の負担
  • 犯人特定のため要した調査費63万円を全額負担

(参照元:東京地判平成17年2月22日|慰謝料算定の実務|ぎょうせい)

こちらはリベンジポルノではありませんが、Twitterなどインターネット上でリベンジポルノに遭い、容疑者を調査して特定した場合の調査費(配信者情報開示請求などに)を損害として認められる可能性のある判決です。

リベンジポルノ被害を示談交渉で解決するか訴訟するかの判断基準

リベンジポルノの被害に遭った場合、示談交渉に応じた方がいいのか、訴訟した方がいいのかで、被害者側のメリットとデメリットがあります。

ここでは示談交渉や訴訟をするメリット・デメリットをまとめました。

示談交渉に応じるメリットとデメリット

メリット
デメリット
  • 確実に示談金を受け取ることができる
  • 民事訴訟のためにお金や時間を使わなくて済む
  • 加害者の罪が軽くなる、または前科がつかない
  • 賠償金の義務がなくなる可能性がある

訴訟するメリットとデメリット

メリット デメリット
・損害賠償金を請求し続けることができる ・弁護士費用・裁判費用や時間が掛かってしまう

示談交渉が持ち掛けられた時は素直に応じて示談金交渉をする方がメリットは多いです。

また示談をする時はしっかり弁護士を雇いましょう。また示談交渉の時には、弁護士の費用も負担してもらえるように交渉することも大切です。

ネットに投稿した人物の特定から慰謝料請求の流れ

ネットに投稿した人物の特定から慰謝料請求の流れ

ネットに投稿した人物が自分の知り合いではない場合や、嘘などをつかれていて特定できない場合はサイトの運営やプロバイダなどに対し配信者情報開示請求することができます。

開示情報の書き方から書きこまれた投稿の削除請求・慰謝料請求までのポイントやコツをまとめました。

発信者情報開示請求標準書式の書き方

年 月 日   

至 [投稿されたサイト等の会社の正式名称]御中

[権利を侵害されたと主張する者]

住所

氏名           印

  連絡先

※個人の場合:運転免許証やパスポートなど顔が分かる身分証明書

 法人の場合:資格証明書の添付

 

発信者情報開示請求書

 

[貴殿・貴社]が管理する特定電気通信設備等

サイトのURLなど
例)URL:http://*****.**245.jp

記載された情報

実際に記載された情報
例)承諾なしにわいせつな写真、個人情報

侵害された権利

何の権利を侵害されたのか
例)名誉棄損・プライバシーの侵害

権利が明らかに侵害された理由

記載された情報を詳しく書く
例)発信者は上記ウェブサイトに添付資料1に記載のとおり、承諾がないのにも関わらず、

①わいせつな写真・動画の掲載
②個人情報の掲載
③事実に派するコメントの記載
④上記ウェブサイトは、上記事実の記載部分とほかの記載部分が一体となり、名誉棄損・プライバシーの侵害にあたる
発信者情報の開示を受けるべき正当な理由(複数選択可)
①損害賠償請求権の行使のために必要であるため
②謝罪広告等の名誉回復措置の要請のために必要であるため
③差止請求権の行使のために必要であるため
④発信者に対する削除要求のために必要であるため
⑤その他(具体的にご記入ください)

開示を請求する発信者情報
(複数選択可)

①発信者の氏名又は名称
②発信者の住所
③発信者の電子メールアドレス
④発信者が侵害情報を流通させた際の、当該発信者の IP アド レス及び当該 IP アドレスと組み合わされたポート番号
⑤ 侵害情報に係る携帯電話端末等からのインターネット接続サービス利用者識別符号
⑥ 侵害情報に係るSIMカード識別番号のうち、携帯電話端末 等からのインターネット接続サービスにより送信されたもの
⑦4ないし6から侵害情報が送信された年月日及び時刻
証拠

・サイトのURLやホームページなどのコピーと発信者情報開示に係る意見照会書のコピーを一緒に添付する

発信者に示したくない私の情報(複数選択可)

①氏名(個人の場合に限る)※氏名を開示しなくても推知される可能性はある
②「権利が明らかに侵害されたとする理由」欄記載事項
③添付した証拠

(参照元:プロバイダ責任制限法発信者情報開示関係ガイドライン

侵害された権利や理由・どのような被害が出ているのかを正確に記述するのは難しいので、請求書を書くときはネットに強い弁護士に相談しましょう

またリベンジポルノで自分だと明らかにわかる場合はまず先に警察に相談しましょう。

送信防止措置請求権と依頼書の書き方

送信防止措置請求権

ネット上で権利侵害された場合、サイト運営者やプロバイダに対し、情報の送信の停止を求めることできます。

送信防止措置依頼書のサンプル

私事性的画像侵害情報の通知書兼送信防止措置依頼書

年 月 日

]至 [投稿されたサイト等の会社の正式名称]御中

 

[被害に遭った人の名前]

住所

氏名           印

  連絡先(電話番号)

           (e-mailアドレス)

           □撮影対象者以外の場合にチェック(撮影対象者が死亡している場合のみ可能)

掲載されている場所

URL:http://***.***そのほか情報の特定に必要な情報:(掲示板の名称・掲示板内の書き込み場所・日付・ファイル名など)

掲載されている情報(この情報は私事性的画像記録のこと)

例)実名と通っている学校・メールアドレスを掲載したうえで、今までの男性関係や援助交際を求めているかのような書き込みがされた。

名誉などが侵害されたとする理由・被害の状況など

例)自分の意志に反して書き込まれ、嫌がらせや迷惑メールを**件受けており、学校でも声をかけられるいやがらせに精神的苦痛を被った。

  (参照元:侵害情報の通知書兼送信防止措置依頼書)

掲載されている場所はもしかしたら消されているかもしれないので、見つけたらURL以外にも印刷して手元に残しておきましょう。

また依頼書を書くときは、被害状況など整合性をもって書かなければならないので、ネットに強い弁護士に相談しましょう。

開示や削除されない場合

開示や削除されない場合

情報開示請求や送信防止措置依頼をしても開示や削除されない場合、裁判所で2つの仮処分の申し立てができます。ではどのようなものなのか見てみましょう。

削除の仮処分

本起訴では時間がかかってしまい画像等の拡散を早く止めるためには削除の仮処分を申し立てます。書き込み削除の仮処分が決定すれば、一回応じてもらえていなくても答えてもらえる可能性が一段と高まります。

また仮処分命令が発令された後、執行官に対し保全執行の申立をする必要があります。申立の詳しい手続きはこちら「保全執行段階|裁判所」をご覧ください。

記事の削除の仮処分の費用は30~50万円程度が担保費用としてかかってしまいます。ですが、被害を拡大させないためにも申立をしましょう。

また申し立ての手続きや書類が必要な方はこちらを「保全事件の申立て|裁判所」ご覧ください。

発信者情報開示請求の仮処分

発信者情報開示請求の処分の申し立てを行うことで、相手の情報を入手できる可能性が高まります。

内容証明で請求

内容証明

内容証明とは、差出人・受取人・文章の内容を証明してくれる郵便になります。内容証明はあくまで手紙の一種なので法的効果や強制力はありません。

内容証明で得られる利点

内容証明で得られる4つの利点を紹介します。

  • 証拠

内容証明とは、差出人・受取人・文章の内容が証明されますので、裁判において「聞いてなかった」「受け取ってない」等の言い逃れができなくなります。

  • 心理的なプレッシャー

これは裁判や告訴前の最終通告という意味も持っています。また、正式な証拠にもなることと、普段見慣れない書き方がされていることからプレッシャーを与えることができるのです。

  • 確定日付

裁判では日付がとても重要な場合があります。内容証明の日付は公的に証明されているので法的な効力が得られるのです。

  • 時効の中断ができる

内容証明には催告という6ヶ月間時効を中断させる効力があります。なので、裁判を起こすのに時間が掛かってしまい、時効が成立しそうな時の一つの有効手段です。

内容証明の書き方のポイント

内容証明は細かい決まりはほとんどありません。例として書いたのを参考にしてください。

まとめ

リベンジポルノの慰謝料は、自分の社会的評価の低下や精神的負担・加害者の利益や配布方法によっても変わってきます。示談に応じるときや書類を書くときはネット問題に強い弁護士を雇いましょう。また被害に遭わないための最大の防止策はリベンジポルノにつながるような写真を撮らない、取らせないことを徹底することです。友人・恋人・夫婦間でも気を付けましょう。

リベンジポルノについて弁護士に相談する

電話相談可・初回面談無料・完全成功報酬
の事務所も多数掲載!

北海道・東北 北海道青森岩手宮城秋田山形福島
関東 東京神奈川埼玉千葉茨城群馬栃木
北陸・甲信越 山梨新潟長野富山石川福井
東海 愛知岐阜静岡三重
関西 大阪兵庫京都滋賀奈良和歌山
中国・四国 鳥取島根岡山広島山口徳島香川愛媛高知
九州・沖縄 福岡佐賀長崎熊本大分宮崎鹿児島沖縄
数十万~数百万の弁護士費用、用意できますか?

決して安くない弁護士費用。いざという時に備えてベンナビ弁護士保険への加入がおすすめです。

Cta_merci

離婚、相続、労働問題、刑事事件被害、ネット誹謗中傷など、幅広い事件で弁護士費用の補償が受けられます。

【ベンナビ弁護士保険が選ばれる3のポイント】

  • 保険料は1日あたり約96円
  • 通算支払限度額1,000万円
  • 追加保険料0円で家族も補償

保険内容について詳しく知りたい方は、WEBから資料請求してみましょう。

ベンナビ弁護士保険に無料で資料請求する

KL2020・OD・037

この記事を監修した弁護士
弁護士法人ネクスパート法律事務所
寺垣 俊介
2016年1月に寺垣弁護士(第二東京弁護士会所属)、佐藤弁護士(東京弁護士会所属)の2名により設立。遺産相続、交通事故、離婚などの民事事件や刑事事件、企業法務まで幅広い分野を取り扱っている。

この記事を見た人におすすめの記事

newリベンジポルノの新着コラム

もっと見る

リベンジポルノの人気コラム

もっと見る

リベンジポルノの関連コラム

編集部

本記事はあなたの弁護士を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。

※あなたの弁護士に掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。
 詳しくはあなたの弁護士の理念と信頼できる情報提供に向けた執筆体制をご覧ください。

※本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。