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KL2020・OD・037
相続放棄をしたとき、あなたが借金を負担する必要はほぼなくなります。
しかし、相続とは不動産や現金といったプラスの財産と債務のようなマイナスの財産がセットになっているので、マイナスの財産を放棄するということはプラスの財産も放棄するということです。
プラスが多いのに相続放棄はもったいない、だけれど財産の内訳がそもそも把握できていないこともあると思いますので、亡くなった被相続者にどのくらいの借金があったのかを調べる方法や、相続放棄のながれを説明いたします。
相続放棄をしたとき、相続するはずだったすべての財産を相続しないことになります。
デメリットとして利益になるような財産も受け取れないわけですが、債務を負わなくていいメリットのほうが大きければ有用でしょう。
相続というものは有形財産も権利もプラスもマイナスもすべてひっくるめて引き継ぐものです。すなわち相続を放棄するということは、相続人にとって利益のある不動産や現金といったプラスの財産を引き継ぐ権利も捨てるという意味になります。
そのまますべての財産を相続することを【単純承認】といいます。借金よりも確実にプラスの財産が多ければ単純承認を選択してもよいかとは思いますが、相続放棄と単純承認のどちらを選択すべきは、債務がどのくらいあるかを調べて判断する必要があります。
また、相続において債務を引き継がない方法は相続放棄だけではありません。詳しくは後述の「相続放棄を選択すべきかの判断基準」で紹介させていただきます。
相続放棄は具体的に下記のような手順で進んで行きます。
では、具体的にはどのような方法で手続を行い、手順を踏むのでしょうか。
【関連記事】相続放棄で借金をゼロに | 相続放棄手続の手順と主な相談先まとめ
相続放棄の申述書とそのほかに添付書類が必要になります。添付書類は被相続人と相続人の関係性や状況によって必要になってくるものと、どのようなケースでも共通して必要な書類があります。
すべてのケースで必要な書類は下記のものです。
被相続人が死亡したことがわかる戸籍謄本(除籍や改製原戸籍)
相続放棄の申述書は裁判所のHPからダウンロードができます。家庭裁判所からもらうことも可能です。
戸籍謄本など個人の書類は市役所で取得しましょう。またそのほかに収入印紙800円分と郵便切手が必要になります。
【関連記事】相続放棄申述書を自力で作る全手順|書き方・手続方法・注意点を徹底解説
被相続人の住居地を管轄する家庭裁判所へ相続放棄の申述書と添付書類を提出しましょう。住所地を管轄する家庭裁判所は以下の裁判所のHPから確認することができます。
家庭裁判所にて提出書類が特に問題なしと判断されれば、裁判所から相続放棄照会書と回答書が送られてきますので、回答しましょう。相続放棄をする理由や対象の被相続人の財産を一切使っていないかの確認に答える必要があります。
相続開始後に財産を消費してしまっていた場合、相続放棄は認められません。単純承認とみなされ、債務があれば債務も負ってしまうことになりますのでご注意を。
あなたの回答に問題がないと裁判所から判断されると、相続放棄が成立します。その後、相続放棄申述受理証明書というものが送られてきます。
2枚目以降は有料になりますが、相続放棄申述受理証明書は裁判所にて複数枚発行が可能で、同時に複数持っていても問題ありません。
プラスの財産もマイナスの財産も存在する場合、放棄してしまっていいのかは迷うところでしょう。
債務を調査した上でマイナスのほうが大きいのであれば相続放棄をしてしまったほうがいいでしょう。
契約書類などがあれば手っ取り早いですが、それがない場合は個人情報信用機関というところに問い合わせをしましょう。
もしも銀行やクレジット会社など金融機関から借り入れをしていた場合、その情報は個人情報信用機関に登録されています。そこから情報を入手することができれば、金融機関由来の債務を調査することができます。
通常は債務者本人にしか開示されない情報ですので、相続のときは被相続人と申請者との関係が分かる戸籍謄本及び被相続人が死亡したことがわかる戸籍謄本(除籍や改製原戸籍)が必須です。
個人情報信用機関は借り入れをおこなった金融機関の種類で異なります。
債務から逃れる手段は相続放棄だけではありません。限定承認という方法もあります。
限定承認は相続財産にどのくらいマイナスが含まれているのかわからないときに使うもので、相続人は、被相続人の一切の権利義務を引き継ぎますが、債務の調査をした上で、マイナスのほうがプラスより多ければプラス財産の限度でのみ負債を弁済する義務を負い、プラスのほうが多ければ差し引いた分を相続することをいいます。
限定承認をおこなう場合、共同相続人全員(相続人が複数いる場合)が限定承認をする必要があります。限定承認は相続放棄と同じく単純承認後は認められないので、共同相続人のうち一人でも単純承認をしてしまった場合には限定承認は認められないのです。
なお、共同相続人の中で相続放棄をしている人がいる場合は、該当人物ははじめから相続人ではなかったという扱いなので、相続放棄をした人は限定承認をする必要はありません。
相続放棄、限定承認ともに、相続が開始したことを知ったときから、つまり被相続人が亡くなったことを知ったときから3ヶ月以内に家裁へ申述しなければなりません。
ただし債務があるかもしれないけど調べきれていないという場合、家庭裁判所に対する請求により、熟慮期間というかたちで3ヶ月から期間を延長してもらえます。
もしも3ヶ月の期間を過ぎてしまったら、相続放棄も限定承認も認められず単純承認をしたものとされます。債務に気づけずに3ヶ月を過ぎてしまったといったときに相続放棄が認められる可能性もありますが、あくまで例外なので、期限は必ず守るべきです。
連帯保証人になった場合、保証契約というものを結んでいますが、もしも相続人が被相続人の連帯保証人になっていた場合、相続放棄をしたからといってその債務から逃れることはできません。保証債務は相続したものではなく、相続人となったその人が相続とは関係なく負担する債務だからです。
【関連記事】親の借金を子供が相続しなくてはいけないケースと相続放棄でなくす方法
個人で法的な処理をすることはとても不安でしょうし、そもそも大事な時間を相続放棄にとられるのもシャクです。誰かに相談できないものでしょうか。
弁護士と司法書士しか代行はできません。したがって誰かに力を借りるときはどちらかの事務所に問い合わせをしましょう。
【関連記事】相続放棄の相談先とよくある相談例|弁護士に依頼した場合の費用
弁護士と司法書士ではできることの範囲が異なります。
司法書士の場合、必要書類の収集、書類作成の代行などに留まりますが、弁護士の場合は裁判の代理も業務としておこなうことができるので、弁護士の名義で家庭裁判所へ申述することも書類作成することもできますし、書類の送付も弁護士のところへ送られていくので、相談者である相続人はほとんどなにもしてなくて済むのです。
費用としては相談後に業務をおこない始めてから必ずかかる着手金というものと仕事が成功したときに発生する報酬金というものがあります。
3ヶ月以内なら着手金5万円のみで3ヶ月以上なら報酬金として+数万円というところもあれば、どのようなケースでも着手金10万円のみというところもあります。弁護士の場合、おおむね10万円前後ほどと考えればいいでしょう。
こちらは書類作成の代行のみですが、おおむね3ヶ月以内であれば3万から4万円ほどで、3ヶ月を過ぎた場合は5万から6万円ほどです。
相続放棄をおこなうことで、被相続人が残してしまった債務を相続しなくて済みます。ですが一方でプラスの財産を相続する権利も手放すことになるので、注意が必要です。
短い期間で債務調査や各種手続きをしなくてはなりませんが、債務に関して調べる時間が足りないという感じであれば家庭裁判所にて3ヶ月の期間をさらに延長してもらうことも可能ですので、まずは3ヶ月以内に確実に家庭裁判所にその旨を報告するべきでしょう。
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