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KL2020・OD・037
もしも刑事事件にご家族やご友人が巻き込まれてしまったら、どうなってしまうのか心配になり、
などさまざまな疑問が出てきますよね。
この記事では刑事事件の流れ、刑事裁判で下される刑罰の種類や逮捕されてしまった場合の不利益、弁護士に依頼した場合について解説していきます。
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目次
刑事事件が発生してからの流れについて、下記の図に沿って詳しく解説していきましょう。
通報や被害届の受理により捜査が開始され、警察が疑わしいと判断した人物を任意同行するか、逮捕します。捕された人は、起訴されるまで「被疑者」と呼ばれます。
逮捕は3種類あります。
通常逮捕 |
裁判所の発行する逮捕令状を示して行う身柄拘束 |
現行犯逮捕 |
犯罪を現認した場合に逮捕状の発行・提示なく行う身柄拘束 |
緊急逮捕 |
一定の重大犯罪について逮捕状の事前発行・提示なく行う身柄拘束(逮捕令状は拘束後に発行) |
被疑者は逮捕直後から刑事手続きの関係で行動を制限されます。
警察の取調べで48時間、その後検察へ身柄を送検(送致)され24時間以内に起訴・不起訴・勾留という処分が下されるので、逮捕から最低72時間は拘束されることになるでしょう。
第二百三条 司法警察員は、逮捕状により被疑者を逮捕したとき、又は逮捕状により逮捕された被疑者を受け取つたときは、直ちに犯罪事実の要旨及び弁護人を選任することができる旨を告げた上、弁解の機会を与え、留置の必要がないと思料するときは直ちにこれを釈放し、留置の必要があると思料するときは被疑者が身体を拘束された時から四十八時間以内に書類及び証拠物とともにこれを検察官に送致する手続をしなければならない。
引用元:刑事訴訟法 第204条
逮捕されて身体の拘束を受けると、外部との連絡・面会が制限されます。被疑者の携帯電話は物証として押収される可能性があり、仮に所持できても外部との連絡や弁護士以外の方との面会は許されません。
警察によっては逮捕の事実を知らせたい人間がいるか尋ね、警察から家族に逮捕された事実を伝えてくれることもあります。
また逮捕後に当番弁護制度を利用し、当番で来訪した弁護士に外部への連絡を依頼することも可能です。
逮捕・勾留等の被疑者の身柄拘束を伴う事件を身柄事件、それに対し被疑者の身柄が拘束されないで進められる事件を在宅事件といいます。
通報があり捜査を行っても
という場合は、身柄拘束という形で逮捕されなかったり、逮捕されても途中で釈放されたりと被疑者の身柄が拘束されず、通常の生活を送りながら刑事手続きが進行することがあります。
例えば交通事故で警察の指導を受け、検察から連絡が来るからと言われるような場合が当てはまるでしょう。
身柄が拘束されないメリットはありますが、在宅事件は身柄事件とは違い手続きに厳格な期限が設けられていないため、「いつになっても警察・検察から連絡が来ない…。」という場合もあるようです。
在宅事件での起訴は、自宅に起訴状が届き刑事裁判に出廷することになります。また、正式裁判を行わない簡易的な手続き(略式起訴)を受ける場合もあるでしょう。
被疑事実が軽微な犯罪である・被害が少ないという場合に、警察の判断で微罪処分となることがあります。
例えば、酔っ払って人に迷惑をかけたり、万引きで警察に捕まったりという場合に、警察で指導を受けたが身元引受人に身柄を引き渡されるだけで、特に逮捕されずに釈放されるというようなケースが当てはまります。
(微罪処分ができる場合)
第百九十八条 捜査した事件について、犯罪事実が極めて軽微であり、かつ、検察官から送致の手続をとる必要がないとあらかじめ指定されたものについては、送致しないことができる。
引用元:犯罪捜査規範 第198条
基本的にどのような容疑で逮捕されたとしても、次のような流れで進みます。
検察官は勾留満期までに起訴、不起訴を判断し、起訴となれば刑事裁判が行われ、有罪・無罪が審理されます。
起訴には通常の起訴と略式起訴(りゃくしききそ)があります。ここでは起訴、略式起訴、保釈金制度、不起訴を解説しましょう。
有罪にできるだけの証拠がある場合や、自白している場合は起訴されて刑事裁判を受けることになり、被疑者は「被告人」と呼ばれることになります。
通常は起訴後2ヶ月程度で初公判(刑事裁判)が行われますが、もし起訴後も勾留が必要とされ認められた場合は公判が開かれるまで勾留されることになるでしょう。
この起訴勾留も勾留同様、被告人の住所が定かではない、裁判に出廷せず逃亡する可能性があるなどの場合に行われる可能性があります。
起訴には公判請求だけでなく略式起訴というものもあります。
略式起訴は、被疑者が罪を認め手続きに同意する場合に簡略的な裁判で刑事事件処理を行う手続きです。略式起訴では、起訴された日にただちに罰金刑が下されます。
そのため、被疑者の身柄拘束は刑の宣告によって解放されることになりますので、起訴された日に釈放されます。
起訴勾留された場合に、被告人の身柄を解放する制度がです。(刑事訴訟法 第89条)
保釈制度が認められる罪名であれば、裁判所に保釈を求めることができ、裁判所の許可を受け、保釈金を預ければ身柄が解放されるでしょう。
なお、保釈された後に裁判所の呼び出しに応じなかったり、証拠隠滅を図ったりした場合は、保釈金が没収、再度身柄を拘束されることになります。
捜査の結果
などに該当すれば、検察は不起訴処分として身柄を解放します。
不起訴処分の場合は、裁判で有罪判決を受けたわけではないので、前科がつきません。
しかし、逮捕された前歴(逮捕前歴)は警察のデータベースに残るので、再度逮捕されれば起訴される恐れも出てくるでしょう。
早期に釈放されますが、裁判で無罪が確定したわけではないので、厳密には無罪ではありません。
公判請求の場合、起訴後に公判(刑事裁判)が行われます。
起訴後に受ける刑事裁判では、さまざまな証拠を調べたり、被告人に尋問したりした上で裁判官が有罪か無罪か判断します。有罪とされれば刑の宣告を受けることになるでしょう。
日本の刑罰におけるもっとも重い刑で、殺人や強盗致死、放火などの重大な事件に適用される可能性があります。
懲役刑・禁固刑とは刑務所に収監され、定められた期間服役することになる自由刑で、日本における有期刑は20年が限度です。罪の内容や事情によって期間が決められます。
懲役は刑務所にて刑務作業が科せられる刑罰で、禁固刑は刑務作業が課されない刑罰です。
懲役刑もしくは禁固刑になった際に被告人の反省や情状酌量を考慮し、刑の執行を猶予する制度が執行猶予です。
猶予された期間に別の事件などを起こさなければ刑の執行は行われず、判決言渡しの効力を失います。
執行猶予付き判決を受けた場合は、その日に拘束を解かれて帰宅することができるでしょう。
罰金刑とは被告人から金銭を強制的に取り上げる財産刑です。
裁判の結果有罪となり上記のいずれかの刑になりその判決に不服がある時は、判決言渡しの次の日から起算して14日以内に高等裁判所に控訴することができます。
高等裁判所の判決にも不服の場合は最高裁判所に上告することが可能です。
逮捕、起訴されてしまうと以下の不利益が考えられます。
拘束期間が長くなってしまうと世間の目も厳しくなり、円滑な社会復帰が困難になってしまいます。
前科・前歴は一般人がアクセスして調べることはできませんが、生活への影響は大きく、場合によっては逮捕を理由に解雇されてしまうかもしれません。
周囲に心配をかけることはもちろん、何より被疑者となってしまったご本人の心身が疲弊してしまうでしょう。冤罪であれば影響は計り知れません。
刑事事件は決められた時間内に進行していくため、弁護士へ依頼した段階が早ければ早いほど望んだ結果を得られる確率が高まります。
勾留を阻止する・接見禁止に対抗する・難航しやすい示談交渉など、弁護士へ依頼するメリットは多く、何より孤独で不安に思っている被疑者の力強い味方となってくれるでしょう。
刑事事件を担当する弁護士には種類があります。
当番弁護士 |
逮捕後に1度だけ無料で呼んで相談可能な弁護士。私選弁護人として選任することができる。 |
私選弁護人 |
被疑者の親族や知り合いが依頼して選任する弁護士。費用が必要ではあるが、国選弁護人と違い本人・身内が選任可能。 |
国選弁護人 |
資力が50万円以下を下回る被告を弁護してくれる。 国が費用を払ってくれるため、費用負担はないが弁護士を選ぶことができない、着任できるのは起訴後など制限がある。 |
ひとえに弁護士といっても依頼できるタイミングや条件・そして費用もさまざまです。
いかがでしょうか。刑事事件は決められた時間内で進行していくため、早期に対応することで結果を大きく変えることができるでしょう。
刑事裁判で無罪となるケースはごくまれであり、統計上は9割以上が有罪判決です。
突然、ご家族や友人が逮捕されてしまったらパニックになってしまうとは思いますが、そんなときこそ冷静に対応し、すぐに弁護士に依頼することを強くおすすめします。
仮に起訴されてしまっても、弁護士にできることはありますので、諦めず相談し、少しでも有利になるように弁護活動をしてもらいましょう。
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本記事はあなたの弁護士を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。
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