ワンクリック詐欺における裁判の実態と提訴された際の対処法

( 2件 )
分かりやすさ
役に立った
この記事を評価する
この記事を評価しませんか?
分かりやすさ
役に立った
弁護士法人ネクスパート法律事務所
寺垣 俊介
監修記事
ワンクリック詐欺における裁判の実態と提訴された際の対処法

ワンクリック詐欺の被害に遭った人の中には、業者から裁判を起こされるのではないかと不安に感じる方もおられると思います。実際にワンクリック詐欺では「請求に応じなかった場合は、裁判所に訴えます」と不安を煽るような脅し文句が表示されることは珍しくありません。

では、実際にワンクリック詐欺において業者から裁判を起こされることはあるのでしょうか。今回の記事では、ワンクリック詐欺において裁判が起こされることはあるのか、実際に裁判を起こされた場合、どのように対処すればいいのかについて説明していきます。

ワンクリック詐欺で裁判を起こされることはあるのか?

まず、前提としてワンクリック詐欺において、請求に応じさせるために業者から提訴されることはほとんどありえません。

「法的手段をとる」は支払いを促すための手口

ワンクリック詐欺における「支払いに応じなかった場合、法的手段をとります」という文言は、ユーザーの不安を感じさせることが目的だからです。法律に詳しくないユーザーは、裁判を起こされるのではないかと思えば、パニックになってつい請求に応じてしまうかもしれません。

そのため、裁判を匂わせる文言がウィンドウに表示されたら、まずは冷静になって支払いに応じないスタンスを貫きましょう。

ワンクリック詐欺における金額請求は法的に妥当なのか?

また、裁判を匂わせる文言を目にしたユーザーにとって、ワンクリック詐欺による金額請求は法的な妥当性があるのか気になるところです。結論からお伝えすると、法的根拠はありません。そもそも民法等の法律上、双方の合意がなければ契約が成立しないこととされており、ボタンをクリックしただけでは契約は成立しないのです。

また、インターネットを介した有料サービスを提供するためには、サービスを提供する側は、法律上ユーザー側に契約内容の訂正・確認のステップを踏ませる必要があります。そのことからも、ボタンをクリックしただけで法的に登録が完了することがありえないことがわかります。

また、ワンクリック詐欺を働く業者は、警察からの捜査の介入が入らないように身元を隠している場合がほとんどです。そのため、わざわざ裁判を起こして自らの身元を明かすようなリスクを負うような真似はしないと思っていいでしょう。

過去に裁判を起こした事例

しかしながら、ワンクリック詐欺ではありませんが、過去に架空・不当請求を働いた出会い系サイトの利用者が、業者から架空請求裁判を起こされた例があると言われております。この裁判に対して業者側の請求は棄却され、さらに業者側は利用者から逆提訴された結果、業者側が利用者へ慰謝料を支払う内容で落ち着いたそうです。

ワンクリック詐欺によって裁判を起こされた場合の対処法

このようにワンクリック詐欺を含め、架空・不当請求を働く業者が裁判を起こすことはほとんどありません。しかしながら、上記の例のように裁判を起こされた前例もあります。裁判を起こされた場合、どのように対応すればいいのでしょうか。

裁判所からの書類は無視しない|裁判に訴えかける狙いとは?

まず、裁判を起こされた場合、裁判所から書類が送達されますが、この場合、送られた書類は無視することなく必ず目を通してください。業者側は法的な正当性がないことは最初からわかっており、裁判を起こされた側がそのまま何もしないでいることが狙いだからです。

ワンクリック詐欺においては、一般的な訴訟ではなく簡易的な手続きで済ませることができる支払督促や少額訴訟を用いられます。これはワンクリック詐欺に法的な根拠がないこと、請求金額が数万円であるためです。

支払督促においては裁判所との書類のやりとりだけで、架空請求に関わらず裁判所から支払督促が発付されます。その際、仮執行宣言というものが付されると、業者側は、これにより強制執行をすることができるようになってしまいます。裁判所から来た書類には、異議申立をするための書類が同封されているので、きちんと目を通した上で、必ず督促異議の申立をしましょう。

異議申立をすることで一般の裁判(審理)が行われますが、業者側は裁判を行っても勝ち目がないと最初からわかっております。

裁判所からの書類の特徴

しかし、業者自らがあたかも裁判所からの書類であるかのように装って作成した督促状が送られてくる場合もあります。ですから、裁判所から郵送される書類と見分けることが必要になります(業者が作成した督促状は無視して問題ありません)。裁判所からの書類は特別送達によって送られてきますが、特徴は

  • 差出人が裁判所である
  • 封筒の表面に「特別送達」と表記されている
  • 受取は配達員から手渡しをうけた上で署名が必要である

の3点になります。

参照元:督促手続・少額訴訟手続を悪用した架空請求にご注意ください(法務省)

異議申立を行う

裁判所から届いた書類に目を通したら、今度は異議申立を行いましょう。ワンクリック詐欺で請求される金額は少額なため簡易裁判所で行われます。そのため申立先は簡易裁判所であることが一般的です。また、先ほどお伝えした通り、業者は支払督促か少額訴訟の申し立てを行いますが、それぞれの申立への対応方法を確認していきましょう。

支払督促

もし、支払督促を申立てられた場合、裁判所から異議申立を行うための督促異議申立書が送られてきます。督促異議申立を提出すると一般の民事訴訟へ移行することになりますが、業者側は裁判で勝訴に持ち込むことができないため、申立自体の手続きの取り消しを行うでしょう。

督促異議申立書の様式は裁判所によって異なりますが、申立書の記載方法については「督促異議申立の書き方|裁判所」を確認してください。また、記載する際には、「言い分」という欄が設けられておりますが、「その他」の項目にレ点をつけた上で、その項目に

  • 請求内容に見覚えがないことと
  • 架空請求であること

を記載してください。また、督促異議申立書の提出は、督促異議申立書の送達から2週間以内です。2週間に間に合わないと、相手の主張通り支払督促の発付がされるので気をつけましょう。

少額訴訟

少額訴訟を起こされた場合、訴状と共に答弁書が裁判所から送られてきます。異議申立を行うために答弁書を提出することになりますが、答弁書の書き方については、「答弁書|裁判所」を参照にしてください。

また、答弁書を記載する際は、「通常の手続きによる審理及び裁判を求めます」にレ点をつけましょう。レ点をつけることで通常の民事裁判に移行することになりますが、業者側は民事訴訟を避けたいと思っているからです。

答弁書を提出せず、初回の期日に行かないでいると、相手の言い分通りの判決が下されてしまいますので気を付けましょう。

ワンクリック詐欺における相談先

ワンクリック詐欺の被害に遭ったために不安な方は、まずは最寄りの「消費者生活センター」に相談してみてはいかがでしょうか。

また、万が一、業者から裁判を起こされた方は、弁護士に相談することもオススメします。

まとめ

ワンクリック詐欺によって裁判を起こされるケースは、ほとんどありえません。大切なことは、焦って業者に電話をかけないことや、架空請求に応じないことです。もし、万が一、裁判を起こされた方は今回の記事を参考にして頂けたらと思います。

Q弁護士に無料で簡単に質問できるって本当?

CTA QAテスト A 「ズバリ、本当です!」
あなたの弁護士では質問を投稿することで弁護士にどんなことでも簡単に質問できます。

数十万~数百万の弁護士費用、用意できますか?

決して安くない弁護士費用。いざという時に備えて弁護士費用保険メルシーへの加入がおすすめです。

Cta_merci

離婚、相続、労働問題、刑事事件被害、ネット誹謗中傷など、幅広い事件で弁護士費用の補償が受けられます。

【弁護士費用保険メルシーが選ばれる3のポイント】

  • 保険料は1日あたり82円
  • 通算支払限度額1,000万円
  • 追加保険料0円で家族も補償

保険内容について詳しく知りたい方は、WEBから資料請求してみましょう。

弁護士費用保険メルシーに無料で資料請求する

KL2020・OD・037

この記事を監修した弁護士
弁護士法人ネクスパート法律事務所
寺垣 俊介
2016年1月に寺垣弁護士(第二東京弁護士会所属)、佐藤弁護士(東京弁護士会所属)の2名により設立。遺産相続、交通事故、離婚などの民事事件や刑事事件、企業法務まで幅広い分野を取り扱っている。

この記事を見た人におすすめの記事

この記事を見た人におすすめの法律相談

  • ワンクリック詐欺
    アダルト動画を見ようとして、動画再生ボタンを押したら登録完了になってしまい...
  • ワンクリック詐欺
    無料動画と書かれていた動画を再生しようとしたら、有料会員登録完了とでてきて...
  • ワンクリック詐欺かもしれないのに連絡してしまいました
    全く関係ないまとめサイトのようなものを閲覧している時、間違って広告のような...
  • ワンクリック詐欺
    インターネットでサイトのクリックをしたら、突然登録系完了となりました。すぐ...

関連記事

編集部

本記事はあなたの弁護士を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。

※あなたの弁護士に掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。
 詳しくはあなたの弁護士の理念と信頼できる情報提供に向けた執筆体制をご覧ください。

※本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。