B型肝炎の検査方法と検査項目｜検査をした方がいい人の特徴

B型肝炎の検査方法は血液検査です。B型肝炎に感染しているかどうか、感染力が強いかどうか、抗体を持っているかどうかといったことを複数の指標から判断します。今回は、B型肝炎の検査方法や検査項目についてご説明します。

B型肝炎の検査方法

B型肝炎の検査は血液検査だけですから、すぐ終わります。ALTという指標を測定することで肝炎ウイルスに感染しているかどうかを調べます。

ALTとは、肝細胞のみに存在する酵素のことです。血中のALTが多くなっていれば、肝細胞の破壊が進んでいるのだとわかります。検査結果がわかるのはだいたい数週間程度です。

B型肝炎の検査を受けるタイミング

感染してから抗体ができるまでには時間がかかります。抗体を検出できないと感染しているかどうかがわからないので、感染した恐れがある時期から3ヶ月以降に検査を受けるようにしましょう。

B型肝炎の検査項目

抗原は身体にとっての異物です。病原体をイメージするとわかりやすいでしょう。一方、この異物を攻撃するのが抗体です。B型肝炎の場合は、HBs、HBc、HBeの抗原と抗体などを血液検査で調べることで病態を把握できます。

HBs抗原

これが陽性だった場合B型肝炎に感染していることがわかります。陰性であっても、HBc抗体が陽性であればB型肝炎に感染しています。

HBs抗体

これが陽性であれば、かつてB型肝炎に感染して免疫を得たことがわかります。B型肝炎の予防接種をした人も陽性反応が出ます。

HBc抗体

これが陽性だと、B型肝炎に感染していること、かつて感染していたことがわかります。

HBc-IgM抗体

これが陽性だと、最近B型肝炎に感染したということがわかります。

HBe抗原

肝炎ウイルスの増殖力がわかる指標で、これが陽性だとウイルス量が多く他人に感染しやすい事がわかります。

HBe抗体

同じく血液中の肝炎ウイルスの増殖力がわかる指標ですが、こちらは抗体です。陽性反応が出ると、血液中のウイルス量が少なく他人に感染しにくいことがわかります。

HBV-DNA

肝炎ウイルス量がわかる指標です。この値が大きければ病態が進行しやすいことがわかり、少なければ沈静化しやすいことがわかります。治療法を決定したり、効果を測定したりする際に使われます。

B型肝炎検査を受けたほうが良い人

肝臓は患っていても症状が出にくいことから「沈黙の臓器」と言われています。なので、感染した可能性がある人は自覚症状がなくても検査をしないと、発見が遅れてしまいます。

B型肝炎は薬や治療で進行を抑えられますから、以下に当てはまる方はできるだけ早く検査されることをおすすめします。

輸血したことがある

可能性は低いですが、B型肝炎の知識が不足していた時代もありますから、過去に輸血をされた方は念のため検査しておくと安心です。

タトゥー・ピアスを入れたことがある

針が使いまわされていた場合、B型肝炎に感染している恐れがあります。

家族や恋人がB型肝炎の人

血液や体液、性交渉や母子感染などでうつりますから、身近にB型肝炎患者がいる方は検査をしておくと良いでしょう。

肝機能の異常を指摘された人

症状が出にくい臓器ですから、健康診断などで異常を指摘された場合はすぐに検査することをおすすめします。

集団予防接種を受けた人

昭和23年7月1日から昭和63年１月27日までに行われた集団予防接種で、注射器の使い回しが原因でB型肝炎が集団感染しました。

国が責任を認めている事件で、集団予防接種でB型肝炎になった人は国を訴えて和解することで給付金を受け取れます。

持病があると民間保険には加入できませんし、B型肝炎には治療費もかかりますから、該当する人は弁護士に相談してみましょう。

B型肝炎検査を受けられる場所

どの医療機関でもB型肝炎の検査はしてくれますが、保健所や自治体が指定した医療機関に行けば無料で検査をしてくれます。お住いの地域の保健所や医療機関を検索したうえで検査を受けに行ってください。

まとめ

B型肝炎の検査方法は血液検査で、血中の肝炎ウイルス量や抗原・抗体の有無で感染しているかどうか、症状が重いかどうかをチェックします。「自分は症状が出ていないし大丈夫」と思うかもしれませんが、そもそも肝臓は症状が出にくい臓器です。

早期に発見すれば肝硬変や肝がんへの進行を薬の効果で抑えられますから、なるべく早くに検査をしましょう。