家族信託を弁護士に依頼する3つのメリットと弁護士費用の相場

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弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤 康二
監修記事
家族信託を弁護士に依頼する3つのメリットと弁護士費用の相場

家族信託を利用したい方は、弁護士に依頼すれば実用的な運用が可能です。

信頼できる身内がいないときこそ、管理していくためにも法的なサポートができる存在を頼ってみましょう。家族信託は運用をひとたび間違えてしまうと、相続してほしくない人に財産が行き渡ってしまう、管理がずさんになるなどの事態も起こりかねません。

家族信託の良さは自分で計画できるところにありますが、どうして弁護士のサポートが必要になるのでしょうか。この記事では、家族信託を弁護士に依頼することで得られるメリット、デメリットについてご紹介していきます。

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家族信託を弁護士に依頼したときの主なメリット

家族信託を弁護士に依頼したときの主なメリット

信託の1つの形である家族信託について、聞いたことがある人も多いと思います。平成18年に改正された信託法により、必ずしも直系である身内に管理を任せるのではなく、信頼できる方に管理を任せられるようになりました。

ただ、信託はいうほど簡単なことではありません。まして管理者を変えての家族信託は契約内容も非常に複雑となっています。そんなときこそ、弁護士に依頼することでより適切な家族信託を実現することができます。そんな弁護士に依頼したときのメリットについて、ご紹介していきます。

専門家により適正な契約書を作成することができる

まず、弁護士に依頼することにより契約内容をスムーズに判断して、契約書を作成できることが挙げられます。信託契約は意思の合致でも契約が成立するので、口約束でも成立しますが、現実的には契約書の存在が不可欠です。

弁護士によるアドバイスで作成した契約書が法的に問題がないかを判断できます。もしトラブルになりそうな点があれば、事前に対策を講じることができるのも利点です。

契約をどのようにするか相談できる

家族信託を弁護士に依頼するとき、契約をする方法として以下のような方法が挙げられます。

・所有者である自分が死んだとき、孫の代まで指定する

・所有者が認知症など病気になるまでは自身で管理し、管理ができなくなったら家族に依頼する

・生前から管理をすべて任せる

この3つのうち、どれにすることで委託者にとって最良の方法を考えてくれます。特に病気などで倒れてしまった後、財産を勝手に利用されてしまうことも考えられるので、弁護士によるサポートはそんな危険性も教えてくれます。

遺留分について適切なアドバイスをもらえる

最低限保証された財産である遺留分について、一定割合以上の侵害された財産を取り戻す際、弁護士からのアドバイスを受けることができます。家族信託による遺留分の侵害が起こりえるケースもありますので、そうしたときに活用することができます。

家族信託を弁護士に依頼するとき必要となる費用

家族信託を弁護士に依頼することにより、法的なサポートを受けることができます。契約内容などの正当性や契約書の作成など、メリットも非常に大きくなります。ただ、そうした作業を依頼する際は当然、依頼料などを支払う必要があります。では具体的にどのような金額を支払う必要があるのでしょうか。

相談料の相場

弁護士に家族信託を相談するとき、電話やメール、面談で行う方法があります。どれにするかにより金額も変わり、また料金もまちまちです。

一般的には面談での相談では、30分5,000円と指定しているところが多く見られます。電話やメール相談では無料相談があるなど、弁護士事務所ごとに費用も違います。

内訳

詳しい規定については、平成16年4月1日に弁護士の報酬規程が廃止されて以後、事務所の判断で決められてきました。

ただ現在も判断基準として、以前の旧規定に則って設定しているところが多いでしょう。

案件

報酬の種類

弁護士報酬

法律相談

法律相談 初回相談料 30分5,000円~10,000円までの範囲内
一般法律相談料 30分5,000円~25,000円以下
書面相談 鑑定料 特殊事例でないときは、10万円~30万円以下

民事事件など

訴訟事件など 着手金 300万円以下の場合 経済的利益の8%300万円以上、3,000万円以下の場合 5%+9万円3,000万円以上3億円以下 3%+69万円3億円以上 2%+369万円
報酬金 300万円以下の場合 16%300万円以上、3,000万円以下の場合 10%+18万円万円3,000万円以上3億円以下 6%+138万円3億円以上 4%+738万円

資産をどのくらい持っているかで報酬は変わる

弁護士への着手金や報酬などは、依頼者や相続財産などの金額にもある程度比例します。

相場と呼ばれる目安はありませんが、「45万円~60万円」くらいが報酬になりやすいといわれています。資産が1億円を超える場合だと、報酬金額は100万円を超えることもあります。報酬など細かな金額については、事前に弁護士に問い合わせてみましょう。

家族信託を弁護士に依頼するとき知っておきたい遺留分について

家族信託を弁護士に依頼するとき、必ず知っておきたいことがあります。それは遺留分についてです。条件を満たす相続人に対して、法律上で最低限認められた相続財産のことを指します。これは遺言に限らず、条件をクリアしていれば必ず保証されたものです。

しかしこれは自身が請求しなければ、権利が発生しないものになります。では遺留分を請求するとき、どんな手続きをすればいいのでしょうか。

遺留分減殺請求について

遺留分は条件を満たした方が、きちんと請求をしなければ相続することができません。請求する対象は、遺留分を侵害しているほかの相続人、あるいは遺産を受け取れる方に対して行います。

ではどのように手続きをすればいいかというと、これといった決まりはありません。一般的に多くみられる方法として、

・一般債権のように請求を行う

・裁判所に調停・訴訟を起こす

などがあります。

遺留分の相続割合はどのくらいか

では実際に、自分の遺留分はどのくらいもらえるのでしょう。一般的な割合としては、以下の表のようになります。

相続人

遺留分の割合

子供のみ 1/2
配偶者と子供 1/2
配偶者と直系尊属 1/2
直系尊属のみ 1/3

家族信託を弁護士に依頼するときの活用事例

家族信託を弁護士に依頼することで、不要なトラブルを避けることができます。特定の身内に将来的には承継してほしいと考えている財産も、きちんと手続きをしていないとその通りにならないことも度々あります。

計画を立てないと思いがけないトラブルに見舞われる可能性も十分あるため、法律の専門家に依頼することで争いの火種を無くしていきます。では実際、どのように家族信託は活用されているのでしょう。

その事例をいくつか取り上げてみます。

先祖代々受け継いだ自宅を希望する人に承継させたいときの事例

先祖代々受け継いだ自宅を希望する人に承継させたいときの事例

家族信託を利用すれば必ずしも承継がうまくいくとは限りませんが、しっかり手続きをしていれば問題なく特定の身内に承継させることができます。

相談者であるAさんが再婚者であるBさんと先祖代々の自宅に住んでいたとします。Aさんは自分が死んだあと、Bさんに自宅を相続してもらい、その後は死別した前妻の子供あるCさんに相続してもらいたいと考えていました。

家族信託を利用することで、Cさんを受託者にして自宅を信託、自身が生きている間はAさんが自宅の受益者になります。自分が死んだ後にBさんを受益者にします。

その後、Bさんが死んだあとに信託が終了する際は、財産の帰属先をCさんに設定することでAさんが思い描いたとおりに相続が行われます。

障害があるわが子に財産を残したいときの事例

障害があるわが子に財産を残したいときの事例

財産を子供のために残しておきたい方の中に、障害を持っている方がいるとします。この時も、家族信託を利用することで不要なトラブルを避けることができます。

例えばDとEという夫婦がいるとします。亡くなった後に、Fという障害を持つわが子へきちんと遺産を相続してもらいたいと考えていました。しかしF自身では遺産を管理することができませんので、信頼できるGという身内に信託を受託してもらいます。

こうすることで、受託者であるGは受益者であるFへ財産を管理、利益を渡してもらいます。このときGが勝手に財産を使ってしまわないよう、専門家である信託管理人に監督してもらうことで私的利用を防ぐことができます。

またF自身も、受益者代理人を立てるおとで権利を擁護してもらうことで、信託の受け渡しがスムーズになります。

家族信託を弁護士に依頼する前に知っておきたい注意点

家族信託にはデメリットはないと一般的には言われています。ただそんな家族信託でも、利用する際に注意しておきたい点がいくつかあります。

成年後見や遺言でしかできないこともある

家族信託では財産を管理・処分については必要な行為であるとみなされています。対して成年後見制度は、民法では管理や処分だけでなく、本人の財産管理や身上監護も念頭に置かなくてはなりません。

身上監護を念頭に含めた家族信託にすることも可能ですが、成年後見人でないと適切な身上監護ができないとみなされてしまうこともあります。また信託では子供の認知を認める行為を行うことはできませんので、その際は遺言書を用意する必要があります。

受け取る相手を誰にするか

家族信託では、誰に管理してもらうかを指定することができる強みがあります。信頼できる身内を受益者にできるのは大きなメリットですが、名義が変わってしまうので抵抗感を持つ人も多くいらっしゃいます。

またせっかく管理を任せたのに、ずさんに扱われてしまうと相続人からトラブルが起こることも度々あります。

節税効果は期待できない

家族信託を利用すれば、節税ができるわけではありません。相続した時点で課税対象となるので、財産を取得した分だけ税金を支払わなくてはなりません。

遺留分減殺請求の対象になることもある

家族信託を利用することにより、財産を自身が指定した人へと承継することができます。ただ、条件を満たした相続人による遺留分減殺請求を受ける可能性もあります。

家族信託を弁護士に依頼するときに注目したいポイント

家族信託を弁護士に依頼するときに注目したいポイント

家族信託を利用するとき、弁護士に依頼しようと考えた際は、必ず自分が信頼できる方を見つけることを念頭に入れましょう。弁護士を見つけるポイントとして、相談者である自分が気軽に話せる相手かどうか、という点は欠かせません。

では話しやすくて信頼できる弁護士を見つけるという点以外ではほかにどんな点に注目すればいいのか、見ていきましょう。

遺産相続を取り扱っているか

まずは具体的に、これまでの案件で遺産相続について取り扱ってきた弁護士かどうかです。実績を探しつつ、どの弁護士に依頼すれば安心して任せられるか、探していきます。

相談時にアドバイスをしてくれるか

弁護士とはいえ、人には相性があります。話しやすさ、相談のしやすさ、意見をきちんと聞いてくれるか、質問に答えてくれるかなど、意識したい点は多くあります。

そうした相談を介する中で、どうしたらトラブルが起こることなく遺産相続を無事に終わらせられるかを的確にアドバイスしてくれます。

家族信託は弁護士に相談することで決定するのではなく、ご自身で判断して決めることに強みがあります。その点を含めて弁護士を見つけるようにしましょう。

信託法に詳しいか

日本における信託は、信託法によって成り立ちます。始まりは明治時代以降に登場し、平成26年6月27日に最新の改定が行われていました。こうした信託法の成り立ちから、現在はどのように運用されているのか、その仕組みまで把握している弁護士への依頼が大事です。

まとめ

家族信託を弁護士に依頼すると、様々なメリットがあります。依頼することにより支払わなくてはならない費用はもちろん、弁護士の選び方についてもコツというものがあります。基本デメリットがないといわれていますが、気をつけておかなくてはならないポイントもあります。逆に、それらの点を踏まえないとトラブルが起きてしまうことも度々あります。

依頼を考えている方がいましたら、担当してもらう予定の弁護士への質問を忘れずしておきましょう。

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この記事を監修した弁護士
弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤 康二
アンダーソン・毛利・友常法律事務所を経て2014年8月にプラム綜合法律事務所を設立。企業法務から一般民事、刑事事件まで総合的なリーガルサービスを提供している。第二東京弁護士会所属。

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