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KL2020・OD・037
私選弁護人とは、刑事事件の被疑者・被告人またはその家族が私的に依頼した弁護士のことを言います。
依頼を受けた私選弁護人は、次のような役割を果たしてくれます。
そのため、私選弁護人は刑事事件を起こしてしまった方にとって大切な存在と言えます。似た言葉で国選弁護人というものがあります。
国選弁護人は、日本国憲法第37条に基づく制度で、資力がないため弁護士に依頼できない方が無料で利用できるものです。
私選弁護人のように弁護士の指定はできませんが、かかる費用は国が負担してくれます。
3 刑事被告人は、いかなる場合にも、資格を有する弁護人を依頼することができる。被告人が自らこれを依頼することができないときは、国でこれを附する。
引用元:日本国憲法(第37条3項)
刑事事件の被疑者となった場合、対応ひとつで今後の人生が変わる可能性があります。あなたのサポートをしてくれる弁護士選びは慎重に行うべきでしょう。
この記事では、私選弁護士について、国選弁護人との違いや、メリット、気になる費用や依頼方法などの知識についてご紹介します。
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目次
まず始めに、刑事事件における弁護士の種類について確認していきましょう。
被疑者が依頼できる弁護士には、私選弁護人・国選弁護人・当番弁護人の3つがあります。それぞれの違いを確認していきましょう。
私選弁護人 |
被疑者またはその家族が依頼した弁護士 |
国選弁護人 |
資産額が50万円以下で勾留されている被疑者が無料で利用できる弁護士 |
当番弁護人 |
逮捕後に1回だけ被疑者が今後の対応などについて相談できる弁護士(料金は無料) |
国選弁護人や当番弁護人は国が費用を出してくれるため、お金に余裕がない方でも法律のプロからアドバイスやサポートが受けられるというメリットがあります。
しかし、利用するには条件があるため私選弁護人と比べると柔軟性に欠けます。また、国選弁護人は最速でも勾留決定後の選任となります。
そのため、早期での示談交渉や不起訴を目指す場合は、私選弁護人を選ぶのが得策でしょう。
私選弁護人と国選弁護人の違いについて、さらに少し掘り下げてみました。
私選弁護人は、費用負担があるというデメリットがあります。しかしその分、自分の目的に合わせた弁護活動が受けられる可能性が高いのです。
私選弁護人 |
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国選弁護人 |
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一方、国選弁護人は費用が無料で依頼できるメリットがある反面、勾留されていないと依頼できない自分に合った弁護士にあたるとは限らないというデメリットがあります。
国選弁護人の依頼条件は次の通りです。詳細は、関連記事をご覧ください。
私選弁護人へ依頼する場合、いつどのような手続きをすれば良いのでしょうか。基本的には、自ら弁護士へ相談し、良いなと思った方へ依頼します。
下図は私選弁護人選任手続の内容です。弁護士の探し方にはさまざまな方法があります。
例えば、最寄りの弁護士事務所に相談する、弁護士会から紹介を受ける、弁護士紹介サイトを通じて見つける方法があります。
このとき、「刑事事件の弁護」に特化しているまたは経験が豊富な弁護士を軸に検索すると良いでしょう。
引用元:日本弁護士連合会
私選弁護人に依頼するタイミングはいつが良いのでしょうか。それは、事件を起こしてから「すぐ」です。
刑事事件では、逮捕されてから起訴・不起訴が確定するまでに長くて23日間しかありません。
また、日本では起訴となった場合の有罪率は統計上99%(参照元:裁判確定人員の推移)を超えるため、不起訴や示談成立にならなければ前科がつくことになると言っても過言ではないのです。
そのため、事件を起こした場合はすぐに弁護士へ依頼することが大切です。
刑事事件で、ご家族が自由に選べる弁護士は私選弁護人だけです。ここでは、私選弁護人を選ぶメリットについて解説します。
私選弁護人であれば、刑事事件に精通した弁護士や、刑事事件の実績がある弁護士、交渉力があり、示談交渉が得意な弁護士、そして相性のよい弁護士を、ご家族などが自由に選ぶことが可能です。
国選弁護人は、国が費用負担をしてくれる点が非常に魅力的ではありますが、どんな弁護士が派遣されてくるのかはわかりません。
場合によっては、刑事事件を担当したことがない弁護士や、やる気のない弁護士が派遣されてくる可能性もあります。
刑事裁判の有罪率は、統計上99%です。刑事事件を熟知した弁護士であれば、起訴されるまでの間に素早く対応してくれるでしょう。
あなたが、『この弁護士であれば、安心して任せられる』と思える弁護士を、みずから選任可能なのが私選弁護人なのです。
国選弁護人とは異なり、私選弁護人は逮捕前からでも依頼可能です。
国選弁護人よりも早いタイミングで被害者との交渉を開始できますし、示談が成立したことで、結果逮捕されないといったこともあります。
自分で弁護士を選ぶことができますから、自分の意思に沿った弁護活動が期待できます。
また、国選弁護人や当番弁護人とは異なり、依頼できるタイミングや、条件などの制限がないため、迅速な行動が期待できるでしょう。
例えば、以下のような明確な目的がある方は特に、私選弁護人をおすすめします。
私選弁護人の弁護士費用の相場はこちらです。
相談料(1時間あたり) | 0~1万円 |
着手金 | 30~50万円 |
成功報酬 | 30~50万円 |
接見費用(1回あたり) | 2~5万円 |
日当など | 依頼内容などによる |
弁護士費用についてさらに詳しく知りたい方や、費用を安く抑えるコツについては、関連記事をご覧ください。
「国選弁護人に依頼していたけれど、相性が良くないため私選弁護人に切り替えたい」となった場合、手続きは認められるのでしょうか。
答えは「はい」です。国選弁護人を解任し私選弁護人に切り替えることは可能です。
私選弁護人は、刑事事件の被疑者になったときに必要不可欠とも言える存在です。
しかし、弁護士費用は決して安い金額ではないため、気軽に相談・依頼することに躊躇される方も多いかと思います。
中には、相談料や着手金無料で行っている事務所や分割払いを認めている事務所もあります。
あなたの今後をできる限り良い方向へ導くためにも、弁護士への相談・依頼の検討をおすすめします。
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本記事はあなたの弁護士を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。
※あなたの弁護士に掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。
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