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KL2020・OD・037
オレオレ詐欺とは、被害者の家族を装い「今すぐお金が必要になった」などと言い、金銭をだまし取る行為を言います。2000年代以降、家族だけではなく警察官を装ったり、複数の犯人が登場(劇場型詐欺)したりするなど手口が複雑化しており、騙されてしまう人が増えています。
警視庁では、オレオレ詐欺や架空請求、還付金詐欺などを総称し「振り込め詐欺」と呼ぶようになりました。では、被害件数はどのぐらいで、どう推移しているのでしょうか。
引用元:警視庁|振り込め詐欺の被害状況
例えば、還付金詐欺は平成22年から平成28年までで年間の発生件数が3,682件までに増えています。振り込め詐欺の中でもオレオレ詐欺はここ数年の間、毎年5,000件以上発生しています。なぜ、毎年少なくとも5,000人以上がオレオレ詐欺に引っかかってしまうのでしょうか?
今回は、オレオレ詐欺の最新の手口と被害の事例、騙されてしまう心理と詐欺被害に遭った際の対処法についてお話します。
近年では、暴力団もオレオレ詐欺に参入するほど手口がプロ化しています。これまで騙されなかったからと言って、次も騙されないだろうと思っていては、いいカモにされるのがオチです。ここでは、近年進化しているオレオレ詐欺の手口を見ていきましょう。
自分の家族かどうかなんて、簡単に見抜けると思っている人もいるでしょう。しかし、昔のように「オレ、オレ」と電話してくる素人の犯罪はなくなってきています。
「糖尿病は良くなった?」など、家族しか知らないような話をしてきたため、信じてしまったというケースもあるように、家族の情報が下調べされていることも今では珍しくありません。身内しか知らない話をされることで、警戒心が薄れてしまうようです。
「自分の息子(こども)の声ぐらいわかる」と思うかもしれませんが、最近のオレオレ詐欺では息子役が話している時間はほんのわずかなうえに、泣きじゃくる演技をしていたりするのでちゃんと聞く余裕がありません。
劇場型詐欺という手口が流行っており、複数の犯人が組織的に連絡をしてくる事があります。例えば、息子が痴漢で捕まった例で考えると、最初に息子が泣きじゃくりながら電話をかけてきます。しかし、すぐに駅員や警察、被害者役の詐欺師に電話を交代するため、息子が本人かゆっくり確かめている暇はありません。
また、家族以外にも成りすますのが近年のオレオレ詐欺の特徴でもあります。徹底的に警察や金融機関などの話し方を真似してくるため、つい本物と信じてしまいます。まさか警察に騙されることはないという盲点をついた手口です。
警察に成りすまして家庭に訪れ、「ご利用の口座が不正利用されており、お金が引き出される恐れがあります」と嘘をつき、「安全のため、キャッシュカードを預かってあげます」とカードをだまし取る詐欺もあります。
などと被害者をATMに向かわせ、携帯電話で嘘の操作をさせ、引き出しではなく振り込みをさせる還付金詐欺という手口があります。詳しくは、『還付金詐欺』をご確認ください。
オレオレ詐欺は振り込め詐欺の1種ですが、振り込ませないタイプの詐欺もあります。ATMからの振り込み上限額が1日100万円になったことや、詐欺に使われた口座を凍結して残っているお金を差し押さえできる『振り込め詐欺救済法』が制定されたことなどから振り込ませないメリットが大きくなっているようです。
「いまから同僚の〇〇さんが取りに行くから」などと本人以外が取りに来るパターンです。
宅急便で現金を送ってはいけない決まりになっていますが、「本当は大丈夫だから」と嘘をつき、宅急便で現金を送らせる方法です。手渡しの手口も宅急便の手口も、振り込み履歴のような証拠が残りにくいため、犯人を探すのが難しくなります。
ここでは、典型的なオレオレ詐欺の手口を見て行きましょう。最新の手口と併用して使われることもよくあります。
オーソドックスなオレオレ詐欺です。身内になりすまして家族を心配する気持ちにつけ込み、すぐにお金が必要だと泣きつくのが主な流れです。
被害者が冷静な判断をできなくなるように、不安を煽るような事を言っていきます。例えば、
などがよくある口実です。被害者が家族からかかって来たと信じれば信じるほど、家族思いであればあるほど焦ってしまうであろう気持ちが想像できます。
「風邪を引いたから声が変」などと、声が違う理由を説明してきます。泣いているふりをするなど、本人確認をさせにくくするパターンもあります。
など、電話番号が違うもっともそうな理由を説明してきます。
当然といえば当然ですが、「今後はここに連絡して」と家族本人とは別の連絡先を教えてきます。
ATMから指定口座にお金を振り込ませます。この段階に来ると、自分は家族にお金を振り込むのだと被害者自信が信じ込んでいるので、銀行員に指摘されても話を聞かず振り込んでしまう場合もあります。
一度騙された人は、個人情報をリスト化され業者間で情報を売買されてしまいます。例えば弁護士を装い、「被害にあったお金を取り戻しましょう」などといい、被害者からさらにお金を搾り取ります。
上記で見てきた手口を踏まえ、ここでは具体的なオレオレ詐欺の事例を見ていきましょう。
1.事前に息子さんやお孫さんなどご親族をかたる者から、
「携帯電話の番号が変わった」
「風邪をひいて声が変わった」
等と言って電話がかかってきます。
※携帯電話番号が変わったと言い、犯行に使用する携帯電話番号を登録させることで、本物のご親族と連絡が取れないようにするとともに、後日、その番号から電話をするときに番号表示によって本物の電話だと信じ込ませます。
2.後日、本物であると信じ込ませた電話を使い、まるで会社や友人、女性などとの間にトラブルがあったかのような話をして、「解決のために至急お金が必要」等とまくしたて、言葉巧みに比較的高額な現金の送金を依頼してきます。
引用元:ゆうちょ銀行|振込型の手口
被害者方の自宅電話に息子を騙る甲から「喉の調子が悪い、病院に来たのだが待合室で鞄を無くした。」等との電話があった。
再度、甲から「鞄の中には会社の通帳なども入っていた、取引の関係で至急現金が必要だからお金を用意できないか。」などとの連絡があり、県内のA駅で甲の上司の弟と名乗る乙に現金を受け渡した。
警察官役の「架け子(電話を架ける役)」から「あなたの口座が悪用されていることがわかった。新しいキャッシュカードに変更するため、銀行協会の職員があなたの自宅に取りに伺うので、キャッシュカードを預けてほしい。また、手続きに必要なので暗証番号を教えてほしい」等と電話がかかってきます。
その後、銀行協会の職員になりすました「受け子(受取役の犯人)」が自宅を訪ねてきて、キャッシュカードを受け取ります。「受け子」は、そのままコンビニエンスストアや銀行のATMに行って現金を引き出したり、「出し子(さらに別の引出役の犯人)」にキャッシュカードを渡し、現金を引き出させたりします。
事例1が最もオーソドックスな方法で、事例2が振り込ませない方法、事例3が最近よくある家族以外に成りすます方法です。中でも事例3では複数の犯人が登場する劇場型の手口です。次々と警察や金融機関の職員などから電話がかかってくるので、騙されていると気づきにくいであろうことが想像できます。
ここまで見てきたように、詐欺の手口は巧妙になっており、組織的に騙してくるなどどんどん進化しています。にも関わらず、被害に遭った8割の人は口を揃えて「まさか自分が騙されるとは」といいます。自分を過信して警戒を怠っている間にも、詐欺師はどんどんレベルを上げているのを忘れたくないものです。
ここでは、なぜ人はオレオレ詐欺に引っかかってしまうのか、その理由を見ていきましょう。
詐欺に遭う人の共通の特徴は、自分だけは詐欺に遭わないだろうと思い込んでいる点です。次の記事によると、詐欺被害に遭った8割の人は「自分は大丈夫」と感じていたようです。
油断せず謙虚でいれば、家族で詐欺の手口や対処法を話しあうなど、事前に対策するチャンスがあります。
先にもご説明したように、被害者が無警戒でいる間にも、詐欺師のレベルは上がっています。ターゲットの情報を調べ上げて、「腰の調子はどう?」などと身内しか知らない話をしたり、警察や金融機関の職員に成りすましたりして、巧みに被害者を信用させます。
大抵の人は、我が身に災難が降りかからない限りは、本気で警戒したりはしません。現段階で警戒心を持っている人が、警戒心のない身内に声をかけていくのが大切です。
想像力は現実とは無関係に膨らみます。「もし我が子が本当に痴漢で捕まったらどうなるんだろう」「もし我が子が会社をクビになったら転職できるのかしら」などと、詐欺師から恐ろしい話を聞かされると自分自身であれやこれやと最悪な未来を想像してしまい、それを避けたい一心からお金を振り込んでしまいます。
相手の言うことが真実かどうかではなく、相手の言うことが真実だったらどうなるだろうかという点に注目してしまうと、どんどん冷静に現実を見られなくなっていきます。
詐欺師は被害者に「早くなんとかしないとまずい」と思わせるような事を言ってきます。こうなると、冷静なときではしないような判断ミスをしやすくなります。
日刊ゲンダイ『それでもオレオレ詐欺に引っかかってしまう老人の“共通項”』によると、世間体を気にする親ほど「息子が無職になったら」「息子の不倫が噂になったら」などと想像力を広げ、素直にお金を振り込んでしまうそうです。
最後に、オレオレ詐欺にあった際にすべきことをご説明します。
まずは警察に通報し、次に振り込んでしまった金融機関に連絡をしましょう。平成20年6月に「振り込め詐欺救済法(犯罪利用預金口座等に係る資金による被害回復分配金の支払等に関する法律)」が制定され、振り込め詐欺に使われた口座を凍結し、残っていたお金を被害者に分配できるようになりました。
犯人がお金を引き出す前であれば、騙し取られたお金の全部または一部を取り戻せる可能性があります。
一番つらいのは騙されてしまった本人です。家族を思いやったためとはいえ、まさか引っかからないと思っていた詐欺に騙された自分を情けなく感じているはずです。
しかし、騙し取られた金額の大きさから、被害者が家族に責められることもあるようです。
この記事にも載っているように、オレオレ詐欺の被害者が自責の念や家族に責められたことから自殺してしまう場合もあるようです。本人は家族を思いやりなけなしの老後資金を投げ出したのに、家族みんなに責められるのではあまりにも浮かばれません。騙された本人だけを責めるのではなく、普段から家族同士で支え合っておきたいものです。
オレオレ詐欺の手口は年々巧妙になっており、例えば還付金詐欺のようにあたらしい詐欺も増えています。にも関わらず「自分だけは大丈夫」だと思っていることが、詐欺師にとっていかに都合のいいことかおわかりいただけたのではないでしょうか。
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