奨学金の自己破産によるデメリットと自己破産を回避する方法

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弁護士法人ネクスパート法律事務所
寺垣 俊介
監修記事
奨学金の自己破産によるデメリットと自己破産を回避する方法

奨学金は数百万単位の莫大な借金です。ただ、この借金を0にしようと考えて、安易に自己破産をしてはいけません。「毎月奨学金の返済が苦しい」「低賃金で返済にあてるだけのお金がない」 など何らかの理由によって奨学金の返済が難しい方もいるでしょうし、あなたもその一人だと思います。

とはいえ、奨学金は一般的な借金とは違い、自己破産であなたの借金(返済すべき奨学金)を無くせたとしても、親族があなたの奨学金(借金)を代わりに返済しなければいけないというデメリットが残ってしまいます。もちろん、自己破産をして借金を0にできるのは最大のメリットと言えますが、奨学金の返済を自己破産で解決することにはおすすめできません。

そこで今回は、あなたが自己破産をすることでどのようなデメリットを受けてしまうかをお伝えすると共に、自己破産を回避して、奨学金の返済を少しでも軽くする方法をご紹介していきます。

自己破産するデメリット4つ

奨学金を自己破産で解決することはデメリットしかないとお伝えしましたが、具体的にどのようなデメリットがあるのかをご紹介します。

  1. 借金が0にならず身内に請求がいく
  2. ブラックリストに載る
  3. 高額な財産は全て処分される
  4. 一定期間就けなくなる職業がある

 ①借金が0にならず身内に請求がいく

自己破産をすることであなたは借金は0円になりますが、奨学金を借りることでできた借金は一般的な自己破産とは違っており、奨学金の申し込み時に親族が保証人や連帯保証人になっている可能性が高いです。

つまり、親や親族があなたの代わりに借金を全額返済しないといけないということです。ちなみに、保証人が代わりに奨学金の返済をする時は、あなたが『期限の利益損失(※)』を守らなかったために一括返済が求められます。

※期限の利益損失…毎月の定められている返済日までにお金を返済しないこと

最悪の場合、あなたが自己破産をすることで親族の誰かまで自己破産の選択をすることになるでしょう。奨学金の自己破産をする時は必ず保証人・連帯保証人に連絡してください。

②ブラックリストに載る

奨学金の自己破産をしてしまうと、あなたはブラックリストに登録されてしまいます。ブラックリストに登録された後は、現金以外のお金に関する取引(信用取引)が全てできません

できなくなる取引は以下です。

  • クレジットカード
  • ローン
  • ETCカード

ブラックリストに載ることであなたの信用が落ちてしまい、クレジットカードなど使えなくなってしまいます。

※現在使っているカードも停止になります。

今後、海外旅行に行く予定がある人にとって、クレジットカードが使えないのは海外では大きな負担です。なぜなら、海外では現金が使えない場合もあるからです。その他にも、買い物をする時など現金が少し足りない時にクレジットカードがあると急な対応もできるので心強いです。

さらに、結婚のことを考える方であれば、カードが使えない・ローンが組めないとなると

  • 自動車・家を買うのも難しい
  • 教育ローンも組めない
  • 教育ローンが組めないと、子供に辛い思いをさせる など

こういった可能性もでてきます。上記のことからブラックリストに載ると生活が不便になることは間違いないので、自己破産はするべきではないでしょう。

ブラックリストを解除するには

ブラックリストは一定期間を普通に生活するだけで自動的に解除されます。しかし、期間は短くて5年。長いと10年かかりますので短いものではありません。日本に3つある信用情報機関(※1)によって解除される期間は違ってきます。

(※1)信用情報機関…現金以外のお金に関する契約・支払い・返済をした履歴を管理している機関

信用情報機関名 自己破産期間
(JICC) 5年
(CIC) 5年
全国銀行協会(KSC) 10年

③高額な財産は全て処分される

過去5年間に購入した物の価格が20万円以上のものが当てはまります。

身近な20万以上のものは以下です。

  • 自宅
  • 時計
  • 貴金属
  • パソコンなどの電化製品 など

時計はリーズナブルな価格のものに変更することもできますが、車・パソコンなどは人によって仕事で使う場合もあり困ることになるかもしれません。自己破産を考えている方は借金を減ることだけを考えがちですが、自己破産をしたあとの生活イメージをすることで本当に自己破産をするべきなのか考えることができます。

④一定期間就けなくなる職業がある

自己破産をすることで以下の職業に就くことができなくなります。

  • 弁護士
  • 税理士
  • 公開会計士
  • 司法書士
  • 税理士
  • 行政書士
  • 宅地建物取引士
  • 貸金業者
  • 旅行業者
  • 損害保険代理店 など

勉強をコツコツ真面目にして資格をとらないと就けない職業ばかりなので、リストにある資格を目指している人は自己破産だけは回避するようにしてください。なお、就けなくなる期間は、免責までの期間です。

奨学金の返済ができずに自己破産となる方が多い理由

最近、奨学金の返済ができなくて自己破産をする人は少なくありません。

どんな理由で奨学金の返済ができないかというと

  • 教育費が上がっている
  • 昔と比べ就職がしづらくなった

主にこの2つです。確かに、昔と今では環境が大きく変わったせいで奨学金の返済が難しくなってしまいました。教育費が上がっているので必然的に奨学金を多く借りないといけませんし、就職も順調にできるとは限りません。

だからといって、奨学金を借りたのであれば返済する義務がありますし、返済を放置し返さなくていい理由にはなりません。

では、どうすれば良いのかという話になりますが、奨学金制度には毎月の返済が難しい人を助ける救済措置がありますので、次項で詳しく解説していきます。

奨学金による自己破産を回避する方法

奨学金による自己破産を回避する方法

奨学金の延滞を繰り返すことで自己破産を考える人は少なくありません。実は、延滞しないように手助けする方法が奨学金にはあります。

減額返還制度の利用

奨学金の毎月の返済を2分の1にする方法が減額返還制度です。使うには条件がありますが、使うことで毎月の返済を少なくするメリットがあります。毎月の返済額が少なくなれば延滞も減らすことができるでしょう。

減額返還制度の利用条件

  • 年収325万円以下
  • 副収入225万円以下
  • 被扶養者1人につき38万円の控除

年収が325万円の方は、申請手続きをすることで毎月の返済額を2分の1にする制度を受けることができます。年収325万円を超えていたとしても被扶養者(※)がいることで減額制度を受けることができるでしょう。

(※)被扶養者とは…配偶者・子供・孫など

控除について分からない方は下の例を参考にしてください。

【年収が400万円の人だが被扶養者が2人いる場合】

400万円―(38万×2人)=324万円

被扶養者がいれば年収400万円の方も減額制度を受けることができる場合もあります。

ただし、一定期間しかできないので注意が必要です。

返還期限猶予

奨学金の毎月の返済を一定期間ストップさせることができるのが返還期限猶予です。

減額制度よりも控除がなくなったので条件が少し難しくなりました。

【返還期限猶予の利用条件】

  • 年収300万円以下
  • 副収入200万円以下

返還期限猶予を使うことで、あなたの生活環境を変えることができる可能性はあります。毎月の返済をストップさせることで少し貯金をするのもいいですし、転職して年収を増やすことも可能です。

減額制度より選択の幅が広がるのは間違いないでしょう。ただし、一定期間しかできないので注意が必要です。

債務整理

どうしても奨学金の返済が難しいと考えた方は債務整理をするしかありません。

債務整理には自己破産以外にも種類がありますので解説していきます。

任意整理

任意整理を行うことでお金を借りている特定の業者を整理することができますし、整理しなかった業者とは話し合いをして借金の減額もできます。反対に、減額ができない業者というのも存在し、奨学金は減額できないことがほとんどです。

奨学金は任意整理することで返済額が下がりますが、自己破産と同じで保証人が代わりに奨学金の返済をしなくてはいけません。しかも、一括返済です。

奨学金は任意整理すると減額分の借金を保証人に押しつけることになるので、しないことをおすすめします。任意整理をする場合は保証人と相談をしてください。

また、奨学金以外の借金があるような場合は、そちらの借金のみ任意整理することも可能です。

個人再生

奨学金の返済額を5分の1にすることができる債務整理の方法の1つです。

ただし、裁判所も介入してくるので手続きが複雑な上に、期間は3~5年で完済しないといけません。残りの5分の4は保証人に全て一括請求されます。

【3年間で600万円を借りた場合】

600万円÷5=120万円

120万円÷36ヵ月=毎月の返済額は約34,000円です。

残りの480万円が保証人に一括請求されます。

【5年間で600万円を借りた場合】

600万円÷5=120万円

120万円÷60ヵ月=毎月の返済額は20,000円です。

残りの480万円が保証人に一括請求されます。

個人再生でも大幅に返済額を減額できますが、自己破産と同じく保証人に請求されてしまいます。個人再生を行う前も、必ず保証人と相談するようにしましょう。

まとめ

奨学金の返済はたしかに大変ですが、だからといって気軽に自己破産をしてもいい理由にはなりません。あなたがブラックリストに載ることになりますし、親族にもお金の面で迷惑をかけてしまいます。

奨学金の返済に悩んで自己破産をする前に、減額制度や返還期限猶予を使えるかを、まずは調べてみることをおすすめします。もし、減額制度が使っても返済が難しいのであれば、保証人に相談して債務整理をするか決めましょう。

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この記事を監修した弁護士
弁護士法人ネクスパート法律事務所
寺垣 俊介
2016年1月に寺垣弁護士(第二東京弁護士会所属)、佐藤弁護士(東京弁護士会所属)の2名により設立。遺産相続、交通事故、離婚などの民事事件や刑事事件、企業法務まで幅広い分野を取り扱っている。

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