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KL2020・OD・037
熟年離婚とは夫婦の年齢によって決まるものではなく、一般的に20年以上婚姻関係にあった夫婦が離婚することを表します。今回は実際に熟年離婚をした夫婦の件数や割合を見ながら、日本の熟年離婚について考えていきたいと思います。
そして、離婚の危機を迎えようとしている方が今すぐに実行できる熟年離婚の回避法もあわせてお伝えしますのでぜひ参考になさってください。
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目次
まずは、離婚の件数と離婚率を詳しくみていきましょう。
以下、同居期間別に離婚件数が載っています。平成2年から平成27年のデータです。同居期間が20年~25年の夫婦がどの年も一番多く離婚していることがわかります。
参照元:平成27年人口動態統計|厚生労働省
婚姻関係が20年~25年の夫婦を例に離婚率をみていきましょう。以下のグラフには年齢別に離婚率が出ています。このグラフを見ると、45歳~49歳の夫婦が特に離婚率が高いことがわかります。
これは20代前半で結婚した夫婦が結婚生活20年~25年で離婚していることになります。熟年離婚と聞くと、50代60代といった熟年夫婦の離婚を想像しがちですが、40代という若さで熟年離婚をする夫婦が一番多いことが見受けられます。
参照元:平成27年人口動態統計|厚生労働省
離婚成立時に年金を分け合うことができる制度があることはご存知でしょうか。平成19年以降に開始した制度であることから、この制度をきっかけに熟年離婚に踏み切るようになった夫婦もいるといわれており、熟年夫婦の離婚率を上げる要因になっていると言えます。
年金分割制度には合意分割制度と3号分割制度の2つの制度があります。ここで注意していただきたいのですが、この制度の対象になる年金は「厚生年金」と「共済年金」であり、国民年金は対象外ですのでお気をつけください。
合意分割制度とは2007年4月1日以降に離婚した夫婦が、婚姻期間内に払っていた厚生年金の標準部分を最大2分の1まで分割できる制度です。
夫婦の話し合いにより決定しますが、揉めてしまった場合は家庭裁判所に間に入ってもらい、調停や審判で決定します。その後、年金事務所に「年金分割」の請求をしましょう。
3号分割の3号は国民年金の第3号被保険者のことをいいます。(第3号被保験者は専業主婦を表します)3号分割制度を利用すると、2008年の4月から離婚するまでの間、夫の厚生年金の標準報酬額の2分の1を受け取ることができます。
年金の受給資格を満たしていない場合、年金を受け取ることができませんので分割制度を利用することはできません。また、専業主婦が3号分割制度を利用する際は、離婚後2年以内にご自分で年金事務所に行って、手続きをする必要があります。
離婚をした際に自動的に年金が分割されることはありません。必ず手続きが必要になりますのでご注意ください。
年金制度については事前にしっかり調べて、ご自分がどのように年金をもらうことができるのか把握しておくことをお勧めします。
離婚の危機を迎えている方は、今すぐに実践できる熟年離婚をしないためにできることを考えてみましょう。
まずはご自分の毎日の生活を振り返ってみましょう。配偶者へ思いやりを持って接していますか?自分勝手な言動はしていませんか?離婚を切り出されても仕方のないようなことをしていないか一度しっかり考えてみましょう。
相手を不快にさせるような自分の悪いところがある場合は改善できるように努力しましょう。悪いところが明確であれば自分で気をつけるしかありません。長年の癖は簡単には直らないでしょう。しかし、相手の為には自分が我慢しなければならないこともあるのです。
改善を試みて、どうしても自分1人だけで解決することが難しい場合は誰かに相談してみましょう。友人でもいいですし、専門家に相談するのも良いでしょう。関係を修復するためには相手に求める前に自分から行動を起こすことが大切ですからね。
配偶者とのコミュニケーションは非常に大切です。相手の話をたくさん聞くように心がけてください。既に会話が無い状態でしたら、あなたから声をかけるようにしてください。たった一言でも構いません。食事を出されたときに「おいしいね」と褒めるだけでも良いのです。
うまく会話ができないと思う場合は、これまで以上に「ありがとう」と言うようにしてください。あなたは配偶者にありがとうと言っていますか?この言葉は、どんな言葉よりも絶大な力があると言っても過言ではありません。
以前、株式会社トヨタマーケティングジャパンが妻300人に対して、夫からあなたへ「うれしいひとこと」はなんですか?とアンケートを行いました。
♯2:妻が夫に言われて嬉しいひとこと断トツ1位は、“あのコトバ”
調査結果では、夫の45%は言っていない?!妻たちが夫に言われて「うれしいひとこと」第1位は、「ありがとう」で断トツの結果となりました(56%)。
また、実際に言われたシチュエーションとしては、多くの方が「家の中」「メール」「電話で」など
日常生活の中にある場面で言われたことがあると答えています。日頃、子育てや家事などをがんばっている妻たちが理想とするひとことは、
「愛してる」(6位、0.6%)のような「記念日型」の特別なひとことではなく、
日常生活の中で何気なく口にすることができる「365日型」の素直な感謝の言葉、という結果になりました。しかし、堂々の1位「ありがとう」を選んだ方の中で、実際に言われたことがある方の割合は55%にとどまりました。
やはり1位は「ありがとう」という言葉でしたね。感謝の言葉は何度伝えても良いくらい素敵な言葉です。いつも家事をしてくれる妻に対してしっかりとありがとうを伝えていますか?
そして、妻側も夫への感謝を言葉にすることが大切です。お互いが感謝の気持ちを伝え合うことで良好な関係を築くことができるでしょう。
相手に贈り物をする年齢じゃない!今更恥ずかしい。とお思いになったかもしれません。しかし、夫婦の関係をより良いものにするためにはこれまでやらなかったことや、新たな取り組みに挑戦する必要があります。
高価なものではなく、たとえ小さなものでも構いません。大切なのは気持ちですからね。ごく普通の日にでも、ありがとうの言葉を添えて贈り物をしてみましょう。
夫婦だけに限らず、良い人間関係を作るにはそれなりに時間を要します。以上のことを実践しても結果を残すためにはもちろん時間もかかりますし、忍耐力も必要になります。
すぐに相手の反応が変わらないからといってあきらめてはいけません。時間をかけて、関係を修復できるよう頑張りましょう。
色々考えたけれどやはり離婚がしたいと思った方は、離婚へ向けて準備をはじめましょう。離婚を切り出す前にしっかりと準備を行い、ご自分の中で繰り返しシミュレーションをしてください。
離婚を切り出す前に、ご自分が何をどの程度手にすることができるか調べてください。その後は離婚後の生活設計を立てましょう。仕事や住まい、今後交流を持てる友人がどの位いるかなども考える必要がありますね。
ご自分の中で準備が整ったタイミングで離婚を切り出しましょう。以下に離婚準備に関する記事をまとめましたので参考になさってください。
今回は熟年離婚の離婚率を考えながら、離婚の回避法についてお伝えしました。夫婦として長い時間を共にしている相手だからこそ、礼儀や思いやりの心を忘れてはいけません。今からでも間に合いますので、離婚を回避したいのであれば今日からすぐに実践することをおすすめします。
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本記事はあなたの弁護士を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。
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