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KL2020・OD・037
婚姻費用(こんいんひよう)とは、夫婦が婚姻生活を送るために必要となる生活費などを指します。
片方が働いている場合は、家庭に生活費を入れるでしょうし、共働きの場合は夫婦でやりくりして生活をするのが一般的でしょう。
この婚姻費用は、別居した場合でも婚姻関係が存在する限り、相手配偶者に請求することができます。
婚姻費用は、民法の『扶養義務』(第752条)、『婚姻費用の分担』(760条)、『未成熟子の生活保持義務・扶養義務』(820条、877条)などで定められているからです。
収入の少ない側、別居時に子供を養育している側は、相手配偶者に婚姻費用の分担を請求することができます。
この記事では、婚姻費用に含まれるものや、計算方法、請求方法と流れなど、請求前に知っておきたい婚姻費用に関する疑問などにお答えします。
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ここでは、婚姻費用について、次の点を解説します。
婚姻費用は、生活を維持するために必要な費用のことで、請求者と相手の収入の程度に応じて分担金の支払いを求めることができます。
また、婚姻費用はあくまで婚姻関係維持を前提とする費用ですので、離婚にあたって精神的苦痛に対して補償を求める慰謝料や、婚姻期間中に築いた共同財産を離婚に伴い分割する財産分与、離婚後に親権を有する配偶者が相手配偶者に請求する養育費とは、性質が異なります。
具体的には次のものが含まれます。
【参考元】裁判所|婚姻費用の分担請求調停
夫婦間の話し合いで、月々の生活費を算出して、双方合意できる金額であればいくらでも構いません。
実務的には、夫婦双方の収入・子供の人数と年齢などを考慮して、裁判所が活用している『養育費・婚姻費用算定表』を目安として決定します。
妻の年収が100万円とした場合の目安となる金額はこちらです。
子供の年齢 |
子供の数 |
夫の年収400万円 |
夫の年収500万円 |
夫の年収600万円 |
0~14歳 |
1人 |
2~4万円 |
4~6万円 |
4~6万円 |
2人 |
4~6万円 |
6~8万円 |
8~10万円 |
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15~19歳 |
1人 |
4~6万円 |
6~8万円 |
6~8万円 |
2人 |
4~6万円 |
6~8万円 |
8~10万円 |
算定表の見方はこちらです。
引用元:裁判所|養育費・婚姻費用算定表
※枠と数字は編集部により加筆・強調
算定表は表19まであり、上記画像①の部分からあなたの状況に合った表を参考とします。
②は、支払う側である義務者の年収、③は支払いを受ける権利者の年収で、交わる箇所の金額が目安です。また、以下の点にも注意してください。
ただし、これらはあくまで目安ですので、例えば住宅ローンの返済など、個々の事情を考慮して柔軟に決定する必要があります。
夫婦間で合意できれば、話し合いで決めることは可能です。その場合、必須ではありませんが可能であれば、合意内容は公正証書にしておいてもよいと思います。
もし決まらなければ、家庭裁判所に婚姻費用分担請求調停を申し立てて、調停委員を交えて話し合いで決めることになります。
婚姻費用は別居しても夫婦関係が継続する場合の一方配偶者の生活に要する費用などが対象となりますので、別居後に離婚が成立したり、別居が解消されて同居が再開された場合には、請求できません。
あくまで婚姻費用は別居期間中の費用について分担を求めるものとご理解ください。
なお、離婚が成立してから何年も経過して婚姻費用の分担を求めたり、別居を開始した時点にさかのぼって過去分の婚姻費用の分担を求めたりすることは、理論上はあり得ますが、実務では認められないことがほとんどです。
婚姻費用を請求するのであれば、別居開始時またはその直後から相手に負担を求め、相手が応じないようであれば速やかに調停を申し立てましょう。
婚姻費用について公正証書や調停調書で毎月の支払い義務が明確に取り決められた場合、相手がこれを支払わなければ強制執行手続きによって、給与などを差し押さえることが可能です。
前述した通りですが、早ければ早いに越したことはありません。
婚姻費用は過去分にさかのぼって請求することが難しいため、別居が開始されているのであれば、すぐに相手に負担を求め、相手が応じないようであれば調停を申し立てるなどの対応を取ることをおすすめします。
今後離婚するのか、しないのか、いつ離婚が成立するのかなどが、まだ決まっていないのであればなおさらです。
十分な収入があるのであれば問題はありませんが、なければすぐに行動を起こしたほうがよいでしょう。
次に当てはまる方は婚姻費用の請求を検討したほうがよいでしょう。
特に、離婚が成立しなければ『児童扶養手当』や医療費の免除制度である『ひとり親家庭等医療費助成制度』などを受けることができないため、別居した段階で調停を申し立てるなど、すぐに行動に移すことをおすすめします。
婚姻費用の請求ができるケース、できないケースはこちらです。
婚姻費用の請求ができるケース |
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婚姻費用の請求ができないケース |
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夫婦双方の収入に差がなくても、あるいは収入が多くても、子供を引き取って養育しているケースでは、子供の養育にかかった費用について婚姻費用として分担を求めることができます。
一方で、別居していても夫婦関係が事実上破綻しているような場合は婚姻費用の分担を求めることはできません。
婚姻費用の請求方法は、公正証書や調停調書で支払い義務について明確な取決めがある場合とない場合で異なります。
婚姻費用の請求方法 |
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婚姻費用について合意書面がない場合 |
相手と話し合って合意内容を公正証書で作成 婚姻費用分担請求調停を行う |
公正証書で支払い義務に合意している場合(執行受諾文言あり) |
強制執行 |
調停や審判、裁判などで婚姻費用について取り決めがあった場合 |
履行勧告・履行命令・強制執行 |
まずは双方で話し合い、可能であれば合意内容を公正証書にしておくことで、請求や強制執行の際に手間や費用の負担が少なくて済みます。
すでに別居してしまっている場合もまずは相手に婚姻費用の分担について協議を申し入れ、これがスムーズにいかない場合は家庭裁判所に婚姻費用分担請求の調停を申し立てることになります。
いずれにしても、婚姻費用の支払いを認めてもらい、請求することからスタートします。
月々の支払いの取り決めが行われても支払われない場合、強制執行などの法的手段に移ることになります。
内容証明や調停の申し立てについては関連記事も併せてご覧ください。
婚姻費用を支払ってもらえない場合のアクションも、上記と同様です。
まずは、相手に婚姻費用の分担について協議を申し入れ、これに応じてもらえなければ、調停を申し立てることになります。
調停が不調となった場合は、自動的に審判に移行し、裁判所が適正と考える婚姻費用の分担額を裁定します。
調停調書や審判調書で定められた婚姻費用を支払わない場合、強制執行が可能です。
ここでは、婚姻費用に関する疑問にお答えします。
住宅ローンの返済などがある場合は、負担している側の年収から、年間の返済額を控除した額を年収として、算定表に当てはめて婚姻費用を算出するなど、そのときの事情を考慮して決められることになります。
どのように決めるかは、調停委員や審判次第ですが、ある程度事情を考慮してもらえるよう求める必要があります。
同様に、夫婦で住んでいた家の家賃を、片方が負担している場合も考慮されます。
また、婚姻費用を負担する側は、別居が長引けばそれだけ負担も大きくなってきますので、弁護士に相談するなどして早期解決を図りましょう。
婚姻費用分担請求の調停を申し立てた場合は、おおよそ3~4ヶ月で決まることが多いようです。
また、調停が不調に終わり、審判に移行した場合は、半年~1年程度かかることもあります。
それまでの生活費については、調停前の仮処分や審判前の仮処分を求めて、裁判所から仮で決めてもらう方法もあります。
なお、調停は開始までに1~2ヶ月かかり、おおよそ1月に1回審理が行われますので、別居開始時にすぐに申し立てることをおすすめします。
婚姻費用分担請求調停などについては、関連記事も併せてご覧ください。
別居していても、戸籍上は婚姻関係にあるため、原則婚姻費用を支払う必要があります。
ただし、別居後に夫婦関係が事実上破綻しているような場合は婚姻費用の分担を求めることはできません。
余談ですが、婚姻費用の支払いは自己破産しても免責されませんので、相手配偶者が破産した場合でも婚姻費用の分担を求めることは可能です。
支払う側の言い分として「勝手に出て行ったから支払わない」というものがありますが、これも事情によって異なってきます。
相手に落ち度がないのに勝手に別居を開始した場合に婚姻費用の分担が認められない可能性はゼロではありません。
しかし、別居開始について責任があるから直ちに婚姻費用の分担を求めることができないというわけでもありません。あくまでケースバイケースです。
「子供に会わせないから支払わない」という言い分もありますが、婚姻費用と子供と会えないということは直接関係がないため、支払いを求めることが可能です。
婚姻費用の生活費のなかには、子供の養育にかかる費用も含まれますが、これら費用と子供の面会交流の有無は無関係です。
しかし、離婚後も子供のことに関して、夫婦で協力しなければならないケースに直面することは多々あるでしょうから、お互いに譲り合う姿勢は必要かもしれません。
相手が無職である理由が、病気で働けない、子供が幼くて働けない、仕事が見つからないなどで、無い袖は振れないという場合は、分担を求めても支払いは期待できません。
日本の法制度上、お金のない人から無理やりお金を回収する手段はありません。
可能です。例えば、次のような事情がある場合に、双方の合意の下に、あるいは調停を介して変更することが可能です。
支払をする側 |
支払を受ける側 |
仕事を解雇 収入が減った |
収入が増額した 実家に帰るなど家賃の負担などが減った 子供の医療費が高額となったなど |
この記事では、婚姻費用とは何なのか、婚姻費用の請求方法、婚姻費用に関する疑問など、婚姻費用とは何なのかについてお答えしました。
次に当てはまる方は、一度弁護士に相談してみてはいかがでしょうか。
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離婚、相続、労働問題、刑事事件被害、ネット誹謗中傷など、幅広い事件で弁護士費用の補償が受けられます。
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KL2020・OD・037
本記事はあなたの弁護士を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。
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