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KL2020・OD・037
何かしらの理由で刑事告訴されたとき、被害者と示談が成立すれば起訴は免れるのでしょうか。また、示談が成立したにもかかわらず、被害者が告訴してきた場合はどうなるかも気になるところです。
対象となる被疑事実が親告罪(しんこくざい)である場合、被害者側との示談が成立した場合、起訴は免れる可能性が高いと言えます。親告罪は被害者の告訴がなければ起訴できないため、被害者との示談で告訴が取り下げられれば起訴されることはありません。
【親告罪に該当するもの】
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とはいえ、自分が置かれている状況は起訴されずに済むのか、示談成立させるためにどうすれば良いのかなど、不安はそう簡単に消えないものです。そこで今回は、刑事告訴されたときに示談に持ち込むメリットや、示談が成立した後どうなるのかなどについて解説いたします。
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目次
刑事告訴された場合、下図のような流れで進んでいくことになります。不起訴や無罪となれば前科がつくことはありません(もっとも、逮捕等されていれば前歴はつきます。)。示談交渉をするメリットは、不起訴に持ち込める可能性が高まることでしょう。
仮に、起訴となっても執行猶予など量刑が軽くなるケースも十分あり得るのです。
示談交渉により、被害者が刑事告訴の取り下げをしてくれる可能性があります。もし、告訴を取り下げてもらえた場合、親告罪であれば起訴されることはありません。なぜなら、親告罪は告訴がなければ起訴できない犯罪であるからです。
なお、親告罪でない場合でも、示談交渉により被害者との間で和解していれば、検察官の判断により起訴されずに済む可能性があります。
上記のような場合で、仮に起訴となった場合でも、示談交渉を成立させておくことで量刑が軽くなる可能性があります。被害者と示談が成立していることが、加害者に有利なことがらとして裁判官の心証に働くためです。
稀に、被害者と示談成立したにもかかわらず、やはり「刑事告訴したい」と言われるなどのケースがあります。この場合、告訴は認められるのでしょうか。
示談書で告訴権を明確に放棄していなければ、示談後の告訴は可能です。しかし、犯罪事実にもよりますが、被害者と示談が成立していることで、検察官が不起訴判断を下す可能性は高いといえます。
万が一、起訴となった場合でも量刑が軽くなるなど、加害者に有利な状況になることは間違いないでしょう。
もっとも、上記のような事態を防ぐため、通常、示談書には被害者が加害者を宥恕する(許す)旨の文言を記載するのが通常です。また、既に告訴がある場合は、その取下げを示談条件とすることは必須でしょう。
全ての犯罪について、示談交渉が行われるわけではありません。
示談交渉の対象となるのは、被害者のいる事件です。例えば、窃盗罪や詐欺罪、迷惑防止条例違反などが該当します。
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親告罪とは、被害者からの告訴がなければ起訴できない犯罪のことを言います。該当する犯罪が親告罪か否かは法律で特定されています。
親告罪の場合、刑事告訴されても示談により取り下げの同意を得られれば、起訴されることはありません。つまり、前科がつかずに済むということです。
【親告罪に該当するもの】
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示談交渉が行われない犯罪とは被害者のいない事件です。具体的には、公務執行妨害や覚醒剤取締法違反など、社会システムに対する罪です。このような罪の場合、示談の相手がいないため、示談交渉が行われることはありません。
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示談交渉が行われる犯罪であっても、必ず被害者と交渉できる訳ではありません。例えば、
被害者に面識がない・被害者が複数いる・被害者が受けた傷が大きい場合は、示談交渉の申し出をしても拒絶されてしまう可能性があります。
なお、示談交渉は弁護人を通じて行うのが通常であり、身体拘束を受けている場合は弁護人以外が示談交渉を行うことは困難でしょう。相談しづらい、費用がかかるなどの理由で弁護士への連絡を渋る方がいるかもしれませんが、いち早く弁護士に相談することをおすすめします。
被害者と示談交渉の機会が設けられたとき、心得ておきたいポイントについてまとめました。事件の解決を急ぐあまり、被害者の心情を無視するような行動をしないことが非常に大切です。
示談交渉は、できる限り早いタイミングで行うことが大切です。例えば、逮捕されてしまった場合、起訴・不起訴まで最大で23日しかありません。その間に被害者と交渉を行い、示談成立させる必要があるため、すぐに弁護士に依頼し示談に向けた動きをしてもらうことが不起訴を目指す上でとても大切です。
財力がある場合、「高い示談金を提示すれば告訴を取り下げてくれるだろう」と考える人もいます。しかし、刑事告訴で示談を目指すために、お金で解決しようとすることはおすすめしません。加害者が犯した罪に対して反省の色を示さなければ、お金を積んでも刑事告訴の取り下げは難しいでしょう。
刑事告訴されたとき、少しでも良い結末を望むのであれば、弁護士に依頼する必要があります。法律的な観点や被害者の状況などから的確にあなたを弁護してくれるのはもちろん、個人では難しい示談交渉機会の獲得などが期待できます。
インターネットなどでは示談金の相場について情報が錯綜していますが、犯した罪や状況などにより金額は異なります。そこで下記に犯罪別での示談金相場をまとめました。参考にしていただければ幸いです。
強制わいせつや強制わいせつ致傷によって支払う示談金は、30~100万円が最も多いようです。しかし、被害者の被害感情、加害者側の財産状況、犯罪の態様等ケースによって違いますので、一概にはいえません。
参照元:慰謝料算定の実務第2版
強姦罪(ごうかんざい)は、法改正により2017年7月から強制性交等罪(きょうせいせいこうとうざい)名称に変わりました。過去のデータによると強姦罪は、50万円~250万円の範囲内でまとまっているようですが、これもケース・バイ・ケースでしょう。
参照元:慰謝料算定の実務第2版
示談交渉の流れについて確認しておきましょう。基本的に、加害者本人が弁護士に示談交渉の依頼をして、被害者にコンタクトをとります。
まずは、加害者側の弁護士から事件の担当検察官に連絡をして、「被害者と示談交渉がしたいので連絡先を開示してほしい」と伝えます。
検察官が被害者に連絡をして電話番号やメールアドレスの開示確認を行い、示談交渉を希望していることを伝え了承を得てから、話し合いの機会が設けられます。
刑事告訴されたら、まずは弁護士に依頼しましょうと記載しました。なぜすぐに弁護士に依頼すべきなのでしょう。
弁護士費用の相場を下図にまとめました。離婚問題や相続問題などと比べると、かかる弁護士費用は高めの設定です。刑事告訴された場合、今後の人生を大きく左右する可能性があります。多少の出費を覚悟してでも弁護士に依頼することをおすすめします。
相談料(1時間あたり)
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0円~10,000円
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着手金
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300,000円~500,000円
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成功報酬
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300,000円~500,000円
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実費(弁護士の交通費や日当など)
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弁護士事務所による
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接見費用(1回につき)
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20,000円~50,000円
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刑事告訴されたとき、弁護士に依頼すべき理由とは一体何でしょう。以下に3つの理由を挙げました。総称して言えることは、加害者本人ではできない部分を弁護士が適切に対応してくれることが依頼すべき理由です。
加害者から示談交渉を申し出た場合、被害者から拒否される可能性が高いでしょう。しかし、弁護士が代理で申し出ることで、被害者も安心し、示談交渉に応じてもらえる確率が高まります。
事件の当事者同士での話し合いは、状況によっては感情論へと発展し示談交渉が上手くいかなくなるリスクがあります。弁護士に依頼することで、相手の状況に配慮しながら適切な対応がとれるため、穏便に交渉を進められるという期待ができます。
基本的に罪を犯した側となりますから、全てが加害者の要望に添った示談交渉ができる訳ではありません。しかし、刑事告訴を取り下げてほしいなどの要望について被害者にもちかけることは可能です。個人で動くよりも有利な条件で解決できる可能性が高いことも、弁護士に依頼するメリットでしょう。
刑事告訴されたときに頼れる弁護士の特徴は主に4つ挙げられます。弁護士歴の長さではなく、刑事事件に注力し解決実績が豊富かどうか、加害者の話を親身に聞きき、フットワークの軽い弁護活動が期待できるかとうかを基準に選ぶと、あなたが心から頼れる弁護士に出会えるでしょう。
刑事告訴された場合、被害者との示談交渉機会を獲得し、交渉を上手く進めていくことで告訴の取り下げや不起訴といった結果が期待できます。個人でこれらのことを進めていくのはとても難しいことですから、すぐに弁護士へ依頼しましょう。
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本記事はあなたの弁護士を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。
※あなたの弁護士に掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。
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