個人再生手続きの必要書類まとめ|提出時の注意点と不認可になるケース

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弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤 康二
監修記事
個人再生手続きの必要書類まとめ|提出時の注意点と不認可になるケース

個人再生の手続きは、膨大な書類が必要な上に作成するのも難しいです。また再生方法のやり方や裁判所によって必要な書類は異なります。

特に個人再生の手続きで注意しないといけないのは、期限内に必要な書類を提出しない不認可になる可能性がある点です。

自分で個人再生の手続きをするなら、仕事をしながら素早く書類を集めて急いで作成する必要があるため提出しても不認可になりやすいでしょう。

ここでは、個人再生に必要な書類注意点などをお伝えし、個人再生の手続きを自分でできるような知識を得てもらえば幸いです。

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個人再生の手続き別で用意すべき必要書類一覧

個人再生の手続き別で用意すべき必要書類一覧

個人再生(小規模再生(※1)・給与取得者等再生 (※2))の方法や裁判所によって必要な書類は微妙に違います。今回は、東京地方裁判所の立川支部を例として書類を紹介していきますので参考にしてください。

(※1) 小規模再生…誰でも手続きできる個人再生の方法のこと。ただし債権者(お金をもらう権利のある人)の同意が必要

(※2) 給与取得者等再生…サラリーマンなどの定期的な収入の見込みがある人が使える個人再生の方法のこと。小規模再生と違って債権者の同意は不要。しかし、可処分所得(収入から税金などの金額を引いた生活費)の2年分以上が必要です。

小規模・給与取得者再生で共通な書類

以下が小規模・給与取得者再生で必要な書類です。

書類数

書類名

個数

どんな書類か

申立書

1通

訴訟したい意思表示を記入する書類

収入一覧・
主要財産一覧

1通

収入・土地や建物などの財産を記入する書類

債権者一覧表

1通+債権者数(住宅資金貸付債権者を含む)

債権者の名称・住所・借入金額・連絡先などが一覧になった表

住民票写しの原本

3か月以内のもの×1通

本籍地の記載されている書類

委任状

1通

弁護士に依頼する時に必要な書類

報告書・陳述書

1通

職業・収入・家族構成・現在の住まいなどを記入する書類

家計全体の状況

直近2ヶ月分×1通

家計全体の状況を書類に記入する

財産目録

1通

再生者にどのくらいの財産があるのかをハッキリさせる書類

財産目録(細目)

1通

預貯金通帳のコピー

直近2ヶ月分×1通

解約済みの口座や住宅ローンの口座も含めて,各通帳の表紙から取引の明細がわかる全ページのコピー。

※申立てまで記帳がないなら、通帳の余白などに“以後取引なし”の理由を記入する

財産目録記載の財産に関する疎明資料

各1通

清算価値算出シート

1通

現金・貯金・退職見込額・保険解約返戻金(※1)など手元に残るお金を計算した書類

申立人代理人の宛名を書いた封筒(長形3号)又はラベルシール(※2)

6枚

債権者(住宅ローン債権者を含む)の宛名を書いた封筒(長形3号)又はラベルシール

各2枚

※再生債権届出書等において債権者の住所等変更があった場合には、再生計画案提出時に、変更後の宛名を書いた封筒(長形3号)又はラベルシール(各1枚)を提出する。

個人再生委員(※3)が指示する書面

1通

(※1)生命保険を解約した時に返還される現金

(※2)ラベルシール…債権者・法律事務所の宛名が記されたシール

(※3)個人再生委員…弁護士に依頼をしなかった時に裁判所が選んだ弁護士のこと

(参考:東京地方裁判所立川支部における個人再生手続書式集(代理人申立書式)|東京三弁護士会多摩支部)

小規模再生だけで必要になる書類

以下が小規模再生で必要な書類です。

書類数

書類名

個数

どんな書類か

債務者(お金を払う義務のある人)の年収を明らかにする書面(源泉徴収票のコピーなど)

直近1年分×1通

1年分の年収・税金の記された書類

債務者の給与明細書コピー

直近2ヶ月分×1通

1ヶ月分の収入と手取り額が書かれた書類

(参考:東京地方裁判所立川支部における個人再生手続書式集(代理人申立書式)|東京三弁護士会多摩支部)

給与取得者等再生で必要な書類

以下が給与取得者等再生で必要な書類です。

書類数

書類名

個数

どんな書類か

源泉徴収票のコピー

直近2年分×1通

小規模再生だけ必要な書類の①と同じ

課税証明書

直近2年分×1通

1年の収入に対する住民税を証明する書類

給与明細書のコピー

直近2ヶ月分×1通

小規模再生だけ必要な書類の②と同じ

建物賃貸借契約書のコピー又は1年間の住宅ローンの弁済額がわかる書面のコピー

1通

建物を借りた時に契約した書類

可処分所得額算出シート

1通

1年間の収入と税金などの経費を引いた金額を書く書類

(参考:東京地方裁判所立川支部における個人再生手続書式集(代理人申立書式)|東京三弁護士会多摩支部)

住宅ローン特則を利用する時の書類

住宅ローン特則とは、自宅を残しながら借金の返済をしていく制度です。本来であれば債権者平等の法則により、個人再生をすると特定の債権者にお金の支払いは禁止されています。しかし、住宅ローン特則を利用すれば自宅を残しながら個人再生することも可能です。

以下に住宅ローン特則を使うための必要をまとめました。

書類数

書類名

個数

どんな書類か

住宅資金貸付契約の内容を記載した証書(約款部分を含む)のコピー

1通

住宅ローンの契約をした書類

住宅資金貸付契約に定める各弁済期における弁済すべき額を明らかにする書面のコピー

1通

住宅ローンで返済する金額を記入した書類

求償権の存在を証する書面(保証委託契約書)(約款部分を含む)のコピー

1通

保証人と契約を結んだ書類

住宅及び住宅の敷地の登記事項証明書(3か月以内)の原本

直近3ヶ月分×1通

土地・建物の情報を記入した書類

保証会社のした保証債務の全部の履行により当該保証債務が消滅した日を明らかにする書面(代位弁済した日がわかる書面)のコピー

1通

※保証会社が住宅ローン債務の全部につき代位弁済した場合に提出する。

住宅資金貸付債権の一部弁済許可申立書

正本・副本 各1通

住宅ローンの支払いを続けると裁判所から許可をもらう書類

※個人再生委員分の副本は、上記正本・副本とは別に準備してください。

住宅及び住宅の敷地の査定書(不動産の時価がわかる書面)

1通

住宅資金特別条項利用事件のチェックシート

1通

住宅ローン特則を利用する時にチェックする書類

(参考:東京地方裁判所立川支部における個人再生手続書式集(代理人申立書式)|東京三弁護士会多摩支部)

個人再生の申し立てをしてスグに用意する書類

裁判所に上記の書類を提出して個人再生の手続きを開始されたなら財産状況等報告書を用意してください。上記の書類を提出した後に、財産を手に入れた財産目録に記載していない場合は報告する必要があるからです。

財産に変化がない場合は、“別紙財産目録に記載したとおりです。”という記述がありますので、チェックして提出してください。

個人再生の申し立てをした後に用意する書類

財産状況等報告書の提出を終えたら、借金は合計額を計算していくら返済すればいいのかを確定させます。そのために、必要な書類は以下です。

債権調査手続き|債権の届出

個人再生の申し立てをして再生計画(借金を減らせる計画)が認可されたら、再生債権(個人再生の手続きをする前の借金)の金額はいくらなのか債権調査をします。正確な返済金額が分からないと再生計画案が作れないからです。

債権調査手続きの流れ

  1. 再生計画が認可されると、裁判所から各債権者に申し立て書・債権者一覧表の通知がいきます。
  2. 申し立て書・債権者一覧表を受け取った債権者は、裁判所に債権届(氏名・住所・連絡先・債権の金額など)を記入して送る。
  3. 裁判所が再生者に債権届を送ります。

再生者は、債権届の金額が違うなと思ったら2週間以内に(東京地裁本庁・立川支部の場合)異議を述べてください (申し立て書に書かれていた債権者の場合だけ)。異議が認められれば返済する金額は減ります。

※異議が起きたことは再生債権者にも伝えられます。

また債権届を提出しない債権者の場合は、みなし届け出制度を利用しましょう。

※みなし届け出制度…債権者一覧表に記載してある内容で届け出があったものみなす制度。

再生計画案

東京地裁の場合だと、債権届が届いてから18週間後(約3ヶ月)までに再生計画案を作る必要があります。

(再生計画案の提出時期)

第百六十三条 再生債務者等は、債権届出期間の満了後裁判所の定める期間内に、再生計画案を作成して裁判所に提出しなければならない。

(引用:民事再生法第163条第1項)

小規模再生の場合

借金の金額により返済する金額は異なりますので表にしました。

借金の金額

減らせる金額

100万円未満

減らせない

100万円以上~500万円未満

100万円

500万円以上~1,500万円未満

最大借金の5分の1

1,500万円以上~3,000万円未満

300万円

3,000万円以上~5,000万円未満

最大借金の10分の1

債権者のことも気にしながら、表の減らせる金額を元に返済する金額を決定します。

給与取得者等再生の場合

給与取得者等再生は、小規模再生に比べて返済する金額は高くなる傾向にあります。可処分所得によって定められた金額を払う必要があるからです。

可処分所得の計算方法

弁済総額={(2年間の収入の合計-所得税・住民税等の税金と社会保険料)÷2-生活維持費}×2(2年分)

個人再生に必要な書類を用意するための注意点2つ

個人再生に必要な書類を用意するための注意点2つ2つのことに注意して書類を用意してください。

①提出した書類が不認可になる場合もある

以下のケースだと書類を提出した時に不認可になります。

  • 記入漏れ
  • 見落とし
  • 書類不備(有効期限切れ)

書類を作る上で基本的なことなので、提出する前によく確認しましょう。

②提出期限を守れないと再生手続きは廃止

再生計画案などの書類は、提出期限を過ぎてしまうと手続きは廃止になってしまうため絶対に期日を守りましょう。期限が過ぎた場合には再度発行する必要があります。

(再生計画認可前の手続廃止)

第百九十一条 次の各号のいずれかに該当する場合には、裁判所は、職権で、再生手続廃止の決定をしなければならない。

二 裁判所の定めた期間若しくはその伸長した期間内に再生計画案の提出がないとき、又はその期間内に提出されたすべての再生計画案が決議に付するに足りないものであるとき。

(引用:民事再生法第191条2項)

個人再生を弁護士に依頼するメリット3つ

弁護士に個人再生を依頼するメリットは3つです。

①書類集めをしてもらえる

弁護士に依頼をすれば大体の書類を集めてもらえます。個人再生で集める書類はたくさんあるので弁護士に依頼をした方がスムーズに手続きが可能です。

②難しい書類の作成もバッチリ

再生計画案などの難しい書類を作るのも弁護士に依頼をすればバッチリです。自分で再生計画案を作った場合には、返済できると思った金額を記入して提出してしまうと不認可になることもあります。

※東京地裁の場合は再生委員が選任されるのでアドバイスをもらえます。

③書類不備が起きない

個人再生に慣れている弁護士なら、期限がすでに切れているなどの書類不備は起きません。既に何度も業務を行っているため手続きのノウハウを身につけているからです。慣れていない人が行うと何の書類はいつまでが期限という確認がおろそかになる可能性は大いにあります。

個人再生を弁護士に依頼をした時の注意点

  • 弁護士費用を分割払いにした場合は絶対に延滞してはならない
  • 弁護士との信頼関係を壊さないためにも約束は守る(例 今後の借り入れは厳禁など)
  • 申し立ての依頼をして終わりではなく必要書類は早めに集める

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書類関係でよくあるQ&A

書類を提出する時のユーザーの疑問をまとめました。

Q1:会社に内緒で退職金見込み額証明書を入手できますか?

A:できます。ただ会社による証明書ではなく、商業規則や退職金規定を添付した計算書(自己作成)という形で代用してください。

会社に退職金がいくらもらえるのか聞いてしまうと、社内で仕事を辞めるなどの噂が流れ勤務先に居づらくなるというのは珍しい話ではないからです。

裁判所も鬼ではないので、会社に証明書の作成を求めると不利益を被るおそれがあるという内容の上申書を提出すればこれを考慮してくれます。

Q2:友人(保険の担当)に内緒で解約払戻金資産書を入手できますか?

A:できます。「解約したらいくらくらいになるの?」などと当たり障りのないニュアンスで聞きましょう。

友人に聞くのではなく、保険会社に直接連絡をするのも1つの手です。「保険の見直しをしている」と連絡すれば問題なく手に入ります。

Q3:家計全体の状況はありのまま記入してもいいのでしょうか?

A:はい。ありのまま書いてください。というのは、家計に余裕があったとしても、延滞の恐れがないと思われるからです。

まとめ

個人で申し立てをする場合は、全ての書類を自分で集めて作らないといけないため骨が折れます。しかし、弁護士に依頼をすれば、自分で集める以外の書類を作ってくれる上にスピーディーに手続きを行ってくれます。

個人再生を考えているなら、経済的に苦しくても1度弁護士に相談してみましょう。

(関連記事:個人再生を弁護士に依頼する3つのメリットと選び方・費用相場まとめ)

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この記事を監修した弁護士
弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤 康二
アンダーソン・毛利・友常法律事務所を経て2014年8月にプラム綜合法律事務所を設立。企業法務から一般民事、刑事事件まで総合的なリーガルサービスを提供している。第二東京弁護士会所属。

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