養育費を払わないとこうなります|差し押さえのリスクと減額請求の方法

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弁護士法人未緒法律事務所
原口 未緒
監修記事
養育費を払わないとこうなります|差し押さえのリスクと減額請求の方法

養育費を払わないと、給料などを差し押さえられてしまうかもしれません。

また、養育費の差し押さえは、一般的な債権と違い、将来分の養育費を、子供が成人するまで延々差し押さえられる可能性があります。

支払えないからといって、相手に何も言わず無視し続けると、大変なことになるかもしれません。

まずは、支払えない養育費を減額してもらうことが賢明です。そして、適切な額の養育費をしっかりと支払いましょう。ぜひこの記事を参考にしてください。

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養育費を支払わないとどうなる?

養育費を支払わないとどうなるのかについて、解説します。

養育費を差し押さえられる

養育費を支払わない場合に考えられるのは、給料の差し押さえです。給料の差し押さえは、必要書類を準備して裁判所に申し立てるだけで、簡単に行えます。

養育費の場合は、手取り額が33万円以下ならその半分を、手取り額が66万円以上なら、33万円を差し引いた残額が差し押さえられます

また、差し押さえは退職金や役員報酬も対象になります。口座の預貯金が差し押さえられることもありますので、ご注意ください。

差し押さえを受けた場合のデメリット

養育費の場合、未払い分の支払いを終えても、差し押さえが終わらないことがあります。将来分の養育費の差し押さえです。

未払いの養育費があり、給料の差し押さえを受けた場合、将来分の養育費の支払いについても、子供が成人するまで給料が差し押さえられ続けます

月々給料から引かれていくことになり、相手が差し押さえを取り下げない限り続きます。

また、給料を差し押さえられたことにより、会社側には差し押さえられていることが知られることになるでしょう。

差し押さえによって解雇されることはありませんが、会社によっては居づらくなるかもしれません。

養育費を払わないことで罰則はあるのか

養育費は子供の権利です。そのため、自己破産しても免責されませんが、支払わないことに対するペナルティはありません。

ただし、裁判所からの履行命令を無視すれば10万円以下の過料(行政罰)が科されたり、養育費に対して年〇%と遅延損害金(利子のようなもの)を請求されたりします。

また、上記のように延々と差し押さえを受ける恐れもあるため、支払えないのであれば、早い段階で養育費減額請求などを行ったほうが賢明だといえます。

養育費を支払わない方法はあるの?

養育費を支払わない場合としてあり得るのは、あなたに支払える収入や金銭がない場合です。また、相手との連絡を絶ち消息不明になるのであれば、差し押さえられる恐れも少なくなります。

しかしこの場合、相手が探偵などを雇い、あなたの居場所や仕事を突き止め、差し押さえを受ける可能性はゼロではありません。そのために逃げ回り、職を転々とするのも現実的ではないでしょう。

まだ養育費請求調停中であれば、不利にならないためにも以下の記事を読んで希望の条件をしっかりと相手に提示しましょう。

前述したとおり養育費は子供の権利で、免責されません。面会交流が行われていないから支払わないという理屈もとおりません。ペナルティはなくとも、支払う必要があります。

ただし、以下のケースでは、減額される可能性があります。

  1. あなたの収入が減った・相手の収入が増えた
  2. あなたや相手が再婚・子供を養子縁組している

養育費を支払う余裕がないのであれば、減額を申し立てるとよいでしょう。

養育費を減額する方法

ここでは養育費を減額する方法を解説します。

相手と協議する

最も難しい方法かもしれませんが、まずは相手と協議してみましょう。この際、なぜ減額が必要かを証明できる資料と、妥協案を考え協議してみてください。

養育費減額請求調停を申し立てる

相手が応じてくれない場合は、相手方の居住している地域の家庭裁判所に、『養育費減額請求調停』を申し立てます。調停では、調停委員が間に入り、双方の話し合いで養育費の金額を決定します。

申し立てに必要な書類と費用

養育費減額請求調停の申立には、次の書類の提出が求められることがあります。

  1. 養育費調停申立書
  2. 事情説明書
  3. 進行に関する照会回答書
  4. 連絡先などの届出書
  5. 未成年者の戸籍謄本(全部事項証明書)1通
  6. 申立人の収入関係の資料(源泉徴収票・給料明細・確定申告書などの写し)

裁判所のHPからダウンロードすることができます。調停に必要な費用はこちらです。

  • 子供1人につき収入印紙1,200円
  • 郵便切手代1,000円程度

【参考元】裁判所|養育費(請求・増額・減額等)調停の申立て

養育費減額請求調停を弁護士に依頼した場合

ここでは、養育費減額請求調停を弁護士に依頼した場合のメリットと、弁護士費用の相場について解説します。

弁護士に依頼するメリット

養育費減額請求調停を弁護士に依頼するメリットはこちらです。

  • 調停委員や相手も納得のいく交渉で応じてもらいやすくなる・早期解決が見込める
  • 自分に代わって交渉・立証・主張を行ってくれる
  • 平日に行われる調停に代理で出席してもらえる
  • 必要な書類の作成から注意点などの法的な助言が受けられる

特に、相手が弁護士を立ててきた場合は、あなたも依頼したほうがよいでしょう。

弁護士に依頼した場合の弁護士費用相場

養育費減額請求調停を弁護士に依頼した場合の弁護士費用の相場は、着手金・報酬金で40~50万円程度とされています。

ただし、各弁護士事務所によって料金体系が異なり、着手金が0~40万円、成功報酬が獲得した経済的利益の10~20%などの事務所もあります。

上記の着手金・報酬金以外にも、以下の料金が生じることもあります。

相談料

0~5,000円/30分

実費

収入印紙などの調停手数料や弁護士の交通費

日当

各事務所により異なる

1日/1~2万円程度

いずれにしても、相談時や依頼前に必ず料金を確認しましょう。

養育費が養育費算定表の基準よりも高い場合は、弁護士に相談することで支払うべき養育費を減額できる可能性があります。

一度弁護士に無料相談できる相談先を探して、相談してみましょう。

弁護士費用を抑える方法

弁護士費用を抑える方法の1つは、法テラスを利用することです。

収入が一定以下など、法テラスの条件を満たしていれば、無料相談や弁護士費用立替え制度を利用でき、安価に弁護士へ依頼することができます

また、当サイト『あなたの弁護士』でも、『無料相談を受けつけている』弁護士や、『休日・平日19時以降相談可能』『法テラスに対応』している弁護士を掲載しています。

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まとめ

どうしても養育費を支払う余裕がないのであれば、まずは相手に相談してみるのがよいでしょう。

勝手に支払いをやめてしまうと、ある日突然内容証明が送付されたり、給料が差し押さえられたりする恐れがあります

養育費の差し押さえでは、相手が取り下げない限り、子供の成人まで延々と給料を差し押さえられることになります。

離婚後も養育費や面会交流、子供のことに関して気軽に連絡のできる関係を築けることが、子供にとっても理想です。

できれば相手にも譲歩してもらい、積極的に面会交流を行うなどしてほしいですよね。養育費減額請求調停で、それを主張してみてもよいでしょう。

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この記事を監修した弁護士
弁護士法人未緒法律事務所
原口 未緒
自身も3回の離婚を経験。その経験を活かし、『円満離婚弁護士』として、数々の離婚問題を解決。『終わり』ではなく、『スタート』としての離婚を目指して、奮闘している。

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編集部

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