モラハラ夫が離婚してくれない|「助けて」から離婚成立へと導く術

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弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤 康二
監修記事
モラハラ夫が離婚してくれない|「助けて」から離婚成立へと導く術

「モラハラ夫が離婚してくれない」そんな悩みを抱えてはいませんか?モラハラ夫は、粘り強く話し合いをしても離婚を成立させることは難しい場合がほとんどです。そのため、モラハラを立証する証拠を集めて、離婚調停や離婚裁判に持ち込むことが大切なのです。

もし、この記事を見つけたあなたはおそらく、夫に離婚を持ちかけてもまともな話し合いにならず、暴言や傷つくような態度に我慢し続けていることでしょう。

あなたには幸せになる権利があります。ここで、悪い状況を断ち切り、あなたらしい人生を歩む一歩を踏み出してみませんか?今回、離婚してくれないモラハラ夫と離婚するために必要な知識として、今すぐできる対処法や離婚方法や注意点などをまとめました。

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今すぐできる|離婚成立を念頭においたモラハラ夫の対処法

まずは、今すぐできるモラハラ夫の対処法を確認しましょう。離婚成立は、すぐにできるとは限りません。ましてや、離婚してくれないモラハラ夫、手ごわい相手なのは間違いないことです。確実に離婚成立を目指すためには、適切な対処がとても大切なのです。

【法律Q&A】夫のモラハラに対する慰謝料の相場はどれくらい?

別居に向けた準備をする

まずは、物理的に相手と距離をとる準備をしましょう。つまり別居です。実家を頼れる人は戻るのがおすすめです。あなたを守ってくれる家族がいることや、金銭面的な負荷が軽減されるメリットがあります。

もし、実家を頼れない場合は、お金を貯めて別居に向けた準備をしましょう。さらに、パートでも良いので、一定額の収入源を確保する準備も並行して進めておくことをおすすめします。

調停の申立てをする

話合いを持ちかけても基本的に応じてもらえない場合は、協議離婚での離婚成立は難しいでしょう。踏み出すのに勇気がいるかもしれませんが、モラハラ夫との離婚は調停や裁判で成立を目指すことが賢明です。思い切って、家庭裁判所に離婚調停を申し立てるのも十分ありです。

弁護士に相談する

調停を申し立てると言っても何をすれば良いか分からない一人でモラハラ夫を相手に離婚請求するのは不安という方は、法律のプロである弁護士に相談し、適切なアドバイスをもらった上で行動に移すのがおすすめです。

モラハラ夫と離婚する方法|弁護士に依頼すべき理由

ここで、モラハラ夫と離婚する方法についてご紹介します。まず、離婚してくれないモラハラ夫と本当にさよならするためには、以下の方法が有効だと言えます。

  • モラハラ夫より立場が上の人や逆らえないであろう人に離婚の仲介依頼をする
  • 夫に別れさせたいと思わせる行動を起こす
  • 弁護士に依頼して離婚手続きを行う

ちなみに、離婚を成立させる方法は、協議離婚・調停離婚・裁判離婚の3つがあります。もし、上記に挙げた、モラハラ夫と離婚するために有効な方法を、3つの離婚方法に当てはめると以下のようになります。

協議離婚

  1. モラハラ夫より立場が上の人や逆らえないであろう人に離婚の仲介依頼をする
  2. 夫に別れさせたいと思わせる行動を起こす
  3. 弁護士に依頼して離婚手続きを行う

調停離婚

3.弁護士に依頼して離婚手続きを行う

裁判離婚

3.弁護士に依頼して離婚手続きを行う

1や2で挙げた方法で離婚成立させるのは協議離婚の場合です。話し合いだけで確実に離婚成立できるのであれば問題ありませんが、万が一納得しなかったときの対処をはじめから練り直さなければなりません。

そのため、調停離婚や裁判離婚へと発展することを想定して準備を進めるならば、弁護士に依頼しておくのが得策だと言えます。

協議離婚

ここで、3つの離婚方法が具体的にどんなものなのか確認しておきましょう。協議離婚とは、夫婦で話し合い離婚を成立させることです。約90%の夫婦が協議離婚で成立させていると言われています。しかし、離婚してくれないモラハラ夫が相手であれば、調停離婚や裁判離婚を検討するのが賢明です。

調停離婚

調停離婚とは、家庭裁判所の調停員が双方の主張を聞き、離婚が妥当かどうか判断してもらう方法です。第三者が介入することで、離婚に向けた具体的な話ができる可能性が高まります。

調停離婚

ただし、夫婦の合意がなければ離婚成立にはならないため、弁護士に依頼し準備を整えた上で臨むことが大切です。

裁判離婚

裁判離婚

裁判離婚とは、裁判官が離婚の判断が適切かどうかを決める方法です。判決が出た場合、夫婦のどちらかが納得していなくても離婚成立となります。

【モラハラを理由に夫と離婚する際に根拠となる法律|民法770条】

(裁判上の離婚)

第七百七十条  夫婦の一方は、次に掲げる場合に限り、離婚の訴えを提起することができ

五  その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき

引用元:民法

モラハラ夫との離婚を弁護士に依頼すべき理由|協議離婚は難しい

モラハラ夫との離婚で弁護士に依頼すべき理由、それはどんな状況に陥っても、適切に対処しながら離婚成立を目指せることでしょう。例えば、協議離婚で話がまとまらなかった場合、調停離婚への手続きや準備を先導で進めてくれます。

離婚に応じないモラハラ夫を相手にする訳ですから、協議離婚での解決はあまり現実的ではないと言えます。調停や裁判を見据えて離婚準備をするためにも、弁護士に依頼しておくのが良いでしょう。

費用相場

以下に、弁護士に依頼した場合の費用相場をまとめました。

相談料 30分 5,000円程度
着手金 20~60万円程度
成功報酬 離婚成立に対する報酬:20万円程度養育費や慰謝料など獲得した報酬額の10%前後
実費 1万円~5万円程度

モラハラ夫との離婚で後悔しないために必要な知識

モラハラ夫との離婚で後悔しないために必要な知識

モラハラ夫との離婚で後悔しないために必要な知識として、5つのことを以下にまとめました。いざというとき、あなたの役に立つかもしれません。

モラハラを立証する証拠は自分でもできる限り集めておく

確実に離婚成立させるためには、夫のモラハラを立証しなければなりません。以下に証拠を集める方法をいくつか挙げてみました。できるものからで構いません、ぜひ今日から実践してみてください。

  • 夫が壊したものがあった場合は保管しておく、またその状況を写真に撮っておく
  • ICレコーダーなどで夫の暴言を録音する
  • LINEのトークにモラハラ文言が含まれていた場合はその内容を保管しておく
  • モラハラが原因で精神が病んだことを示す医師の診断書をもらいに行く
  • モラハラに関する相談機関に連絡した内容や履歴を残しておく

夫と別居中で生活が苦しい場合は「婚姻費用分担請求」調停を検討する

夫と別居をしたが、収入が低いまたは収入源がないために生活が苦しいというケースも想定できます。そのときは、婚姻費用分担請求の調停を起こすことをおすすめします。

慰謝料・養育費などのお金に関する問題

モラハラ夫は、仮に離婚に応じたとしても慰謝料や養育費の支払いを拒否する可能性が考えられます。離婚ができたからといって、慰謝料や養育費を諦める必要はありません。

子供がいる場合|親権や監護権の獲得について

もし、夫婦の子供がいる場合、親権や監護権を獲得したいと思うのではないでしょうか。一般的に母親が有利と言われていますが、確実に権利を獲得するためには、この部分についてもしっかり準備しておくことが大切です。

離婚協議中に控えるべき行動

離婚協議へと進展したとき、相手はあなたに対して数々の暴言を吐いてくる可能性があります。しかし、夫のモラハラには絶対に応戦してはいけません。冷静かつ、事務的な対応で臨むことを心がけましょう。

モラハラ夫との離婚が成立した過去の裁判例

モラハラ夫との離婚が成立した過去の裁判例

従順な妻となるように強要した夫に慰謝料250万円の支払い命令

夫とその父は妻に対して、20年以上もの間「古風で従順な妻でいろ」と強要していたそうです。裁判では、夫とその父の非が認められ、妻に慰謝料250万円を支払うように命じられています。

【東京地判 平成16年12月27日 判例秘書05935279】

心無い発言を繰り返した夫に慰謝料250万円の支払い判決

夫は、妻に対して10年以上もの間、心無い言葉を浴びせて続けていました。裁判では、長い間、妻がモラハラ被害を受けていたことが認められ、慰謝料250万円の支払いが命じられています。

【東京地判 平成17年3月8日 判例秘書06030953】

侮辱的な振る舞いを続けた夫に350万円の慰謝料支払いの判決

元々は、夫の不貞行為が原因で離婚裁判へと発展した裁判例でした。しかし、判決の決め手に、夫のモラハラが挙げられ350万円の慰謝料支払いが命じられたのです。妻に対する夫の態度が、裁判員の心証に影響を与えたのかもしれません。

【東京地判 平成17年5月13日 判例秘書06031839】

モラハラ夫との離婚に精通した弁護士を探すポイント

離婚してくれないモラハラ夫に立ち向かうためには、離婚問題に精通した弁護士を探すことがポイントです。選び方で注意すべき3つのポイントについて以下にまとめました。

モラハラに関する知識に長けている

弁護士経験が長くても、モラハラを知らない離婚問題の対応経験が少ないならば、依頼すべきではありません。少なくともモラハラがどういうものか理解している弁護士に依頼しましょう。

離婚問題の対応実績が豊富な弁護士

弁護士歴の長さより、離婚問題の対応実績が豊富かどうかを基準に選びましょう。離婚問題に特化した弁護士事務所もたくさんありますから、そのようなところに相談・依頼するのがおすすめです。

あなたの話を親身に聞いてくれる弁護士

あなたの話を親身に聞いてくれる弁護士かどうかも大切なポイントです。あなたが置かれている状況をしっかりと聞き入れた上で、解決策を提示してくれる弁護士に依頼しましょう。

まとめ

離婚してくれないモラハラ夫との生活に終止符をうつためには、あなたの思い切った行動が必要です。離婚の話し合いがまとまらない場合は、弁護士に相談する、別居に踏み切るなどの行動を起こしましょう。きっと、「あのとき行動しておいて良かった」と思えるときがくるはずです。

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この記事を監修した弁護士
弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤 康二
アンダーソン・毛利・友常法律事務所を経て2014年8月にプラム綜合法律事務所を設立。企業法務から一般民事、刑事事件まで総合的なリーガルサービスを提供している。第二東京弁護士会所属。

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編集部

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