痴漢の現行犯で逮捕されるケースと逮捕された場合の対処法

痴漢の場合、現行犯逮捕されるケースが多くみられます。これは、痴漢が物的証拠がほとんどなく、現行犯以外での逮捕が難しいためです。

ただ、現行犯逮捕であるから必ずしも犯罪を行ったということにはならず、冤罪の可能性もあります。

そこで、痴漢で現行犯逮捕されてから起訴までの流れと対処法、冤罪の可能性についても説明したいと思います。

痴漢で現行犯逮捕されるケース

痴漢は物的証拠が少ない犯罪であり現行犯以外での逮捕が難しいといわれています。ここでは現行犯で逮捕されるケースについてお話します。

痴漢の目撃証言などがあった場合

満員電車などで被害者や周囲の人間から痴漢を目撃したと証言され、逮捕に至る場合です。

例えば、痴漢の被害者から『痴漢である』と指摘され、その場にいた人たちに取り押さえられた場合、その時点で現行犯逮捕がなされたことになります。

痴漢行為をして逃走し逮捕された場合

電車内で痴漢であると指摘され、逃走したところを駆け付けた駅員によって取り押さえられたという場合は、その時点で現行犯逮捕されたと見ることができます。

なお、このときは逃げ切ったとしても、監視カメラの映像などから後日通常逮捕されてしまうこともあります。

現行犯逮捕は一般人も可能

上記でお気づきになったかもしれませんが、現行犯逮捕は警察官以外も行うことができます。私人逮捕という言葉を聞いたことがありませんか？

目の前で犯罪が起きた場合は、一般の方(私人)でも現行犯逮捕ができると刑事訴訟法で定められているのです。

痴漢で逮捕され場合の罰則｜何罪になるのか？

痴漢で逮捕された場合、一般的に痴漢は『迷惑防止条例違反」か『強制わいせつ罪』のどちらかに問われます。

迷惑防止条例違反

各都道府県の定める条例が適用されます。被害者の身体に衣服の上から触ったなど、比較的軽度の痴漢に適用されることが多いようです。

強制わいせつ罪

こちらは刑法で強制わいせつ罪を犯した者は『６ヶ月以上１０年以下の懲役』と定められています。

被害者の下着の中にまで手を入れたりするなどの痴漢行為が行われた場合はこちらに該当することが多いようです。

痴漢の現行犯で逮捕された場合の流れ

もし痴漢の現行犯で逮捕されてしまった場合、どのような流れで進んでいくのでしょうか？

逮捕の流れ

基本的にどのような容疑で逮捕されたとしても、次のような流れで進みます。

• 警察による逮捕：最長48時間
• 検察庁への送致：最長24時間
• 勾留：原則10日、延長されると最大20日
• 起訴・不起訴の判断

示談が成立することで不起訴になる可能性もある

示談とは被害者との話し合いのことをいい、被害者と示談が成立しているかどうかは検察官の起訴・不起訴の判断に大きく影響します。

検察が不起訴の判断をすれば、身柄が拘束されていた場合はその時点で釈放されますし、刑事裁判を受けることもありませんので前科もつきません。

痴漢現行犯ではなくとも後日逮捕の可能性があるケース

痴漢をしたが逮捕されなかった場合、後日痴漢が発覚して逮捕されることはあるのでしょうか。

被害届が受理されていた場合

被害者が警察に被害届を提出したり、犯罪について告訴をしたりした場合、警察は事件として立件し、捜査します。

結果、以下のような場合に後日通常逮捕されるということはあり得るでしょう。

後日逮捕される例

• 痴漢行為や痴漢であると指摘されて逃走する姿が防犯カメラに映っていた
• 複数の目撃者から詳細な目撃供述がされた。
• 痴漢と指摘されて逃走する際に残置した物品(定期券や身分証)から身元が発覚した。

などの例が挙げられます。

もし、上記のような場合に該当するかもしれないと思う場合、早めに弁護士に相談して対応を検討した方がいいかもしれません。

もし痴漢が冤罪だった場合は

冤罪とはやっていない犯罪事実について嫌疑を受けてしまうことです。

冤罪はあらゆる犯罪についてあり得ますが、痴漢といわれると冤罪という言葉を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。

もし冤罪であるならば「自分はやっていない！」ということをしっかり伝えましょう。少しでも認めてしまえば後々あなたの立場が不利になります。

まとめ

女性にとって痴漢は恐怖を感じ、また許すこともできない犯罪かと思います。

しかし、男性にとっても冤罪は身近なものであり、自分の日常を壊してしまう存在です。

もし冤罪で疑われてしまったときや、示談を被害者に求める場合は弁護士に頼りスムーズに解決へと向かえるようにしましょう。