LINE乗っ取りの手口は電話番号?|手口から被害・対処法・対策まで解説

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弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤 康二
監修記事
LINE乗っ取りの手口は電話番号?|手口から被害・対処法・対策まで解説

スマートフォンで連絡を取るさいに、多くの人が利用しているLINEですが、アカウントを乗っ取られる被害が相次ぎました。

乗っ取り犯はLINEのアカウントを乗っ取り、乗っ取られた人を装って知り合いと連絡をとり、金銭の詐取を行うのが目的です。

この記事では電話番号を聞き出すやり方で乗っ取る手口から、乗っ取られるとどうなるのか、対処法から対策まで解説していきます。

「電話番号やSMS認証番号を教えてしまった」という方にも対処法をお教えしますので、ぜひご覧ください。

LINE乗っ取りの手口

LINEは1つの電話番号やメールアドレスにつき1つのアカウントしか持てません。

現在使用しているアカウントがあっても、他人があなたの電話番号と“SMS認証番号”を不正入手し新規でアカウント作成を行えば、あなたのアカウントの使用者はその他人になってしまいます。

乗っ取り犯は流失したパスワードなどから誰かのアカウントを乗っ取り、今度は友人などを装ってそのアカウントの知り合いへ連絡、言葉巧みに電話番号や“SMS認証番号”を聞き出し、また違う他人になりすますという手口で広がっていくのです。

なりすましや詐欺の手口
LINE乗っ取りの手口
乗っ取り犯の狙いは金銭の詐取、あるいは新しく乗っ取るための“SMS認証番号”です。実際に起きた乗っ取りのケースをご紹介しましょう。

電話番号を聞き出す手口で乗っ取る

下記の画像はLINEの公式サイトによる、乗っ取り犯の手口を紹介したものです。ある日突然知り合いから下記のようなメッセージが届きます。

LINE公式ブログ|【注意】 SMS認証番号を聞き出す詐欺にご注意ください

引用元:LINE公式ブログ|【注意】 SMS認証番号を聞き出す詐欺にご注意ください

内容は「自分のアカウントが凍結されたので、何名かの友達の携帯検証で凍結を解除しないといけない。携帯の電話番号を教えてほしい。」といったものです。

ここで電話番号を教えると、自分の携帯電話に下記のような“ショートメール”が届きます。

LINE公式ブログ|【注意】 SMS認証番号を聞き出す詐欺にご注意ください

引用元:LINE公式ブログ|【注意】 SMS認証番号を聞き出す詐欺にご注意ください

上記にある4ケタの番号が“SMS認証番号”です

“SMS認証番号”は新規でアカウントを作成する際に必要となるものです。乗っ取り犯はあなたになりすますために、この番号を教えてほしいと要求してきます。

つまり、あなたに要求した電話番号とこの“SMS認証番号”で、あなたのアカウントを新規で作り、なりすまそうとしているということです。

もしこの“SMS認証番号”を教えてしまった方は「“SMS認証番号”を教えてしまった場合」をご覧ください。

SNSからも送られてくるケースがある

上記のように「アカウントの凍結を解除するために、あなたの電話番号とSMS認証番号を教えてほしい」と言われると、つい応じてしまいますよね。これが電話番号からアカウントを乗っ取る手口です。

上記のようにLINEで送られてくる以外にも、Facebookメッセンジャーで送られてきたケースもあります。

利用しているSNSやサイトなどで同一のメールアドレスとパスワードの組み合わせを使い回しているために、サイトやアプリに侵入されたことが原因です

乗っ取られたらどうなるのか

“SMS認証番号”まで教えてしまい、乗っ取られるとどんなことが起こるのでしょうか。

ここでは乗っ取られた場合の状態と、乗っ取られた後どうなってしまうのかを解説していきます。

乗っ取られた場合の状態

“SMS認証番号”まで教えてしまった場合はすぐにスマートフォンからLINEアプリを立ち上げてみてください。LINEにログインできた場合はまだ乗っ取られていませんので、パスワードを変更しましょう。

もしLINEにログインすることができなかった場合下記のような画面が表示されます。

LINE公式ブログ|【注意】 SMS認証番号を聞き出す詐欺にご注意ください

引用元:LINE公式ブログ|【注意】 SMS認証番号を聞き出す詐欺にご注意ください

この場合、乗っ取り犯が新規アカウントの作成に成功し、あなたのアカウントが乗っ取られてしまったということです。

すぐにLINEの公式サイトにある問題報告フォームより通報を行って下さい

LINE問題報告フォーム:https://contact.line.me/detailId/11242

大量のショートメールが届くかもしれない

もし乗っ取られた場合、乗っ取り犯はあなたがログインして自分のアカウントを取り返せないようにするかもしれません。

“SMS認証番号”はアカウントの情報を変更するさいにも発行されることがあります。

しかしそれが大量に発行された場合、不正なアカウント変更などと認識され、ログインや新規でのアカウント作成ができなくなるようです。

乗っ取り犯はそれを悪用し、“SMS認証番号”が大量に送られるよう仕向けるかもしれません。

もしあなたの携帯電話に“SMS認証番号”が記載されたショートメールが大量に届いたとすれば、それはアカウントを乗っ取られた可能性があります。

乗っ取られた場合の被害

乗っ取られると次の被害が考えられます。

  1. LINEを使用できなくなる
  2. あなたの友達に詐欺行為を行う
  3. ひととおり詐欺を行ったらアカウントを削除する

また犯人が乗っ取ったのはLINEのアプリだけなので、携帯電話本体を乗っ取られたりはしません。

友達に詐欺行為を働く

あなたのアカウントを乗っ取った犯人は今度、あなたになりすまし、あなたのアカウント内に表示される“知り合いかも?”を頼りに、あなたの友達たちに詐欺を働くでしょう。

下記の画像のようにあなたを装い、「急ぎでお願いがある」「プリペイドカード(あるいはiTunesカードやギフトカードなど)を購入して、番号の画像を送ってほしい」などと頼みます

LINE公式ブログ|【注意】 SMS認証番号を聞き出す詐欺にご注意ください

引用元:LINE公式ブログ|【注意】 SMS認証番号を聞き出す詐欺にご注意ください

乗っ取り犯が要求する番号は電子マネーのようなものなので、番号やコードがわかれば購入した本人でなくとも使用できてしまうのです。

何も知らない友達は騙されてしまいますし、あなたはアカウントやデータを失うだけではなく、信用も失ってしまうかもしれません。

最終的にアカウントを削除される

ひととおり詐欺行為を行った乗っ取り犯は、不要になったあなたのアカウントを削除するでしょう。

削除されたとしても、同じ電話番号でアカウントを再取得することはできますが、新規での作成となるので過去のデータはすべて消えてしまいます。

つまり過去のトーク履歴や無料スタンプ、LINEと紐づいているLINEのゲームアプリのデータなどがすべて消えてしまっており、元に戻すことはできません。

また、有料スタンプだけは無料で再取得が可能です。

過去のトーク履歴は見ることができない

新規アカウントになると過去のデータはすべて消えてしまいます。

乗っ取り犯がスマートフォンからのアクセスで新規のアカウントを作った場合は、乗っ取る前のトーク履歴を見ることはできません。個人情報が流失することがない点だけは安心できます。

SNSも乗っ取られる?

もし、LINEに登録しているのと同じメールアドレス・パスワードの組み合わせで他のSNS(TwitterやFacebookなど)やサイトを利用しているのであれば、なりすまされる可能性があるでしょう。

また下記の画像のようにFacebookからLINEを乗っ取ろうとした事例も存在しています。

LINE公式ブログ|【注意】 SMS認証番号を聞き出す詐欺にご注意ください

引用元:LINE公式ブログ|【注意】 SMS認証番号を聞き出す詐欺にご注意ください

同一のメールアドレスとパスワードの組み合わせでアカウントを作っているSNSはパスワードを変更し、同一の組み合わせを使い回さないように注意してください。

電話番号を教えてしまった場合と対処法

もし友達からきたLINEのメッセージに、電話番号を教えてしまった場合どうしたらいいのでしょうか。

ここでは電話番号を教えてしまった場合と対処法をお教えします。

電話番号だけなら乗っ取られない

友達からのLINEに対し電話番号を教えてしまったとしても、問題はありません

新規アカウント作成に必要なのは電話番号と“SMS認証番号”なので、電話番号を教えた後に、自分の携帯電話に届いたショートメールに記載されている4ケタの番号教えなければアカウントが乗っ取られることはないでしょう。

電話番号だけなら乗っ取られない
ショートメールに送られる“SMS認証番号”がこちらです。

LINE公式ブログ|【注意】 SMS認証番号を聞き出す詐欺にご注意ください

引用元:LINE公式ブログ|【注意】 SMS認証番号を聞き出す詐欺にご注意ください

“SMS認証番号”だけは教えないように注意してください。

友達が乗っ取られている場合の対処法

もし不審なメッセージが届いたら、相手は友達を装った乗っ取り犯かもしれません。

その場合該当する友達との『トーク画面』から右上をタップし、『設定』から『通報』を行ってください。

友達が乗っ取られている場合の対処法またすぐに友達などに電話をし、メッセージを送った本人なのか確認しましょう。ログインできないなど乗っ取られているようであればLINEの公式サイトにある問題報告フォームから通報するよう伝えてください。

“SMS認証番号”を教えてしまった場合

“SMS認証番号”を教えてしまった場合、今度はあなたのアカウントが乗っ取られる可能性が高いです。すぐにLINEへログインし、ログインが可能であればパスワードを変更しましょう。

パスワードの変更方法は、LINEから右下の『その他』をタップし、右上の『設定』から『アカウント』を選びます。『アカウント』から『パスワード』をタップすることで変更が可能です。

“SMS認証番号”を教えてしまった場合自分が乗っ取られた場合の対処法は後述しましょう。

自分が乗っ取られた場合の対処法

もし“SMS認証番号”を教えてしまい、その後LINEにログインできなかった場合は、すぐにLINEの公式の通報フォームから通報を行いましょう。

LINE問題報告フォーム:https://contact.line.me/detailId/11242

通報後は、『LINE』(LINE株式会社)から返信メールが届き、早ければ数時間、遅くとも1週間で乗っ取り犯のアカウントが凍結され、復旧されるようです。

SNSのパスワードを変更する

乗っ取られた場合にしなければならないことは、通報だけではありません。もし同一のメールアドレスとパスワードを使用しているSNS(TwitterやFacebook)などがあれば、すぐにパスワードを変更しましょう。

友達に注意喚起をする

もし自分が乗っ取られた場合はメールや電話、SNSなどで乗っ取られたことを報告し注意喚起を行うことで、被害を減らすことができるでしょう。

乗っ取られないための対策

LINEを乗っ取られてしまうのは同一のメールアドレス・パスワードの組み合わせを複数サイトで使い回したことが原因でした。

パスワードだけでも使い回さず、誕生日などではない英数字を入れた複雑なパスワードを設定する必要があります。

またLINEなどを他のSNSと連動させないことも対策につながります。

もちろん“SMS認証番号”はご家族や親しい友達であっても、必要になることはないので教えるべきではありません

あやしいLINEやメールは無視

もし友達からのメッセージであっても、不審な点があるときは無視したほうがよいでしょう。

乗っ取り犯は、プリペイドカードなどの購入を依頼する、会話がかみ合わない、親しくない間柄なのに親しげに話しかけてくるなどの特徴が見られます。

またLINE以外の手段で本人に確認しましょう。

LINE公式アカウントからの注意喚起を留意

あなたが使用している携帯電話以外から新規でアカウントが作成の作成など不審な動きがあった場合、LINE公式アカウントから下記のようなメッセージが届きます。

LINE公式ブログ|【注意】 SMS認証番号を聞き出す詐欺にご注意ください

引用元:LINE公式ブログ|【注意】 SMS認証番号を聞き出す詐欺にご注意ください

こういったメッセージは誰かが不正に新規アカウントを作成するため、“SMS認証番号”が発行されたことを意味します。すぐに端末でパスワードの変更を行いましょう

この公式からのメッセージは、LINEの公式アカウントが友達として設定されていなくても届く仕組みになっています。

しかしLINEの公式を騙るアカウントも存在しているため、このような通知が来たら、本当に公式アカウントからの通知なのかどうか確認したほうがよいでしょう。

『友だちリスト』から送られてきたLINEの公式アカウントを選択し、下記の画面のように“おすすめ”や“ホーム”が表示されているか確認します。

表示のないものは偽アカウントとなっていますので、無視したほうがよいでしょう。


LINE公式ブログ|【セキュリティ強化】PC版LINE及びLINE ウェブストアにログインすると、LINEに通知が届くようになりました引用元:
LINE公式ブログ|【セキュリティ強化】PC版LINE及びLINE ウェブストアにログインすると、LINEに通知が届くようになりました

乗っ取られないための詳しい対策は、関連記事にて解説していますのでぜひご覧ください。

まとめ

“SMS認証番号”はアカウントの作成や変更を本人が行っているか確認するために、本人に発行されるものです。

あなたに発行された“SMS認証番号”を必要としているのは、乗っ取りが目的な人間だけなので、友達や家族から聞かれることはないでしょう。

もし聞かれても、決して教えないようにしてください。教えてしまった場合はすみやかにLINEの公式フォームより通報しましょう。

出典一覧

LINE公式ブログ

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この記事を監修した弁護士
弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤 康二
アンダーソン・毛利・友常法律事務所を経て2014年8月にプラム綜合法律事務所を設立。企業法務から一般民事、刑事事件まで総合的なリーガルサービスを提供している。第二東京弁護士会所属。

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