家族が痴漢で逮捕された場合の対応|弁護士に依頼する際のポイント

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弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤 康二
監修記事
家族が痴漢で逮捕された場合の対応|弁護士に依頼する際のポイント

「家族が痴漢をして逮捕された」という連絡があった場合、突然のことで冷静さを失ってしまうかもしれません。しかし、冷静に対応しなければ、取り返しのつかない事になってしまう可能性も否定できません。まずは落ち着き、やれること・やるべきことを迅速に行う必要があります。

なお余談ですが、このような電話が突然かかってきたらオレオレ詐欺である可能性も疑った方が良いでしょう。相手が警察を名乗る場合、金銭的要求は絶対にしません。また弁護士を名乗る場合も同じです。もし痴漢の連絡で唐突に金銭的要求がされた場合は、オレオレ詐欺の可能性が極めて高いので、その点は十分気をつけてください。

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痴漢事件についての基礎知識

冷静な対応をする前提として、痴漢事件の基礎知識は知っておいて損はありません。以下、解説します。

逮捕以降の刑事手続きの流れ

「逮捕」とは、捜査機関が被疑者の身柄を拘束する刑事手続です。

逮捕には、通常逮捕(逮捕状による逮捕)・緊急逮捕(緊急時に逮捕状なく行う逮捕)・現行犯逮捕(罪を犯したその場で逮捕状なく行う逮捕)がありますが、痴漢事件の場合は現行犯逮捕が多く、犯行現場を目撃した被害者や目撃者に取り押さえられて逮捕されるのが一般的です。

逮捕された場合、48時間以内に検察庁に送致され、送致を受けた検察庁は24時間以内に勾留請求の要否を判断します。

勾留された場合、原則最大10日、仮に延長された場合は最大20日の身柄拘束を受けます。勾留期間満期までに、検察官は起訴・不起訴の判断をします。不起訴となれば、実質お咎めなしで釈放されますが、起訴されれば被告人として刑事裁判を受けることになります。略式手続で罰金を支払う場合は即時釈放されますが、正式裁判で起訴されれば保釈されない限り判決まで釈放はありません。

被疑者との面会について

逮捕された被疑者に会うためには、警察署で「面会」を申し込む必要があります。家族による面会ができるようになるのは、勾留が決定したあとです。

警察署での面会は、警察署のルールに従う必要があり、面会時間は平日の執務時間内に限られます。面会可能な人数にも制限があるので、他の人間が面会していればたとえ家族でもその日は面会ができないこともあります。また、取調べ中で面会できない場合もありますので、面会に行く際は事前に警察署に問い合わせてから訪ねるとよいでしょう。

日常生活への影響

痴漢事件で逮捕されたからといって警察から会社に連絡があることはありません。しかし、逮捕・勾留され、身柄拘束が長引いて長期欠勤をすれば、会社に説明せざるを得なくなることもあります。

痴漢事件で逮捕されたことが直ちに解雇理由となるわけではありませんが、事実上退職を余儀なくされるということは少なくないと思われます。

被害者との示談

ここでは、被害者との示談について解説していきます。

示談の意味

刑事事件における示談とは、被害者と加害者が話し合いにより和解することです。

被害者のいる刑事事件では、示談が成立したことは被疑者・被告人に有利な事情として斟酌されます。そのため、示談成立について重視した検察官が「敢えて身柄拘束をする必要がない」として、即時釈放の措置をとることもありますし、最終的に事件を起訴しないこともあり得ます。

そのため、逮捕後速やかに被害者との間で示談が成立すれば、身柄拘束期間が短く、日常生活への影響を最小限に抑えられる可能性があります。

示談は弁護士を通じて行うのが通常

示談交渉は弁護士を通じて行うのが通常です。痴漢事件の場合、被害者の被害感情が強く、加害者側との接触を嫌がるケースが多いです。

そのため、加害者側は被害者の連絡先や住所の情報さえ手に入らないことも多く、弁護士に依頼する必要性は高いと思われます。

弁護士への依頼ルート

痴漢で逮捕されてしまった場合、被疑者本人は警察署で「弁護士に相談したい」と希望を伝えれば、すぐに当番弁護士との接見を手配してくれます。接見した当番弁護士が信頼できそうであれば、そのまま私選弁護を依頼することも可能です。また、被疑者は勾留されれば必ず国選弁護人が尽きますので、国選弁護人に事件処理を依頼することも可能です。

なお、家族は別途、インターネットで検索するなどして弁護士に頼むことも可能です。この場合は私選弁護を依頼することになるでしょう。刑事事件を依頼可能な弁護士の種類については、詳しく解説している関連記事をご覧ください。

痴漢で弁護士に依頼した場合の弁護士費用相場

刑事事件の弁護士費用の相場は60万円~100万円です。ただし各事務所によって料金設定は異なりますし、痴漢冤罪など否認している場合はそれだけ値段が高くなることも考えられます。

良い弁護士を見極める7つのポイント

弁護士を選任する重要性はわかったものの、いざ依頼するとなったら、どんな弁護士に相談すればよいのでしょうか。刑事事件を依頼する弁護士を見極めるポイントは以下の7つです。

  1. 刑事事件の実績が豊富にある
  2. 対応が早い
  3. 具体的な行動方針が説明できる
  4. 質問に対して的確な回答ができる
  5. リスクについても説明してくれる
  6. 示談交渉が得意
  7. 相性が良い弁護士

もっとも重視すべきは、刑事事件を担当した実績がある弁護士です。例えば「不起訴〇件」や「痴漢事件担当経験あり」など、具体的な実績のある弁護士を選ぶのが望ましいでしょう。また、刑事事件に注力している弁護士であれば、おのずと素早い対応をしてくれます。上記のポイントを総合的に判断して、相性の良い弁護士を選びましょう。

まとめ:家族が痴漢で逮捕された場合にあなたにできること

あなたにできることは、まずは冷静になって早いタイミングで逮捕されている家族と面会することです。

面会して事実関係をよく聞いた上で今後の対応を検討しましょう。もし逮捕直後で面会ができない場合は、インターネットで弁護士を検索して接見だけでも行ってもらうという対応もあり得ます。刑事事件は今後の人生を左右しますので、冷静かつ慎重に対応しましょう。

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この記事を監修した弁護士
弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤 康二
アンダーソン・毛利・友常法律事務所を経て2014年8月にプラム綜合法律事務所を設立。企業法務から一般民事、刑事事件まで総合的なリーガルサービスを提供している。第二東京弁護士会所属。

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編集部

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