財産粗続の有効性
私は3人姉妹の次女です。
姉は婿養子を迎え家を継ぎました。
妹と私は結婚して家を離れました。
20年ほど前に父が亡くなりました。
その後、長女の夫(義兄)と私と妹の3者で相続をめぐっての話し合いをしました。
妹は父の所有していた土地の一部を相続しましたが、私はそれまでに使わせてもらっていた畑地を引き続き使わせてもらう権利を得る条件で他の相続は放棄しました。
義兄もそれを承認し、落着しました。
しかし、このいきさつは書面にはしていません。
同席していた妹の証言だけです。
しかし、昨年、義兄が、使わせてもらっている畑地を売却すると言い出しました。
私は売らないよう申し入れをしましたが、聞き入れてもらえず、不動産会社を通じて売りに出しました。
この売却を法的に阻止出来るのでしょうか。
また、阻止出来るとしたらどのような手続きが必要なのでしょうか。
相談者(ID:2868)さん
弁護士の回答一覧
20年ほど前に亡くなられたお父様の遺産分割について話し合いをした結果、ソックス様は「畑地を引き...
そして、引き続き畑地を使わせてもらうに当たって、土地の使用料(地代)を支払っていなければ、結局、ソックス様は義兄夫婦の相続した土地についての使用借人だったということになるかと思います。
使用貸借について、民法593条には「使用貸借は、当事者の一方が無償で使用及び収益をした後に返還をすることを約して相手方からある物を受け取ることによって、その効力を生ずる。」と規定しています。そして返還の時期について特に合意をしていなかった場合でも、民法597条2項に「当事者が返還の時期を定めなかったときは、借主は、契約に定められた目的に従い使用及び収益を終わったときに、返還をしなければならない。ただし、その使用及び収益を終わる前であっても、使用及び収益をするのに足りる期間を経過したときは、貸主は、直ちに返還を請求することができる。」とも規定してるのです。
つまり、お父様の生前から使わせてもらっていたわけですから、その期間も含めて考えると20年以上にもなるわけで、義兄夫婦からすれば「もうそろそろお返し頂いてもよろしいのではありませんか」という思いなのだと思います。で、返してもらえることを前提に売却しようというわけでしょう。
ですので、ソックス様が売却を阻止しようとするのであれば、まだ自分がその畑地を無償で借りて使用し続けることになった目的を達成するにはまだ充分に期間が経過したとは言えないと主張して、義兄夫婦を納得させなければなりません(訴訟にするときには裁判所を納得させる必要があるということです。)
この点、その土地上に住居を建てて、今も居住しているし、今後も引き続き居住しなければならない、今、住居を取り壊して転居を余儀なくされるのは納得できないというようなケースであれば、20年以上経過していても、なお時期尚早であると判断してもらうことも、充分期待できるかと思いますが、住居ではなくて畑としての使用ですので、なかなか困難な案件であることは覚悟しなければならないかと思われます。
ともあれ、粘り強く交渉すれば道が開かれるかも知れません。
最寄りの弁護士の法律相談を受け、必要に応じ、交渉のための代理人になってもらうべきでしょう。
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