特別受益分の持ち戻しと範囲について
お世話になります。3点お聞きしたいことがあります。
先月父(独身)が亡くなり、遺言書に指定された相続人は「親友、交際女性、私、弟」の4名でした。
父名義の預金が5千万ほどあることが分かりましたので4等分する方向で話を進めていますが、その際に各々の「特別受益分」は遺産総額に持ち戻してほしいと考えています。
(1)弟は私立の医学部を卒業した一方、私は在学中も給付金の出る大学を卒業しており、要した学費に数千万の差があります。今回、この差を弟の特別
受益分としていくらか持ち戻して欲しいと考えています。学費は20年以上前の話ですが、この要望は法的に適切なものでしょうか。
(2)この話が適切だとして、遺産総額に持ち戻して親友、交際女性にまで分割する話ではさすがにないと思います。この場合、どのような方法、順序が適切なのでしょうか。
(3)一方で、親友や交際女性が父から受けていた支援は、どの辺りまでが持ち戻し対象となりますでしょうか。
交際女性は内縁の妻ではなく同居もしておらず友達のような関係のようですが、定期的に生活費の支援を父から受けていたようです。また、名義は彼女ですが父が一部お金を出して購入したマンションに住んでいますが、いずれも話で聞いているだけで、父の出資の明確な証明は難しいとも考えています。
相談者(ID:)さん
弁護士の回答一覧
1 持戻ですが,学費についても持戻を考量した審判例があります。 もっとも,遺言書があるので...
もっとも,遺言書があるのであれば関係者全員の同意がない限りは,遺言書記載以外の方法で分けることはできません。
つまり,持ち戻しを考慮することはできません。もし,できるとすれば,遺留分という方法になります。
2 交渉方法ですが,
ア)遺留分という方法であれば,質問者様と弟との間の話ですので,例え,法的手続きになったとしても,その他の方には関係ありません。
イ)もっとも,相続人全員の同意のもと遺言書の記載と異なる内容で合意する場合,つまり持ち戻し免除をを求めていく場合は,交際女性も一緒に話し合う必要はあるでしょう。
3 親友・交際女性について持戻免除が認めらるケースはありますが,ケースバイケースです。
どの程度というのは,一概には申し上げられませんが,もらっていた人(親友・交際女性)が受けていた贈与だけではなく,質問者さんが受けていた贈与も考慮されるでしょう。弁護士回答の続きを読む
弟が私立の医学部を卒業し、ご質問者は給付金の出る大学を卒業され、ご兄弟の間に学費について大きな...
なお、特別受益が問題となるのは、相続人に限定されますから、親友の方や交際女性については、特別受益という概念自体が適用されないと考えられます。
ただ、交渉の段階ですから、親友の方等が、すでに生前にもらっている金額があるのであれば、当該金額を差し引いて考えていただく等の要請は可能なのではないでしょうか。弁護士回答の続きを読む
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