相続人の一人が、被相続人に返さないままであったお金は特別受益と認められますか。
特別受益について、法律の一般書籍で調べたところ、
被相続人から相続人への生前贈与があったことを立証できれば
特別受益が認められるとされています。
生命保険金や、求償権の放棄なども認められることがあると
書いてあります。
こうした趣旨を考えれば、
相続人のうちの一人(A)が本来被相続人に返すべきであったお金
(預かったままであったお金)を
返す機会がないまま被相続人が亡くなってしまった場合は、
生前贈与と同等にAの生計に貢献したといえると考えられます。
ならば、他の相続人Bは、Aの特別受益を主張できるのではないか
というのが私の疑問ですが、
こうしたことが認められた判例はこれまでにあるのでしょうか。
それとも、こういった前例はなく、全く判例も存在しないのでしょうか。
私が直面している件は、被相続人、相続人2人(AとB)ともに兄弟なので
長年の兄弟関係の中で、こうしたケースはどこにでもよくあることだと思います。
前例が全くないならあきらめなければならないのかな、
と思っています。
回答していただきますよう、お願いいたします。
相談者(ID:20680)さん
弁護士の回答一覧
いや、むしろ被相続人の預金返還債権についても相続がされたと考えるべきです。 つまり、Aさん以...
つまり、Aさん以外の相続人がそれぞれ自分の相続分の割合で算定された債権額をAに対して支払うよう請求出来るわけです。
Aさんについては、自分の相続分の割合の金額分については、被相続人の債権を相続したと同時に自分が債務者でもあるというわけで、債権者の地位と債務者の地位とが混同してしまうため、結局、自分が相続した限りでは預け金は返還しなくてもよいことになるのです。
従って、Aさんにお金を預けたのが10年以上も前のことであれば、預け金の返還を求める権利は消滅時効にかかっているということになるので、Aさんはもらい得になってしまいますが、それは仕方のないことです。
ただその場合でも、お考えの通り、特別受益であると看做した上で、預け金相当額を贈与を受けた財産と同視して持ち戻し計算をするという解決をすることも、相続人間で同意ができれば可能です。弁護士回答の続きを読む
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