大学の学費は特別受益に当たるのか。
私の母の話です。私の祖父が死去した際の遺産相続について、お聞きしたいことがあります。
私の母は4人兄弟の長女です。
母は、母の父(私の祖父に当たる人)から女は大学に行かずに高校卒業後は就職しろといわれ、そうせざるを得ませんでした。母は、成績優秀で難関大学に十分進学できるほどだったようですが、金銭面の問題で進学を諦め、実家に近くで就職しました。私の祖父は非常に古風な考えをもっており、女には学費をかけない教育方針だったようです。母の弟たち3人は、全員私立の大学(年間120万円ほどかかる大学)に進学し、それぞれ東京等で一人暮らしをして、生活費をすべて仕送りしてもらっていて、自分では支払わなかったといいます。加えて、高校についても母は公立でしたが弟たちは私立でした。
家計状況を考えても当時の母の大学費用も払えるくらいの余裕はあったと思います。弟たちに学費を少しでも残せという家の考えで大学進学を諦めた母と、すべての学費を払ってもらった弟たちで平等に遺産分割をすることに対して私は疑問に思います。
弟たちは学費等は考えずに平等に分割をしたいと主張しています。しかし私はそれに納得がいきません。
母と、弟たちにかかった学費の差を祖父の遺産分割の際に考慮することは可能でしょうか。弁護士の方に依頼することで解決できるような問題でしょうか。
よろしくお願いします。
相談者(ID:18937)さん
弁護士の回答一覧
あなたが疑問に思うのはごもっともです。 お母様がおじ様達と比べ、差別的な取り扱いをされていた...
お母様がおじ様達と比べ、差別的な取り扱いをされていたのは明らかです。遺産分割に際してその差別的な取り扱いを少しでも穴埋めすべく調整するのが公平だと思います。
しかし残念ながら、民法にそのような調整を当然のこととするような規定が用意されておりません。
特別受益といって、相続人の中に、特別に、生前に生計の資本となるようなまとまった財産の贈与を受けた者がいるときにそれを相続の先取りとして考慮し調整するという制度はありますが、相続人の中に、殊更ほかの相続人に比べて差別的に不利益に取り扱われた者がいる場合に、ほかの相続人に比べて手厚く相続することを認めて救済しようという制度はないのです。
ですので、おじ様達がお母様により多くの相続をさせることを受け入れようとしないとすれば、あなたのお考えの通りの解決は望めない可能性が高いと思います。つまり弁護士に依頼すれば主張が通るという性質のものではありません。
しかし主張してみないことには何も始まらないわけですし、あなたのお考えはごもっともな正論なのですから、正々堂々と主張し続けるのがよろしいかと思います。
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