遺産分割協議の有効性
父が死去。相続人は母、長男、長女。
平成17年に自身で遺産分割協議書を作成し、不動産全部を長男が相続。
令和1年に家族不仲になり、令和2年に母と長女が結託して分割協議の無効を主張。
名義は変えたが本質的には変えたつもりがない仮装登記である、という主張。
不動産の一部からは賃料収入もあり、これまでもずっと相続を受けた長男が申告や納税等実施していたがその賃料収入も返還要求。
分割協議三名のうち二名が結託して事実をねじ曲げている主張をしている状況で事実を証明できる方法はあるか?
また、どのような対処方法があるかについて相談したい。
相談者(ID:18553)さん
弁護士の回答一覧
不動産につき相続登記をしたということは,平成17年の遺産分割協議書において,妻,長女は,印鑑証...
母らの主張は,あなたを含む3人で虚偽の表示をしたにとどまり,真に不動産をあなたに取得させる意思はなかった,ということになるのでしょうか。あなたがそのような母らの主張を事実だとして認めない限り,母らの主張が裁判所に認められることはないと思います。これとは異なり,母らが,あなたに黙って,心の中で仮装の登記をする,と思っていたのだとしても,あなたがそのことを知っていた又は知りうべき場合を除き,かかる主張は認められません。
「事実を証明できる方法」を質問されていますが,実印を押捺して署名している時点で,遺産分割協議書の内容を承諾した,という母らの意思が推定できます。この場合,「証明」の責任を負うのは,「分割協議の無効」を主張している母らの方です。
仮に,この件が本格的に争われることとなった場合,あなたは,①遺産分割協議書に母,長女の署名押印があることを主張すれば足ります。さらに反論するのであれば,②「仮装登記」を行う理由の不存在,③母らが遺産分割協議後15年も経過してからかかる主張をしていることの不合理性を指摘することもできると思います。
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ご相談の状況では、むしろお母様と長女の方が、事情を納得できるように説明する必要に迫られるものと...
なぜ15年も経ってから、遺産分割協議が無効であると主張し始めたのか、遺産分割協議書の署名押印が偽造されたもので、自分たちの知らないところでねつ造されたものであると主張し、立証に成功するのでない限りは、誰にも相手してもらえないと思います。
またお母様と長女が登記名義が移されていることを認識しているのであれば、それが仮想登記でしかないという主張の根拠も不明です。分割協議が決まらないままであるならば、亡くなられたお父様の名義のままにしておけば良いわけで、何も仮想登記をしなければならないような事情は何もないはずです。
つまり、現状、あなたの方が事実を証明できる方法を考えなければならないわけではありません。
まずはお母様と長女のお手並み拝見ということで受け身の姿勢でいればよろしいかと思います。
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