親の土地に子供が家を建てた場合の相続について

相続
不動産の相続

父の土地に家を建てました。
近々父が公正証書遺言を作成しようとしていますが、残される財産が土地しかありません。

10年前に亡くなった母に半分援助をしてもらい家を建てました。特に土地代は払っていません。
残された財産が土地しかない場合
父は公正証書遺言で亡くなったら土地を3人の兄弟で等分することと残す予定だそうです。

このままこの土地に住み続けるためには何か主張できる権利などありますでしょうか?
他の兄弟から買い取る以外の方法はありますか?

相談者(ID:18109)さん

2020年06月24日

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配偶者であれば配偶者居住権の成立も検討できるところですが、ご相談者様の場合には、遺産分割時に他...

配偶者であれば配偶者居住権の成立も検討できるところですが、ご相談者様の場合には、遺産分割時に他の兄弟から無償使用の合意をとるか、又は土地を他の兄弟から買い取る、もしくは遺産分割後は地代を払い続けることになりそうです。
また、是非お気を付けいただきたい点がございます。
ご相談者様は無償で土地を利用しているため、法律上は土地をお父様から使用貸借していることになります。そうすると、土地に使用借権の負担があることになり、土地の評価額は更地価格の1~3割程度減価されることが通常です。
したがって、お父様の遺産分割時にご相談者様には、この土地の減価分すなわち更地価格の1~3割程度を特別受益として得ていたと他の兄弟から主張されてしまいます。
これを防ぐためには、お父様の生前に持戻免除の意思表示がなされていると特別受益にならないと評価されますので、可能であれば、お父様の遺言内にご相談者様の使用貸借について特別受益の持ち戻し免除の意思表示をする旨の記載を盛り込んでいただけると良いかと存じます。
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依田 敏泰
弁護士(池袋中央法律事務所)

今のうちに、お父様と借地契約を締結して、きちんと地代を支払っていく(年金暮らしであろうお父様へ...

今のうちに、お父様と借地契約を締結して、きちんと地代を支払っていく(年金暮らしであろうお父様への生活援助という意味もかねることができます)ことにするのがよろしいかと思います。
借地権であれば、他のご兄弟にもお父様から土地を借りていたのだから引きつづき、使用し続けることができるはずと主張することができます。
もちろんその際、親子だからと甘えては駄目で、しっかりと賃貸借契約書をしっかりと取り交わして書面化しておくことが肝要です。
また借地権にしておけば、それだけでも、土地の時価の6割から7割に相当する権利は既に確保しているものと考えることができ、他のご兄弟から共有持分を譲り受けるとしても、土地代の3、4割の金額を支払えばよいということになり、買い取ることも容易になります。

それに対して、ただ地代も支払わずにお父様の好意で家を建てさせてもらっただけのまま使用し続けている場合、お父様がご健在である内は、使用貸借契約に基づいて土地を使わせてもらっているということができますが、使用貸借契約は当事者間だけで意味を持つ契約であり、相続人に対してまでは、土地を使わせるよう求める事ができるとはいえませんし、ご兄弟からは、遺言書で敢えて、兄弟3人で等分に相続するとなっているということは、あなただけ1人だけで遺産である土地を使い続けることをお父様も認めない趣旨である、家を建てて土地を利用することを認めているのは、お父様がご健在であることが前提であったと主張される虞があるからです。

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依田 敏泰
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住所東京都豊島区西池袋5-1-6第2矢島ビル4階A室
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相続発生後、土地の持ち分を3分の1ですが取得することになりますので、建物使用のために使用する権利は存続します。現在の父との使用関係が不明ですが、単なる好意で使用させてもらっているだけでなく、無償使用の契約を締結して使用権がはっきりしているなら、相続人が貸主の地位を引継ぎますので、無償で使用し続けることは可能でしょう。単なる事実上の使用許諾である場合は微妙ですが、仮に使用貸借関係が認められない場合には、無償で使用し続ける権利を引き継ぐことはありませんので、地代相当額のうち、他の相続人の持ち分相当について使用量を支払わなければならなくなるでしょう。他の相続人が共有物分割の調停や裁判を起こされた場合には買い取る方向で話を進めなければならなくなると思います。弁護士回答の続きを読む
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お父さんの意思が変わらない場合、他の兄弟が取得された後に対価を支払わず土地を利用し続けるのは難...

お父さんの意思が変わらない場合、他の兄弟が取得された後に対価を支払わず土地を利用し続けるのは難しいでしょう。買い取る他には土地を借りる代金を支払って使用させてもらう方法もあり、低額で合意できるならとりうる選択かと思います。弁護士回答の続きを読む
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