家事代行で問題があった場合の費用負担-お世話になります。

Question

お世話になります。

家事代行で問題が発生した場合、他社に再度依頼し、通常よりもはるかに高い料金となった場合にもとの業者に料金を請求できますか？

A社に浴室掃除を依頼しました。

訪問に来たものの、
「石鹸カスが原因だから酸性の洗剤で自分で洗えばきれいになる」
と言われて、清掃はしなかったので費用は発生しませんでした。

後日、酸性の洗剤で洗ってみたところ、浴室全体が白く汚れてしまいました。

B社に浴室清掃を依頼したところ、
「本来は酸性洗剤を使う前にアルカリ性の洗剤で汚れを落とさないとこうなる。
酸性洗剤が染み付いてしまっている状態で、こちらでやらせてもらう場合、特殊な機材が必要なので費用は倍かかる。A社に異議申し立てをしたほうが良い」
と言われました。

このような場合、A社に対して、B社での清掃費用＋弁護士費用＋慰謝料
を請求することは可能でしょうか？

よろしくお願い致します。

依田敏泰 · Answer

まず、Ａ社の「石鹸カスが原因だから酸性の洗剤で自分で洗えばきれいになる」との助言が、浴室清掃の依頼を受けた業者の行う助言として、故意または過失により不適切であったといえるかが問題となります。
この点、いわれたとおり自分で試みたところ、却って浴室全体が白く汚れてしまったので、Ａ社の助言が誤っていたことは明らかであると思われるかも知れませんが、必ずしもそうとは断定できないと思います。
普通なら酸性洗剤を使えばきれいになるはずが、たまたま浴室の床や壁の素材の材質と酸性の洗剤との相性が悪かったのかも知れませんし、酸性洗剤を大量に使いすぎたり、水で薄めるなどして使うことが指示されていたのに、それをうっかり忘れて使ってしまったことで却って白く汚れてしまったということなのかも知れません。
実際にはそのようなことはないのかも知れませんが、訴訟になれば、Ａ社がそのような主張を提示してくる可能性は大いにあります。

また次に、Ｂ社の原因についてのご説明が本当に正しいのかも議論の対象になるでしょう。
Ｂ社からの説明が正しいことを、汚れと洗剤のメカニズムに関する研究論文や資料を検索するなどして証明する必要があります。
そして更に、あくまでＢ社に清掃を依頼した場合に、「特殊な機材が必要なので費用は倍かかる。」というだけで、他のどんな清掃業者に依頼しても、通常の倍の作業代が請求されるとは限らないのではないかという疑問も出て参ります。ですので複数の清掃業者に依頼して複数の見積書を入手して、やはりＢ社だけが特別なのではなく、一般的に通常の倍の作業代が必要であるということを証明する必要があるでしょう。
以上のとおり、Ａ社に対する請求が認められないとまでは申しませんが、かなりハードルが高い、難しい案件であるというわけです。

なお、そもそもですが、もともとＡ社に浴室清掃を依頼しようとしていたわけで、いずれにせよ本来の清掃作業代についてはお支払いするおつもりがあったわけですから、Ｂ社での清掃費用の全額を請求することはできず、Ａ社の不適切な指示によって、却って清掃作業代が増えた分、増額分のみを請求できることになります。

住所	：	東京都豊島区西池袋5-1-6第2矢島ビル4階A室
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家事代行で問題があった場合の費用負担

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