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KL2020・OD・037
アポイントメント商法(あぽいんとめんとしょうほう)とは、電話や街頭で消費者に声をかけ営業所に呼び出した後、高額な商品やサービスを契約させるセールス手法です。
「景品が当たった」「期間限定」など、消費者の射幸心を煽り「自分は運がいい」と錯覚させる手口なこともあり、当選商法、おめでとう商法などとも呼ばれています。
今回は、アポイントメント商法の手口と事例、騙されないための対策と、被害に遭った後すぐにすべきことをお伝えします。
冒頭でもお伝えしたように、消費者の射幸心を煽って冷静な判断力を奪ったうえでセールスを仕掛けてくるのがこの手口の特徴です。詳しく確認していきましょう。
「○○に当選しました」などと消費者に電話をかけ、営業所や喫茶店等に呼び出します。最終的に高額な商品を売り込むわけですが、勧誘が長時間に渡るため疲れで判断力が鈍り契約してしまう人もいます。
電話だけでなく、街頭で声をかけて誘導する方法もあります。
など、販売目的である旨を隠して接近してきます。これはブラインド勧誘といって、特定商取引法で禁止されています。
統括者、勧誘者又は一般連鎖販売業者は、特定負担を伴う取引についての契約の締結について勧誘をするためのものであることを告げずに営業所、代理店その他の主務省令で定める場所以外の場所において呼び止めて同行させることその他政令で定める方法により誘引した者に対し、公衆の出入りする場所以外の場所において、当該契約の締結について勧誘をしてはならない。
特定商取引に関する法律三十四条
などの言葉を使い、あたかも自分は運がいいんだと錯覚させるような言い回しをしてきます。
タダでもらえるからもらうというのではなく、本当に必要かどうかを考えるようにしましょう。
アポイントメント商法の場合、20代~30代の社会人経験が浅い人がターゲットになりやすいようです。彼らはクレジットカードを作れるので、手持ちがなかったとしても高額な商品を売りつけられます。
などがよく売られるようです。アポイントメント商法で購入したものはクーリングオフできますので、いらないものは返しましょう。詳しくは『アポイントメント商法に遭ってしまった際の対処法』でお伝えします。
ここでは、アポイントメント商法の具体的な事例をお伝えします。
3ヶ月前、女性から電話で呼び出され、希少価値が高いというブルーダイヤのペンダントを勧められた。「100万円くらいの商品だが、あなたが口コミで宣伝してくれれば半額にする」というので契約したが(50万円)、クレジット契約の支払が遅れ父に知られてしまった。父が質屋に見せたところ、「色つけ石で2万円くらいの値打ち」と言われたとのことで、解約を申し出たら、解約金15万円を要求された。
(20歳代 男性)
引用元:ながさき消費生活館
「希少価値が高い」「100万円くらいの商品だが割引にする」など、消費者がお得に感じるような表現を使っているのがわかります。
ただ、口コミをした程度で100万円のものがなぜ50万円になるのか?業者は赤字にならないのか?といったところまで想像できたほうが良かったように思います。
不意打ち的に勧誘をしてくる手口のため、油断しているとつい相手の口車に乗ってしまったり、なかなか断れなかったりして苦労するかもしれません。ここでは、アポイントメント商法に遭わないための対策をお伝えします。
割引されていようが品数が少なかろうが、良いものとは限りませんし、あなたにとって必要かどうかも別問題です。お得感ではなく、いるかいらないかで判断しましょう。
そもそも知らない人から電話がかかってきて「〇〇に当選しました」といわれる事自体かなり不自然なことです。なぜあなたの電話番号を知っているのでしょうか。心当たりのない電話は無視しましょう。
販売員はまず次のような人に狙いを定めます。
相手も暇ではありませんから、勧誘できなさそうとわかればすぐ離れていきます。「考えておきます」と言ったようなどっちつかずな断り方をせず、「いりません」ときっぱり断りましょう。
契約を結んだあとに「やっぱいらない…」となるとクーリングオフしなければならなくなります。相手が素直に応じてくれるかわかりませんし、クーリングオフには期限があります。
契約さえしなければそもそも余計なリスクは発生しません。しつこく勧誘された場合は、ゆっくり考えたいと言い一度帰りましょう。
理由をつけて帰らせてくれないこともあるでしょうが、本当にいい商品であればそんなことをしないでも売れるはずです。
自分が知らない営業所に行く際は、いつでも逃げられる状態にしておくべきです。次のことを守りましょう。
アポイントメント商法で不要な商品を買ってしまった場合はクーリングオフしましょう。それが無理なら、専門家に相談してアドバイスをもらうこともできます。
アポイントメント商法は、次の3つの販売方法のいずれかに該当します。
いずれの場合も、契約書面を受け取ってから8日間はクーリングオフできます(契約書面をもらっていなければ8日以降も可能)。
また、クーリングオフ期間が過ぎていても契約を取り消すことができる場合があります。
事実と異なることを伝えて契約を結ぶことを不実告知、消費者が知らないと不利になる情報を伝えず解約を結ぶことを事実不告知といいます。
この不実告知や事実不告知があった場合は契約を取り消すことができます。
消費者が恐怖を感じさせることを威迫といいます。「怖いお兄さんが家に行く」など恐怖を感じている状態でした契約は取り消すことができます。
勧誘である目的を告げずに面会することをブラインド勧誘といい、法律で禁止されています。
クーリングオフができないよう、嘘をついたり脅したりする行為をクーリングオフ妨害行為といいます。この行為があった場合、8日間を過ぎていても契約を取り消せます。
とはいえ相手もクレームに対しては慣れているはずですから、スムーズにクーリングオフできない可能性もあります。そんなときは一人で悩まずに、専門家に相談しましょう。
消費者被害について相談できる独立行政法人です。クーリングオフをさせてもらえないときなどに相談することで、あなたの状況に応じたアドバイスをもらえます。
被害額が高額な場合や、自分だけではどうしようもなくなったときなどに相談しましょう。クーリングオフは期限がありますし、相手が逃げてしまった場合など手遅れになるので、できるだけ早く行動したいものです。
アポイントメント商法はクーリングオフできますが、妨害されて泣き寝入りすることもあります。いくら相手がしつこかろうが、お得感を演出されようが、あなたにとって不要であればきっぱりと断りましょう。
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