振り込め詐欺の手口と詐欺に騙されないための知識

弁護士法人ネクスパート法律事務所
監修記事
振り込め詐欺の手口と詐欺に騙されないための知識

振り込め詐欺とは、銀行口座にお金を振り込ませる詐欺の総称のことで、オレオレ詐欺、還付金詐欺、融資詐欺、架空請求などが該当します。警視庁によると、平成28年の認知件数は13,605件で、被害総額は373.8億円だそうです。

警視庁|【平成28年中の発生状況】

引用元:警視庁|【平成28年中の発生状況】

なぜお金を騙し取られてしまう人が後を絶たないのでしょうか。今回は、振り込め詐欺の手口と詐欺の事例、振り込め詐欺に引っかかってしまう理由と被害にあったらまずすべきことについてご説明します。

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振り込め詐欺の手口

振り込め詐欺では、家族や警察になりすまして、まず被害者を信用させてからお金を奪い取ります。ここでは、その手口を見ていきましょう。

家族に成りすます

オレオレ詐欺と呼ばれる手口で、被害者の家族を装い次のような文句で不安を煽りたててきます。

  • 会社のお金に手を付けたのがバレた
  • 会社の小切手を落としてしまった
  • 不倫相手を妊娠させてしまい、中絶費用を請求されている
  • 痴漢がバレて示談金を請求されている
  • 人をはねてしまい、慰謝料を払わなければいけない

これらは典型的なオレオレ詐欺の言い回しですが、いきなりこのような電話がかかってきた被害者は、本人からかかってきたと思えば思うほど焦ってしまいます。使われている電話番号はもちろん家族のものではありませんが、「会社の電話からかけている」などもっともらしい説明をしてきます。

家族の情報を調べ上げている

「家族かどうかくらいわかる」と思っている人ほど要注意です。一昔前みたいに「オレ、オレ」と電話してくる稚拙な詐欺はなくなりつつあります。例えば、「腰痛の調子はどう?」などと家族しか知らないようなことまで下調べされるケースも増えており、つい信じてしまったという人が後を絶ちません。

登場人物が複数人いる(劇場型)

また、最近では息子役、警察役、不倫相手役、弁護士役といったように複数の登場人物が登場する劇場型詐欺という手口が流行っています。息子役は最初にほんの少し話すだけで、なおかつ泣きじゃくる演技をしているので声でなかなか確認ができません。

そうしているうちに警察や弁護士を名乗る犯人から次々と電話がかかってきて、不安だけが募っていきます。

オレオレ詐欺についてもっと知りたい方は、『オレオレ詐欺の手口と被害に遭った際の対処法まとめ』をご覧ください。

警察に成りすます手口

家族だけでなく、警察や金融機関の職員などに成りすます手口です。制服姿で本物のような警察手帳を見せられると、つい本物だと信じてしまうのではないでしょうか。

キャッシュカードを預かる詐欺がある

「銀行口座が不正利用されている、対応のためカードを預からせてもらいます」などと言って、キャッシュカードと暗証番号を手に入れる詐欺があります。通常警察がキャッシュカードを預かりに来ることはないので、覚えておきましょう。

年金事務所の職員に成りすます

年金事務所の職員に成りすまし、「年金情報流出」を口実にお金を振り込ませたり、キャッシュカードを騙し取ったりする手口です。通常年金事務所からお客さんに電話をしたり、お金を要求したりすることはありません。

還付金詐欺

「医療費の過払い分の払い戻しがあります。」、「年金の未払い分があります。」などという口実で「お金を受け取れる」と被害者に伝えてATMへ向かわせ、携帯電話で引き出しではなく振り込みの操作を指示する詐欺を還付金詐欺と言います。ATMの操作に不慣れな高齢者がよく被害に遭っています。詳しくは『還付金詐欺の手口と対策|すぐに警察と取引銀行へ連絡を』をご覧ください。

水道局の職員に成りすます

水道局の職員に成りすます手口です。浄水器を取り付けて高額なお金を請求されたり、漏水工事と称して高額な工事費を請求されたりします。

マイナンバーに関する手口

市の職員に扮し、「マイナンバーの発行にはお金がかかる」と嘘をつき、金銭をだまし取る手口です。マイナンバー制度は2016年にできたばかりなので、制度をよく知らずに騙されてしまう人がいます。

上京詐欺

子供を装い、「会社のお金をなくしてしまった、クビになるから東京まで持ってきて欲しい」といい金銭をだまし取る手口です。飛行機や新幹線に乗ってまで来てしまった以上、引くに引けなくなるのだそうです。実際にお金を渡す相手は上司や同僚役の詐欺師で、本物の息子が取りに来ることはもちろんありません。

振り込ませない詐欺もある(現金受取型)

銀行口座に現金を振り込ませず、手渡しや宅急便で騙し取るパターンです。振り込んだ口座にお金が残っていれば取り戻す方法もありますが、手渡しだとその方法は使えません。また、ATMから1日に振り込める金額は100万円までですが、現金受取型ではそれ以上の金額でも騙し取れるので被害を受ける側は堪ったものではありません。

振り込め詐欺の事例

振り込め詐欺の事例ここでは、実際の振り込め詐欺の事例を見ていきましょう。

振り込め詐欺の事例1|オレオレ詐欺

被害者方に息子を騙る甲から「不倫して相手の女性を妊娠させてしまった。相手の旦那が弁護士を立てて示談金を要求してきている。とにかくお金が必要なんだ。」等との電話があり、甲が指定した口座に現金を振り込んだ。

引用元:茨城県警察|事例4(妊娠示談金)

振り込め詐欺の事例2|還付金詐欺

(60代 女性) 被害なし

窓口社員は、女性が携帯電話で話をしながらATMを操作しているのを発見したので声をかけた。女性は、市役所職員を名乗る男から「医療費の返金がある。送金は済んでいるので通帳の記帳をして欲しい。」等と言われ、携帯電話で指示されるままにATMを操作しているところだった。その電話で指示されていたATMの操作は、通帳の記帳ではなく、送金の操作であることを窓口社員から教えられ、女性は騙されていることに気が付いた。

引用元:ゆうちょ銀行|携帯電話で話しながらATMを操作している人がいる

振り込め詐欺の事例3|融資保険金詐欺

(年齢不明 男性) 融資保証料名目で 50 万円を送金

会社を経営している男性が、FAX でチラシを送ってきた消費者金融業者に融資申込みをした。後日、消費者金融業者から、「500 万円まで融資出来ます。」との連絡とともに「融資を実行するには融資額の 10%の保証料が必要。」と言われ、男性は友人から借金するなどして、指定された口座に 50 万円を送金した。

これで融資が受けられると思っていたが、また、消費者金融業者から、「信用状況の確認のために50 万円を一時的に振り込んでください。これは融資実行の際に一緒に返還されます。」と電話がかかってきた。

男性は追加の 50 万円を用意することができなかったので、融資を受けることを諦めて、保証金を返してくれるように依頼したが、「後日返金する。」と言ったまま、結局返金はされず、業者とも連絡が取れなくなった。

引用元:ゆうちょ銀行|融資保険金詐欺の犯罪事例

事例2の場合、運良く窓口社員が気づいて止めてくれたために被害が出ずに済みました。人は一度信じ込むと疑わなくなるので、焦ってお金を払おうとしているときは誰か他の人に相談することが大事だとお分かりいただけると思います。

ただ、世間体を気にする人ほど「息子が痴漢をした」「息子がクビになりそう」などと他人には言えないため、焦ったまま冷静さを欠き一人で判断してしまいます。

騙されるのが恥ずかしいというような、変な自尊心を持っている方が詐欺師にとっては都合がいいと覚えておきたいものです。

 

振り込め詐欺に引っかかってしまう理由は

ここでは、振り込め詐欺に引っかかってしまう理由を見ていきましょう。

自分だけはだまされないと安心しているから

詐欺に引っかかる人の共通の特徴は、自分だけは絶対に詐欺に引っかからないと思い込んでいる点です。しかし、詐欺の手口や騙される心理を知らないまま自分は大丈夫だと思い込むのは危険です。詐欺師からすれば騙しやすい無防備なカモでしかありません。では、実際に騙された人の声を見ていきましょう。

「なぜみんなだまされるのかしら」と話していたのに、いざ電話があって助けを求められたら息子と疑うことなく、お金を下ろして渡してしまった。

引用元:政府広報オンライン|詐欺被害者の声

 

銀行の窓口で「詐欺の可能性はありませんか」と何度も確認されたが自分はそんなものに遭うはずがないと思っていたので「失礼じゃないか」と怒って強引に振り込んでしまった。

引用元:政府広報オンライン|詐欺被害者の声

 

郵便局の窓口で局員から使い道や振込先との関係を何度も聞かれたが、「話が大きくなると会社に知れてクビになっちゃうから郵便局の人には余計なことを言わないで」と言われていたので「間違いありません。大丈夫ですから。」と怒って強引に振り込んでしまった。

引用元:政府広報オンライン|詐欺被害者の声

「自分は大丈夫」と思うのは自由ですが、他人の教訓から、人は一度信じ込むと疑わないものだと気づき、謙虚に対策を考えようという気持ちにならなければ、いつかカモにされてしまうのがオチです。

詐欺の手口が巧妙になっているから

一般人が油断している間にも、騙しの手口は進化しています。過去に詐欺を見破ったからと言って、次も見破れるとは限りません。その事実に気づかず油断している人が詐欺に引っかかります。

焦ってお金を渡してしまうから

詐欺師は冷静さを奪って恐怖を煽り立てることで、「お金を払えば開放されるんだ」と被害者に思わせます。普段は聡明な人でも詐欺にあってしまうのは、冷静に判断できない状況に誘導されているからです。

世間体を気にする人が引っかかりやすい

先にも触れたように、世間体を気にする人ほど他人に知られるのを嫌い、一人で判断して詐欺に引っかかってしまいます。

お年寄りが狙われているから

お金を持っているうえに判断力が低下しているお年寄りは詐欺のいいターゲットです。老人が被害に合うのを防ぐには、周囲のサポートが欠かせません。具体的な対策に関しては『高齢者詐欺の悪質な手口と周りの人たちができる対処法』をご覧ください。

 

振り込め詐欺に遭った際にすぐしたいことは

振り込め詐欺の電話だと気づいたら、騙されたふりをして警察に通報しましょう。犯人を逮捕できる数少ない機会です。

また、お金を振り込んでしまった際は、すぐに警察に通報したうえで、振込先の金融機関に連絡をしましょう。犯人の口座にお金が残っていた場合「振り込め詐欺救済法」により口座を差し押さえ、被害金額の一部または全部を取り戻せる可能性があります。

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まとめ

いかがでしたか?

例えばマイナンバー制度に関する詐欺のように、振り込め詐欺の犯人は年々手を変え品を変え、私達からお金を騙し取ろうとしてきます。一度振り込んでしまうと被害金を取り戻すのは困難なので、自分だけは大丈夫という思い込みを捨て、振り込め詐欺を未然に防ぐ対策をしていきたいものです。

 

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2016年1月に寺垣弁護士(第二東京弁護士会所属)、佐藤弁護士(東京弁護士会所属)の2名により設立。遺産相続、交通事故、離婚などの民事事件や刑事事件、企業法務まで幅広い分野を取り扱っている。

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