グレーゾーン金利とは|過払い金における利息制限法との関係

弁護士法人ネクスパート法律事務所
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グレーゾーン金利とは|過払い金における利息制限法との関係

グレーゾーン金利(ぐれーぞーんきんり)とは、利息制限法で定めている上限金利より高く、出資法で定めている上限金利より低い曖昧な部分です。曖昧なので法律には違反していませんが違法ギリギリの高金利なのは間違いないでしょう。

グレーゾーン金利の時に払った利息は過払い金請求ができます。グレーゾーン金利を知ることで、過払い金請求ができる・できないを判断することができます。過去にグレーゾーン金利で借り入れを行っていた方の手助けとなることができれば幸いです。

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グレーゾーン金利についての基礎知識

普通の金利とグレーゾーン金利はどう違うのでしょうか。まずはグレーゾーン金利が発生していた背景からご紹介していきます。

グレーゾーン金利が発生していた背景

グレーゾーン金利とは、利息制限法の制限利率(金利15%~20%)を超える金利で貸金業者がお金を貸していた時代の俗称で、利息制限法では制限利率を超えて貸し付けをしてはいけないとされていました。

それでもグレーゾーン金利で運用されていた理由は、出資法の罰則になる29.2%以下に収まっているため、利息制限法を超える金利で貸していても処罰の対象にならなかったからです。

(高金利の処罰)

第五条  金銭の貸付けを行う者が、年百九・五パーセント(二月二十九日を含む一年については年百九・八パーセントとし、一日当たりについては〇・三パーセントとする。)を超える割合による利息(債務の不履行について予定される賠償額を含む。以下同じ。)の契約をしたときは、五年以下の懲役若しくは千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。当該割合を超える割合による利息を受領し、又はその支払を要求した者も、同様とする。

2  前項の規定にかかわらず、金銭の貸付けを行う者が業として金銭の貸付けを行う場合において、年二十パーセントを超える割合による利息の契約をしたときは、五年以下の懲役若しくは千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。その貸付けに関し、当該割合を超える割合による利息を受領し、又はその支払を要求した者も、同様とする。

引用元:出資法第5条

※今は年利20%まで下げられる改正がありましたが、以前は29.2%の表記になっていました。

出資法では29.2%までなら処罰されなかった

もちろん、出資法の金利29.2%を超える貸付を行うと処罰の対象になりますので、当然そうなると貸金業者はギリギリの29.2%で貸付をしたいですよね。出資法の上限金利29.2%と利息制限法で定められている上限金利では10%前後も違います。

もし、10万円を借りた場合は10,000円も違ってきます。この利息制限法と出資法の間にある曖昧な金利が『グレーゾーン金利』です。


グレーゾーン金利とは|過払い金における利息制限法との関係

みなし弁済という利息制限法の抜け穴があった

みなし弁済とは、貸金業者が合法的にグレーゾーン金利で消費者から利息を受領する制度のことです。貸金業者は、出資法は守らないと処罰されてしまいますが、利息制限法なら違反しても処罰されません。このことをうまく利用して貸金業者は消費者にグレーゾーン金利でお金を貸していました。

グレーゾーンは2010年に廃止

2010年6月に法律改正の施行がされたので、グレーゾーン金利は完全になくなりました。

グレーゾーンがなくなった理由

主な理由は以下の3つです。

1.利息制限法1条2項および4条2項が廃止

現在は下記のようになっています。

(利息の制限)

第一条  金銭を目的とする消費貸借における利息の契約は、その利息が次の各号に掲げる場合に応じ当該各号に定める利率により計算した金額を超えるときは、その超過部分について、無効とする。

一  元本の額が十万円未満の場合 年二割

二  元本の額が十万円以上百万円未満の場合 年一割八分

三  元本の額が百万円以上の場合 年一割五分

引用元:利息制限法第1条

(賠償額の予定の制限)

第四条  金銭を目的とする消費貸借上の債務の不履行による賠償額の予定は、その賠償額の元本に対する割合が第一条に規定する率の一・四六倍を超えるときは、その超過部分について、無効とする。

2  前項の規定の適用については、違約金は、賠償額の予定とみなす。

引用元:利息制限法第4条

2.出資法の金利が最大20.0%に引き下げ

上限金利が20.0%に引き下げになったことでグレーゾーン金利となっていた区分がなくなりました。

3.旧貸金業法43条の廃止(みなし弁済)

簡単に言いますと、消費者がグレーゾーン金利と知りつつ貸金業者に支払った金利は、上の条件に該当するなら返還しなくてもよいということです。この条項が廃止されたことにより貸金業者が「みなし弁済」を受領することができなくなりました。

以上の3点が、2006年1月13日の最高裁判所の判決を受けてで法律が改正されたことで、グレーゾーン金利がなくなりました。

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利息制限法が改正されて良くなった点

貸金業者がグレーゾーン金利でお金を貸すことができなくなったというのが一番のトピックですが、2010年の6月に以下の3つの法律が改善されました。

法律名 改正前 改正後
利息
 制限法
元金10万円未満なら年利20%まで 元金10万円未満なら年利20%まで
元金10万円以上なら年利18%まで 元金10万円以上なら年利18%まで
元金100万円以上なら年利15%まで 元金100万円以上なら年利15%まで
遅延損害金は上の1.46倍まで可能。 遅延損害金は1.46倍まで可能。年利20%を超えることはできない(利息制限法7条)
出資法 上限金利は年利29.2% 上限金利は年利20.0%
貸金業法 みなし弁済があるため、利息制限法を超える金利の貸付でも可能 みなし弁済は廃止(旧貸金業法43条)
利息制限法に違反した場合は、処分対象になる(貸金業法24条6の3・4)
利息制限法を超える金利には罰則なし 貸金業者は利息制限法を超える金利の貸付をしてはならない(貸金業法12条の8)

利息制限法

改正前と違い年利20%を超える金利を貸金業者は請求することはできなくなりました。

出資法の改正でよくなった点

上限金利が下がり、20%以上で貸付をした者には処罰されるようになりました。

貸金業法の改正でよくなった点

みなし弁済が廃止されたことに加え、グレーゾーン金利がなくなり、利息制限法を違反したものは処罰されるようになりました。

過払い金請求ブームが起こる

このグレーゾーン金利が撤廃されたことで、いままで多く支払った部分のお金が、過払い金として返還請求することができるようになりました。自分に過払い金請求がいくらあるか分からないという方は、貸金業者に取引履歴の請求をすることで知ることができます。

過払い金は取り戻せるお金なので、請求することをおすすめしますが、実は過払い金請求には時効もあり、「借金返済から10年」という期間がありますので、できるだけ早めに請求されるのが良いでしょう。

参考:過払い金請求の時効|時効を遅らせる方法と時効後でも請求できるケース

取引履歴の取り寄せ方や過払金請求費用についてもっと知りたい方は「過払金請求にかかる期間と過払い金の返還請求ができる期限」を参考にしてください。

まとめ

利息制限法改正前に支払ってしまったグレーゾーン金利。支払ってしまいましたが、過払い金請求により返還することができます。取り戻すためには、弁護士に相談することをおすすめします。

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2016年1月に寺垣弁護士(第二東京弁護士会所属)、佐藤弁護士(東京弁護士会所属)の2名により設立。遺産相続、交通事故、離婚などの民事事件や刑事事件、企業法務まで幅広い分野を取り扱っている。

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