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KL2020・OD・037
これまで使う機会のなかった有給休暇を退職時に使用したいと計画している人は多いでしょう。
しかし退職直前にまとまった休みを取るなんてできるのか、そう思っている人も少なくないと思います。実際、引継ぎなどの作業をしながらでないと、会社側としても休みを取られては困る側面があります。
ではどうしたら効率的に有給休暇を申請・取得することができるのか。
この記事ではそんな退職時における有給休暇の扱い方についてご紹介していきます。
目次
有給休暇は、いつでも行使できるのが原則であり、労働者が退職にあたってまとめて有休申請することも完全に適法です(このような事例はよくあります。)。
しかし、事実上の問題として、全く引継ぎもないまま長期の有休を取得し、そのまま退職することは、他職員の迷惑になることは十分ありうることです。
立つ鳥跡を濁さずといいます。退職するからこそ、有給休暇の申請にあたっては、ある程度節度をもっていたいものです。
では退職するとき、どのように取得すれば迷惑をかけずにいられるのか、ご紹介していきます。
一番に決めなくてはいけないのが、実際にいつ退職するかという退職日の決定です。労働者は、2週間まえまでに通知すれば、いつでも退職することができるのが法律です。
したがって、退職日の設定は2週間より先の日であればいつにしても構いません。
なお、就業規則により退職は1ヶ月前通知が必要と定めているケースが多いですが、上記法律は就業規則に優先するため、労働者は2週間前までに通知すれば退職自体は可能です。
退職日を決めたら、次は直属の上司などに事前に相談を持ち掛け、退職の意思や退職予定日を伝えましょう。そのうえで、上司に引継ぎ等の退職処理について相談するのが通常であろうかと思われます。
会社に退職意思を伝えたら、ここでようやく本題ともいえる有給休暇について確認・決定をしていきます。
まず、自身の有給休暇が何日残っているのかを調べて、どのように有給休暇を取得していくか、考えます。
原則は、労働者はいつでも好きなタイミングで有給休暇を取得できるのですが、社会人としては上記退職処理を踏まえた計画的な有給取得を目指したいところです。
なお、有給休暇の申請は、退職時であっても退職前と同様に通常のルールに従って行えば足ります。
会社によっては有給休暇の申請理由を質問される場合があります。結論からいうと、有給休暇の申請理由はなんでもよく、回答する必要もありません。
会社がこれを尋ねることは時季変更権行使の判断に必要となる場合に限られます。
しかし、退職時の有給取得に対して時季変更権を行使することはできませんので、当該有給取得に対しては会社は理由を尋ねることはできないのです。
ただ、殊更会社と対立する必要もないので、申請理由は単に退職に伴う有給消化のためとか私用のためと回答すれば十分でしょう。
では世間一般では、退職時に有給休暇を何日使っているのかというと、次のグラフのような結果になりました。
参照元:マイナビ転職
意外なことに、0~4日以内と有給休暇をほとんど使っていないという人が46%近くに達するという結果になりました。
ただし使用する人もそれなりに多く、9~12日が20.1%、17日以上が17.1%と退職する旨を伝えてから休みを取得する人もいます。
労働者の有給休暇利用に対し、会社は繁忙期などを理由に有休取得日をずらしてもらうことがあります。
このような会社の権利を時季変更権といって、民法第39条5項により定められています。
ただし、上記の通り、退職時において、退職予定日を過ぎての時季変更は不可能なので、会社側は時季変更権の行使ができないのです。
使いづらいなど理由はあるかもしれませんが、退職日までに有給休暇の申請をしておくと、希望通りに取得することができます。
退職を機に有給休暇を取得したいと考え、会社に申請しても少なからず断られてしまったという方も中にはいます。
本来会社側には有給休暇の取得時期については、繁忙期などの時期を見計らってずらしてもらう権利はありますが、申請そのものを却下する権限はありません。
これは労働基準法第39条5項によって定められています。
使用者は、前各項の規定による有給休暇を労働者の請求する時期に与えなければならない。但し、請求された時期に有給休暇を与えることが事業の正常な運営を妨げる場合においては、他の時期にこれを与えることができる。
引用元:労働基準法第39条
そのため会社に有給休暇を申請したのに許可が下りなかったとしても、無視して休んで構いません。仮に有休と認められず給与が支払われない場合は、労働基準監督署や弁護士への相談を検討してみてください。
有給休暇は労働者に与えられた正当な権利です。特に退職時の有給取得はいかなる場合でも認められます。そのため、有休権の行使とは認めないという会社の対応は違法です。このような違法な対応を受けた場合は、弁護士への相談を検討してみて下さい。
では具体的に弁護士への依頼にどんな部分がメリットになるのかというと、次のような点が挙げられます。
弁護士に依頼すれば、退職時の有休権行使はそれほど問題なく認められることが通常です。
よほどこじれるようなことが起きない限り決着は早いと思われます。
なお、具体的な手順としては、労働者の希望する退職日とこれを前提とする有休権行使日を、弁護士から会社に文書で通知してもらうという手順となるでしょう。
有給休暇を退職時に使用することは、決して問題に挙げられるようなことではありません。もちろん一定の手順を踏み、計画的に取得しましょう。
仕事が忙しいなど理由があって取得できない人もいますが、申請そのものを会社が無下にすることはできません。
仮に会社から有給休暇の申請を、時季変更権を行使されるでもなく申請そのものを断られたときには、労働基準監督署や弁護士に相談してみましょう。
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本記事はあなたの弁護士を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。
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