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KL2020・OD・037
セクハラは労働問題の中でも相談件数の多い問題です。セクハラは、上司や取引先といった断りづらい相手から受けることが多いです。また、上司・部下だけでなく同僚間との冗談としての言動であっても、された側が不快や苦痛を感じればセクハラになります。
各都道府県の労働局でセクハラなどの相談を受けている雇用均等室での相談件数の内訳では、セクハラ問題が半数を占めていることがわかります。セクハラの相談件数は平成25年度で6,183件、平成26年度で7,343件、平成27年度で6,827件に上っています。
今回はセクハラをしてくる上司の特徴やその対処法などをご紹介していきます。
セクハラに関する知っておくべき知識は他にも多数あります。
以下の記事より、他に不足している知識を獲得して、セクハラに対して適切な対処をとれるようにすることをお勧めします。
セクハラに関する知識一覧 |
セクハラ上司への法的措置に関する知識 |
目次
厚生労働省は職場でのセクハラ(セクシュアルハラスメント)を次のように定義しています。
職場におけるセクシュアルハラスメントは、「職場」において行われる、「労働者」の意に反する「性的な言動」に対する労働者の対応により労働条件について不利益を受けたり、「性的な言動」により就業環境が害されることです。
職場におけるセクシュアルハラスメントには、同性に対するものも含まれます。
引用元:厚生労働省|あなたの義務です!
ここでいう「労働条件での不利益」とは、働く環境も含まれて言います。セクハラによる精神的苦痛によって働けない状態になってしまったというだけでなく、業務に何らかの支障をきたすような性的言動はセクハラにあたると考えていいでしょう。
厚生労働省はセクハラの定義として、労働者の意に反する性的な言動というものを定めています。
発言をされた側がどう捉えたかということに重点が置かれているので、発言した側にその気がなくてもセクハラになります。「スタイルがいいね」、「かわいいね」などは言われた状況によってはセクハラとして捉えられるのです。
セクハラにはさまざまな状況が考えられます。この項目ではセクハラ上司を大きく3つに分け「対価型セクハラ」「環境型セクハラ」「妄想型セクハラ」として取り上げています。
詳細は、『セクハラは対価型と環境型・妄想型に定義される|裁判事例とセクハラへの対処法』にてお伝えします。
また、上記セクハラ以外にも、次のような性的ハラスメントが問題になる場合もあります。
詳細は、関連記事をご覧ください。
【関連記事】
ジェンダーハラスメントとは?職場での事例やLGBTによる差別のケースも!
セクハラにあったらまず証拠を押さえて、セクハラをしてくる人の上司などに相談するようにしましょう。セクハラは、セクハラに対して相談をしたと言う事実も重要になります。
企業と一緒にセクハラの解決を図るだけでなく、セクハラを受けた側が対処しようと努力を行ったということを主張するためにも、必ず相談をするようにしてください。
多くの企業ではコンプライアンス窓口などの相談窓口が開設されていることがあります。セクハラの場合、上司や同僚に相談しても聞き流されたり、軽く考えられてしまうこともあります。セクハラを相談すると言うこと自体、勇気のいることです。
「せっかく相談したのに軽く考えられてしまって、もう相談する気になれない」といったことを防ぐためにも、なるべく相談窓口などの正攻法をとってください。
「社内の相談窓口に相談しても取り合ってくれなかった」、どうしても社内の人に相談しにくいと言った場合は社外の相談窓口を利用しましょう。都道府県の労働局ではセクハラの相談も受け付けている「雇用環境・均等部(室)」を設置しています。
また、セクハラはパワハラにもなりますので厚生労働省が運営している「あかるい職場応援団」で紹介している相談窓口で相談することもできます。
【関連記事】セクハラの相談先と相談件数|訴えたいときは弁護士に相談
セクハラの内容が深刻である、また軽度であっても長期間行われ精神的・肉体的苦痛を感じたなどの場合は法的措置を取るために訴えることも可能です。
セクハラは、「公然わいせつ罪」や「強制わいせつ罪」、「傷害罪」、「暴行罪」、「侮辱罪」などの可能性がある違法行為です。セクハラの訴え方は以下の項目でお伝えしていきます。
先の項目でもお伝えしましたが、セクハラは違法行為です。セクハラによって精神的・肉体的苦痛を受けて働けなくなったなどの損害を受けた場合は損害賠償と慰謝料請求が可能です。
男女雇用機会均等法(雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律)では、次のように定められています。
第十一条 事業主は、職場において行われる性的な言動に対するその雇用する労働者の対応により当該労働者がその労働条件につき不利益を受け、又は当該性的な言動により当該労働者の就業環境が害されることのないよう、当該労働者からの相談に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備その他の雇用管理上必要な措置を講じなければならない。
2 厚生労働大臣は、前項の規定に基づき事業主が講ずべき措置に関して、その適切かつ有効な実施を図るために必要な指針(次項において「指針」という。)を定めるものとする。
引用元:雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律第11条
この法律はセクハラについて言及したものではありませんが、セクハラは男女雇用機会均等法違反という解釈ができます。また、上記の法では企業側はセクハラなどの人権侵害が起きないように配慮する義務があるということを述べています。
先の項目であったように悪質なセクハラは様々な罪に問われる可能性があります。どのような行為がどのような罪に問われる可能性があるのか、セクハラの例とともに以下にまとめました。
問われる可能性のある罪 | セクハラの例 |
公然わいせつ罪 | ・上司が職場にヌードポスターなどを掲示した ・上司が男性部下に裸芸を強要して、周囲が不快に思った |
強制わいせつ罪 強制性交等罪 |
・上司や同僚などが身体を触ってきた ・昇進や降格などを対価に性交渉などを強要した |
傷害罪 暴行罪 強姦罪 |
・性交渉や身体を触ってくることに抵抗したら殴られた・合意なしに性交渉をした、またはしようとした |
名誉毀損罪 侮辱罪 |
・性差別などの言動によって不快な思いをした |
また、セクハラによって、うつ病などの精神疾患を発症した場合は、治療費を相手方に請求することができます。また、セクハラは男性から女性へのハラスメントというイメージがありますが、女性から男性、女性から女性や男性から男性など同性間であっても相手が不快な思いをした場合はセクハラに該当します。
職場での立場においても、上司から部下だけでなく、部下から上司、同僚間でもセクハラあるいはパワハラとして成立します。
女性社員が勤務時間中に事務所で二人きりになると上司(社長)から尻を触られる、抱きつかれるなどをされた。またその他にも毎月生理の有無を聞くなどのセクハラ発言が長期にわたり行われた。
その後、上司より性行為をせまられたため、拒否したところ威圧的な態度になり最終的には解雇された。女性社員は、さまざまなセクハラ行為によって精神的苦痛を与えられたため、慰謝料請求を行った。
事件は女性社員に対するセクハラ行為が人格権侵害にあたるとして慰謝料の支払いが命じられた。また、セクハラでの解雇は違法であり、無効である。判決では、セクハラをした上司には慰謝料として100万円の支払いが命じられた。
参照元:東京セクハラ(ちらし広告会社)事件 東京地裁|セクハラ110番
セクハラにあって悩んでいる・セクハラ上司を訴えたいと考えている方は、まず証拠を残すようにしてください。次の項目ではどのようなものがセクハラの証拠になるのか、証拠の重要性などをご紹介していきます。
セクハラを相談、訴えるのには証拠が重要です。セクハラ行為が発言であれば、ICレコーダーや携帯のレコーダー機能で音声データとして残しておくようにしましょう。またメールやSNSでのセクハラ行為であったら、メールやスクリーンショットなどを印刷しておくなどして手元に置いておくようにしてください。
抱きつく、身体を触られるなどのセクハラ行為にはセクハラ被害記録をノートなどに書き留めておきましょう。
セクハラ被害記録には、必ず
を明確に記録するようにしてください
セクハラの証拠を押さえておく重要性として、セクハラを受けた側が不利になることを回避するという理由があります。セクハラでは、セクハラをされた側が「本意ではなく、不快に感じた」というところが重要視されます。セクハラ行為に対して自分は不快に思っている・拒否していることを証明するためにも証拠はきちんと集めておきましょう。
ただし、 証拠上はっきりと断っていない場合などは「合意がある」と捉えられ、セクハラと評価されないことがあります。
セクハラは違法行為であり、訴えることもできます。深刻なセクハラに悩んでいる・セクハラを訴えたいと言う場合は弁護士に相談することをお勧めします。セクハラで訴える場合は多くが少額訴訟になり、弁護士の力が必要不可欠になります。
また、セクハラをした側との交渉などを弁護士に依頼することにより代理交渉が可能になり、セクハラを訴える手間と精神的負担を軽減させることができます。
先の項目でもお伝えしましたが、セクハラは男性から女性、上司から部下だけではありません。女性から男性、女性から女性、男性から男性、また部下から上司、同僚間でも性に関わるハラスメントであればセクハラに該当します。
セクハラは誰がいつ巻き込まれてもおかしくない問題です。次の項目では男性から女性へのセクハラ以外の例をご紹介いたします。
「だから彼女に振られるんだよ」、「今彼女いないの?じゃあ、あの子と付き合えばいいじゃない」、「今日はデートだから定時に帰るの?」などはセクハラ発言であり、女性から男性に向かっての発言であっても許されません。
仕事の内容などと恋愛を結びつけることは業務上の合理性がない、業務に不必要であると考えられるためセクハラにあたるのです。
セクハラは同性間でも成立します。女性同士であっても、相手の意に反して身体を触ったり恋人のことをしつこく聞いたりすることはセクハラにあたります。男性同士では、キャバクラなどの風俗に無理やり連れて行かれるといったことも相手が不快に思っている場合はセクハラになります。
また、上司など職場で優位な立場の人間から上記のような言動があり断れないと言う場合はパワハラになります。
パタハラ(パタニティ・ハラスメント)とは、パタニティ=父性に関するハラスメントです。近年、育児休暇をとったり、育児に参加したりする「イクメン」男性が増えています。男性社員が育児休暇をとったことがきっかけで、仕事を与えられなくなったり出世の機会を奪われたりすることはパタハラになります。
また、結婚をしたことで「子供はまだか」など夫婦の性に立ち入るような発言は同性・異性関係なくセクハラにあたる発言です。
セクハラを細かく取り上げると「これではなんでもセクハラになってしまう」と思った方もいると思います。重要なことは「どんな些細なことであっても相手が不快に思えばセクハラにあたる可能性がある」というです。
職場は仕事をしにきているわけですから、業務に関係のないことはしないように心がけるのが得策です。
セクハラの多くは、上司などの職場で優位な立場にある人に言い寄られて断れなかったなどのパワハラ要素を含んだものです。
そのため、被害者が泣き寝入りしてしまうことがあります。しかし、セクハラは違法性が高く、防止措置怠った企業側にも責任がある問題です。
セクハラで悩まれている方はまず証拠を集めることから行動してみてください。
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