出会系詐欺はサクラも逮捕される｜詐欺に加担してしまった際の対処法

出会系詐欺が発覚すると、運営者だけでなく詐欺に加担していたサクラまでも逮捕されることがあります。

もちろん警察がすべての詐欺を逮捕できるわけではないので、発覚せずにやり過ごせる場合もありますが、詐欺罪が立証されると当然逮捕される可能性が高まります。

日本では、起訴をされてしまえば99.9%の確率で有罪判決が出ることをご存知の人もいるでしょう。そうならないようにするためにも詐欺に関与しないことが重要です。

今回は、出会い系詐欺の概要を確認した上で、出会い系詐欺の逮捕事例や逮捕後の流れ、逮捕されてしまった際の対処法などをお伝えします。

出会い系詐欺とは

出会い系詐欺とは、文字通り出会い系サイト等で横行している詐欺のことで、サクラや美人局などがあります。

サクラの場合一般人になりすまし、特定のサイトへの登録を促したり、LINEのIDを聞き出したり、お金を払わせようとしたりします。

詐欺罪の刑事罰の重さ

詐欺行為を行っていた場合、出会い系サイト運営者だけでなく、雇われてサクラをしていた人も罪に問われる場合があります。

もし詐欺罪に該当した場合、10年以下の懲役に処される可能性があります。

人を欺いて財物を交付させた者は、十年以下の懲役に処する。

引用元：刑法246条

詐欺罪が成立する要件

何をもって詐欺というのでしょうか。次の4要件が満たされた場合、詐欺罪が成立します。

• 欺罔（ぎもう）
• 錯誤
• 交付行為
• 財産の移転

出会系詐欺の逮捕事例

ここでは、出会い系詐欺で逮捕された事例をご紹介します。

アイドルを装い高額な金銭を騙し取った例

前田さんらを装った「サクラ」がフェイスブックといった交流サイトを通じて「相談に乗って」などと持ちかけ、出会い系サイトに誘導。サイトではメッセージの送受信で１回数百円が課金されており、「連絡先を教える」などと期待を抱かせ、繰り返し利用させていた。

　ウイングネットは２２サイトを運営し、２２年２月～２４年６月で全国の約３７万人から１１６億円を売り上げたとみられる。

引用元：前田敦子さんら装い出会い系で高額請求　海外逃亡の幹部を詐欺の疑いで逮捕

アイドルに成りすましてターゲットを出会い系サイトへ誘導し、メッセージ受信料を繰り返し騙し取った例です。一回あたりの受信料は数百円ですが、利用者が37万人もおり、トータルで116億円のお金が騙し取られました。

アイドルから一般人のスマホにメッセージが届くことはありませんので、ファンの方ほど過度な期待をしないようにしたいものです。

サクラも逮捕された事例

　出会い系サイトでアルバイトの男らが女性を装ってメールをするなどし、会員から利用料金をだまし取ったとして、千葉県警サイバー犯罪対策課は３日、詐欺の疑いで住所不定のサイト運営会社社長（４２）＝商標法違反容疑で逮捕、処分保留で釈放＝ら３人を再逮捕し、メールを送っていた男ら５人を新たに逮捕した。同社は３つの出会い系サイトを運営。会員はほぼ男性のみで平成１６年以降、延べ２７０万人から計６６億円の莫大（ばくだい）な売り上げがあったとみられる。

引用元：「男の方が男心が分かる」サクラは男性…会員２７０万人の出会い系サイト、詐欺容疑で社長ら逮捕　６６億円荒稼ぎか

出会い系サイトを運営していた社長だけでなく、メールを送っていた男性（サクラ）5人も逮捕されています。サクラはそれとわからないように求人が出ている場合もあり、採用されて仕事をしてみて初めてサクラだったと気づく場合もあります。

ここで辞めていれば良いのですが働き続けると最悪この事例のように逮捕されてしまうので、早い段階で身を引きましょう。

アルバイトであっても逮捕された事例

　アルバイトの従業員が「サクラ」役を演じる虚偽の出会い系サイトを運営し利用者から料金をだまし取ったとして、福岡県警は15日、元サイト運営会社社長（37）＝福岡市西区吉武＝と元従業員６人を詐欺容疑で逮捕した。サイトの会員は全国に約12万人おり、被害総額は約20億円に上る見込み。

引用元：「サクラ」使い出会い系サイト勧誘　詐欺容疑で７人逮捕

アルバイトあってもサクラをすると逮捕されてしまうことに変わりはありません。この事件では、メッセージを一回受信するのに450円かかり、被害者の中には1,900万円を支払った人もいるそうです。

出会い系サイトのサクラをやる危険性

上記の例を踏まえ、サクラをやってしまうとどんなリスクがあるのか確認していきましょう。

詐欺の片棒を担いでしまう

上記の例でもお伝えしましたが、アルバイトだからといって逮捕されないわけではありません。サクラは人を騙すものと認識をしながら詐欺に加担し、利用者からお金を騙し取っていますので、雇用関係に関係なく詐欺罪が成立する可能性があります。

逮捕される可能性がある

詐欺で摘発された例があるのは上記でお伝えした通りです。詐欺に遭った人は、最初は本物の異性と信じていますが、しばらくたつと冷静になり、自分が騙されたことに気づきます。そして警察に被害届を出し、警察が捜査をすることで出会い系業者が摘発されます。

損害賠償を請求される可能性がある

詐欺罪が成立した場合10年以下の懲役が科されますが、それだけではありません。被害者から損害賠償を請求されれば、アルバイトも連帯責任で支払い義務が生まれる可能性があります。

運営者の罪が重いことに変わりませんが、アルバイトのサクラは実行犯であるため、自分は安全と思わない方が良いでしょう。

出会い系詐欺で逮捕された後の流れ

基本的にどのような容疑で逮捕されたとしても、

次のような流れで進みます。

• 警察による逮捕：最長48時間
• 検察庁への送致：最長24時間
• 勾留：原則10日、延長の場合最大20日
• 起訴・不起訴の判断

出会い系詐欺で逮捕された場合の対処法

詐欺の片棒を担いでしまい逮捕された場合はどうすれば良いのでしょうか？上記でお伝えした内容を踏まえつつ、容疑をかけられた時にやるべきことをお伝えします。

誤認逮捕された場合は容疑を認めない

もし詐欺をしていないにもかかわらず逮捕されてしまった場合は、容疑を認めるようなことをしてはいけません。容疑を否認したり、黙秘権を使ったりしましょう。

また、供述調書にサインをする際は内容をよく確認するべきです。供述調書は取り調べの内容を記した書類なので、サインをすると「この内容で間違いありません」と同意したことになります。

内容をよく確認し、おかしい箇所があればサインしないようにしましょう。

弁護士を呼ぶ

先程もお伝えしたように、起訴された場合99.9%有罪判決がでます。したがって、起訴されないよう働きかけることが重要となります。そのためには、できるだけ早く弁護士を呼び、刑事弁護をしてもらわなければなりません。

弁護士に依頼をすると、次のようなメリットがあります。

12. 取り調べでどう対応すれば良いのか助言を貰える
13. 釈放を目指して活動をしてくれる
14. 不起訴になるよう対策をしてくれる
15. 示談にできるよう被害者に働きかけてくれる
16. 執行猶予にできる可能性がある

もちろん、被害額や被害件数、証拠の有無によっては上記のようなメリットを得られない場合もあります。ただ、起訴されないようにしたり、刑を軽くしたりするためには、弁護士に刑事弁護を依頼することをおすすめします。

なお、詐欺事件は被疑者国選制度が利用できますので、勾留されれば自動的に弁護士が付きます。

まとめ

出会い系詐欺に関わっていた場合、雇われてサクラをしていた人も実行犯であるため逮捕されることがあります。

気づかずに詐欺を行う会社に入社してしまった場合は、すぐ退社しましょう。また、逮捕され起訴をされてしまうと高確率で有罪になり、執行猶予か懲役になってしまいます。

そうならないようにするためにも、起訴までの期間内に刑事弁護をした実績がある弁護士に依頼することが重要です。