治療対応の有無と医療過誤
人工透析をしている父が先日急性冠症候群で亡くなりました。
亡くなった日は午前中透析のため病院に到着後意識が遠のき、心筋虚血の症状が現れ、また同時に高カリウム血症の症状(心電図でテント状T波)も見られたため直ちに人工透析を開始し意識は戻り症状は治まりました。
その後自宅へ戻りその晩急性冠症候群で亡くなりました。病院で心筋虚血の症状が現れてから18時間後のことですがこの症状に対しては特に何ら治療対応はされませんでした。もしその場で治療対応をしていただいていれば助かったのではという思いがあり、そのような対応をしていただけなかったことが医療過誤にあたらないかどうかお伺いします。
担当された医師も認識不足であったと非を認めています。
相談者(ID:1758)さん
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御相談いただき有り難うございます。 急性冠症候群は、不安定狭心症と心筋梗塞と合わせた疾患概念...
急性冠症候群は、不安定狭心症と心筋梗塞と合わせた疾患概念です。両者の違いは冠状動脈の狭窄の程度の違いです。完全に狭窄すると心筋梗塞となります。
心筋梗塞を発症すると、その後は急激に状態が悪化しますので、亡くなられた日の午前、意識レベルが低下したときに、まだ、不安定狭心症の状態だったのではないかと推測されます。
このときに十二誘導心電図を測定したようですが、このときに心筋虚血を示唆するST上昇が表れていたのではないかと思います。
この時点で、お父様について急性冠症候群(のうちの不安定狭心症)と診断でき、かつ、その治療としては、抗血小板薬などの薬物療法、血栓溶解療法の適応があるときは、血栓溶解剤の投与、カテーテル療法(経皮的冠動脈インターべーション:PCI)、CABG(冠動脈バイパス手術)などが考えられますが、治療を実施していれば、救命が可能であったと判断できる事情があれば、御相談でご指摘なさっているとおり、治療対応の無かったことは医療過誤ということになります。
ただ、恐縮ですが、お父様は、人工透析を受けていらっしゃたということは慢性腎不全の状態だったとみられ、耐術能から治療に限界があった可能性もあります。
カルテを拝見できれば、もう少し詳しいご回答ができます。
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