ワンクリック詐欺で電話をした方が取るべき業者への対処方法

弁護士法人ネクスパート法律事務所
監修記事
ワンクリック詐欺で電話をした方が取るべき業者への対処方法

ワンクリック詐欺に遭われた方の中には、「急いで解約しなければならない」と思い、業者へ電話をかけてしまう方も少なくないでしょう。電話をしてしまったことにより「ワンクリック詐欺を行っている業者に、電話番号以外の個人情報が知られてしまったのではないか…。」、「それによって業者から法的手段に訴えられるのではないか…。」気になるところです。

今回の記事では、電話をかけたことによって業者に身元が割れてしまうのか、電話をかけたことにより業者がどのような対応を取るのか、また、ワンクリック詐欺で電話をした場合どのような対応を取るべきかについてまとめてみました。

 

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ワンクリック詐欺で電話をした人が知っておきたいこと

最初に、ワンクリック詐欺で電話したことをきっかけに、業者へ電話番号以外の個人情報がもれてしまうのか、業者側はそれに対してどのような対応をとるのかについて説明していきます。

電話番号から個人情報が漏れることはあるのか

ワンクリック詐欺で電話をかけた場合、電話番号は相手側に知られてしまいます。これは、常に非通知で電話をかける設定をしていたとしても、です。

ワンクリック詐欺業者の電話番号には、発信者の番号を通知する発信方法(頭文字に186をつける)を用いているため、そのままかけてしまうと相手に電話番号がバレてしまうのです。

また、電話をする前の段階で、ワンクリック詐欺のウィンドウを開いた瞬間に、業者側は、以下の5点の情報を得ることができます。

  • IPアドレス
  • リモートホスト
  • プロバイダ情報
  • GPS機能から読み取った位置情報
  • OS・ブラウザのバージョン

電話越しでは、これらの情報を並べることで、あたかも業者側はこちらの個人情報を知っているかのように装いますが、こちらの情報はご利用のスマートフォン・PCに関する情報であり、個人を特定するための情報ではありません

電話番号から個人情報を知ることは可能か

また、電話番号を介して個人情報を入手することができるのか疑問に感じると思いますよね。結論から言うとほとんど不可能。電話番号から個人情報を調べるためには、電話会社に個人情報を開示してもらう必要がある上に、個人情報の管理は厳密に行われています。

もし電話会社へ個人情報を開示してもらうのであれば、裁判所へ情報開示請求を申し立て、許可をもらう必要があります。ワンクリック詐欺を運営する業者は、出所を隠している場合が大半であり、自ら身元を明かす真似をすることは考えられません。

個人情報がバレるケースもある

しかし、ワンクリック詐欺が行われているサイトに、自ら個人情報を入力してしまう場合は別。入力した個人情報に限っては相手側に握られてしまいます。

またワンクリック詐欺の中には、アプリやソフトを介したものもありますが、その種のアプリやソフトをダウンロードした場合も個人情報が漏えいしている可能性はゼロではないでしょう。ダウンロードしたアプリやソフトから、お使いのスマートフォンまたはPCにウイルスが侵入することで、業者側へ個人情報が漏えいするかもしれないのです。

別の業者から架空請求の連絡が来ることもある

ワンクリック詐欺の業者へ電話をかけた場合、その後、業者からしつこく電話が来るでしょう。さらに教えた電話番号が悪用されることもあるので、ワンクリック詐欺の業者と繋がりのある他業者から連絡が来るかもしれません。

支払いに応じる必要があるのか|契約の妥当性

ワンクリック詐欺の多くは、登録したことによる登録料、支払が遅れることによる延滞金、解約をするための解約料が請求されます。業者との契約は妥当なものなのか、業者側の請求に応える必要があるのかは、気になるところでしょう。 

まず前提として契約は双方の合意の元に成立するものです。ワンクリック詐欺では、ボタンをクリックしたことで契約が成立した旨表示されますが、ボタンクリックが有料であることを明らかにしていない以上、双方の合意の元に契約が成立したとは言えません。 

また、インターネットにおけるサービスを提供する側は、法律上、利用者が契約の内容を確認する場を設ける必要があります。その点からも、クリックしただけで契約が完了することは法的にはありえないのです。

法的手段に訴えられることはあるのか

ワンクリック詐欺の業者へ電話をかけた方は、業者から法的手段に訴えられるのかどうか心配になるでしょう。

しかし裁判に訴えられることは、ほとんどありえません。基本的に裁判は相手側の住所や氏名がわからなければ申立てすることが難しく、電話番号だけでは情報が不十分だからです。

住所不明の場合でも公示送達という制度を利用することで裁判を起こすことはできますが、そのためには訴える相手側の居所を調べた調査報告書と、訴える側の住民票や戸籍を裁判所に提出しなければなりません。ワンクリック詐欺を行う業者が、自ら身元を明かすようなリスクを取るとは考えにくいのです。

しかしながら、ワンクリック詐欺ではありませんが、架空請求を行った業者から訴訟を起こされた前例があります。その判例に関しては「ワンクリック詐欺における裁判の実態と提訴された際の対処法」を参照にしてください。

警察に相談するべきなのか

ワンクリック詐欺の業者へ電話をかけてしまった人のなかには、警察に業者への対応をお願いしたい人もいるでしょう。実際のところ電話をかけただけでは警察は取り合ってくれません。事件性がなければ警察は対処してくれません。業者へお金を振り込んでしまった、クレジットカードの情報を教えてしまった、といったは警察に被害届を出しましょう。

 参照:「ワンクリック詐欺への警察の対応と被害が知っておくべき対処方法

 

ワンクリック詐欺の業者へ電話した場合の対処方法

では、実際にワンクリック詐欺の業者へ電話をしてしまった方が取るべき行動について紹介していきます。

まずは無視をする

まず、前提として業者からかかってくる電話はすべて無視してください。先ほどもお伝えした通りワンクリック詐欺における契約は法的には効力はありません。下手に電話の相手をしてしまうと業者側の連絡もしつこくなるので、相手側が諦めるまで無視しましょう。

立て続けに電話が来た場合

電話を無視しているのにも関わらず、業者からの電話が止まらない場合は、以下の手段を取るといいでしょう。

業者側の電話番号は控えておく

まず、電話をかけてくる業者の電話番号を控えることです。

電話の内容を録音する

そして一度、電話に応じてみて、その電話の内容をすべて録音してください。その際に、業者側へ録音した旨を伝えると、相手側も動揺するはず。 ただ、電話に出る際には、こちらの情報が業者に一切知られないようにする必要があります。

着信拒否に設定する

その後、着信拒否に設定することで相手からの電話を止めましょう。

それでも電話がくる場合は電話番号を変更する

しかし着信拒否に設定しても、違う番号を介して電話がかかってくるかもしれません。多方面から電話が止まらないためキリがないと思った方は、最終手段ですが電話番号を変更しましょう。

念のためウイルススキャンを行う

ワンクリック詐欺の被害に遭った方の中には、アプリやソフトをダウンロードした人もいるでしょう。この場合、スマートファン、パソコンを起動する度に、請求画面が表示される場合が多いですが、ウイルスに感染している可能性もあるので、ウイルススキャンを行ってください。

その上で、不正サイトをブロックするためにセキュリティソフトやアプリをインストールするといいでしょう。

自分の力でどうしたらいいかわからない方のための相談先

もし自分で対処しきれないと思う方は、国民生活センターや弁護士に相談するとよいでしょう。ワンクリック詐欺の手口や、対処方法を法的な面を踏まえて相談することができます。国民生活センターに関しては電話のみのお問い合わせになりますが、無料で相談することができます。

弁護士に関しては相談料が発生するケースもありますが、初回に限り無料で対応している弁護士事務所もあるので検討してみるのもいいでしょう。

 

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ワンクリック詐欺の被害に再び遭わないためには?

では最後に、今後、ワンクリック詐欺の被害に遭わないために必要なことについて紹介していきます。

ワンクリック詐欺の手口を知る

まず、業者がどのような手口でワンクリック詐欺を行うのかを知ることが必要です。

丁寧な電話対応で正当な契約を装う

すでに業者へ電話をかけた方は、ご存じだと思いますが、あたかも請求や契約が、正当な内容であることを装うために、業者は丁寧に応対します。電話をかけた人を油断させるための手法ですので、気を付けましょう。

利用者の不安に付け入る

ワンクリック詐欺では、クリックしたウィンドウにユーザーのIPアドレスやプロバイダ情報が掲載されますが、利用者の不安に付け入るための手口であり、先ほど説明した通り個人を特定するほどの情報は把握していません。

支払期限を短く設定して支払を焦らせる

また、支払期限が短く設定されている場合が多くみられます。『期限に間に合わなかった場合、延滞金が発生します』と表記されていますが、ユーザーに早く支払わなければと思わせるための手口に過ぎません。

参照:「ワンクリック詐欺の手口に引っかからないための知識のまとめ

閲覧するサイトを制限する

ワンクリック詐欺は、アダルト・出会い系に限らず、色々なジャンルのサイトに存在します。より安全な環境でネットを利用するためにも、出所が不明なサイトの利用は控え、メジャーな業者が運営しているサイトを利用するようにしましょう。

ポップアップブロックの設定

インターネットを利用していて、あるページにアクセスした瞬間、別のウィンドウが自動的に開いた経験のある方は少なくないと思います。自動で別のウィンドウが開くのを防ぐポップアップブロックという機能があります。ワンクリック詐欺を予防する上で効果的な機能です。

利用規約を読む

今後、ワンクリック詐欺に限らず架空請求のやり口は、巧妙になっていくと思います。法的な面でも詐欺と立証するのが難しいやり口が現れるかもかもしれません。インターネットを利用する際は、できる限り利用規約に目を通すようにしましょう。

 

まとめ

ワンクリック詐欺へ電話をしてしまった方は、まずは慌てずに対処することが大切です。ワンクリック詐欺へ電話をかけた方が、今後、ワンクリック詐欺の被害に遭わないためにも今回の記事を役立てていただけたらと思います。

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弁護士法人ネクスパート法律事務所
2016年1月に寺垣弁護士(第二東京弁護士会所属)、佐藤弁護士(東京弁護士会所属)の2名により設立。遺産相続、交通事故、離婚などの民事事件や刑事事件、企業法務まで幅広い分野を取り扱っている。

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