チケット詐欺の被害額を返金してもらう為の必要な知識まとめ

弁護士法人ネクスパート法律事務所
監修記事
チケット詐欺の被害額を返金してもらう為の必要な知識まとめ

チケット詐欺とは、興行用(コンサートなどのイベント)のチケットを売買する際に、金銭を受けとった上でチケットの引き渡しを行わない詐欺行為。

掲示板やSNS、オークションサイトを介して、チケット詐欺は行われますが、被害に遭った方の多くは興行の開催日間際か当日になってから詐欺だと気付きます。

被害金額が少額であるため、泣き寝入りするケースが多いのですが、チケット詐欺で支払ったお金を返金させることは可能なのでしょうか?

今回の記事ではチケット詐欺の被害額を返金してもらう方法やチケット詐欺を事前に防ぐための方法についてまとめてみました。

 

チケット詐欺による被害額を返金してもらうためには

早速ですが、チケット詐欺により振り込んだお金を返金してもらうためにはどうすればいいのでしょうか。

詐欺を働く相手が、素人かプロかによって対処の方法は変わってきます。素人を相手にする場合、いかに相手に精神的なプレッシャーをかけるのかが返金してもらうための鍵。

相手側の住所・連絡先が実在するものかどうか確認する

まず最初に、相手の連絡先をどこまで把握しているのかを、過去のやり取りを通して確認してみましょう。

その上で、電話番号、メールアドレス、住所、氏名が実在するものなのかどうか確認してください。

メール・電話での催促する

その次にメールや電話を介して、返金に応じさせるために相手にプレッシャーをかけます。

「返金に応じない場合は、警察へ被害届を提出します。」「法的手段に訴えることも検討しております。」などを電話やメールを介して伝えるとよいでしょう。

内容証明郵便を送達する

電話・メールで催促しても返金に応じてもらえない場合は、内容証明郵便を利用して書面にて返金の催促を行いましょう。

内容証明郵便とは、書面を郵送した事実を法的に証明するために使用するための郵便方法であるため、一般の郵便と比べると送り主に精神的なプレッシャーを感じさせることができます。

内容証明郵便の内容については以下のテンプレートを参考にしてください。

 

平成〇年○月〇日〒160-0023
東京都新宿区西新宿7丁目7番29号
西新宿ビル7F
アシロ 太郎殿
 

〇〇チケットの返金について

平成〇年○月〇日、〇〇オークションにて貴殿が出品した〇〇チケットを〇〇円で落札をし、平成〇年○月〇日に貴殿の〇〇銀行〇〇支店の口座番号〇〇に落札価格の〇〇円を送料込みで振込したところ、平成〇年○月〇日時点、貴殿が出品した商品〇〇チケットが送達されておりませせん。
商品を郵送せずに代金を受け取ることを目的としているのであれば、刑法第246条の詐欺に該当する行為です。この件に関しまして、警察に被害届を提出する準備を行っており、民事訴訟を介して損害賠償請求の申立も検討しております。
取り急ぎ、以下で記載する金額を以下で指定する口座へ入金することを要求致します。
 

振り込み済みの代金〇〇円

本通知に要した郵送料〇〇円

振込手数料〇〇円

【指定先口座】
〇〇銀行〇〇支店
口座番号:〇〇〇〇
アシロ太郎
 

〒160-0023

東京都新宿区西新宿7丁目7番29号

西新宿ビル7F

アシロ 太郎

 

内容証明郵便の使用方法については詳しくは、「債権回収に必要な内容証明の利用方法と知識のまとめ」を参照にしてください。

法的手段

もし、内容証明郵便を送っても支払いに応じてもらえない場合は、少額訴訟、支払督促などの法的手段で訴えましょう。

これらの手続きは、詐欺師の住所を管轄する簡易裁判所にて手続きを行います。

少額訴訟の方法

少額訴訟とは、60万円以下の金額を請求するための法的手段であり、手続きの流れは以下の通りになります。

  1. 訴状を提出
  2. 裁判所から審理の日程が指定
  3. 被告が答弁書を提出
  4. 審理による話合い

手続きは大体2ヶ月くらいで完了しますが、詳しくは「少額訴訟マニュアル|少額訴訟の手続き方法と費用徹底解説」を参照にしてください。

支払督促の方法

支払督促も、少額訴訟同様に、金銭を請求するために用いる法的手段になりますが、直接、詐欺師と顔を合わせることなく手続きを完了させることができます。

申立を行うと、詐欺師へ督促異議申立書が送られてきますが、詐欺師が異議申立を行わなければ手続きがは完了です。

もし、詐欺師が異議申立を行えば民事訴訟へ移行することになります。

大体、1、2ヶ月で手続きは完了しますが、手続きについて詳細は「支払督促とは|申立方法と手順や弁護士選びに必要な知識まとめ」を参照にしてください。

相手の所在地が掴めない場合のチケット詐欺の返金方法

相手の所在地が掴めない場合のチケット詐欺の返金方法

以上が、素人を相手にしたチケット詐欺の返金手段になりますが、相手側の住所がわかっていなければ、この返金手段を利用することはできません。プロの詐欺師であれば、実在の住所を教えることはないでしょう。

以下、プロの詐欺師を相手にした場合のチケット詐欺の返金方法について説明していきます。

証拠書類を保存しておく

まず、金銭のやり取りが行われる間に、詐欺師と連絡を取り合っていると思いますが、その間に入手した相手側の情報はすべて保存してください。

具体的には、

  • 詐欺師の連絡先など情報
  • 日付(オークション詐欺の場合)
  • 掲示板のアドレス
  • 詐欺師の書き込み内容
  • 他の人の詐欺師に対する書き込み内容
  • 詐欺師とのメール内容(画像・写真全て)
  • 送金伝票など振込情報の記録

 

などの情報を保存しておくとよいでしょう。特に掲示板やSNSを介してチケット詐欺に遭われた方は、オークションサイトと違い、サイトの運営側から金銭の補償が望めません。

そのため、証拠となる書類はできるだけ多く保存しておくのが好ましいです。

掲示板の記録がない場合は掲示板の運営者へ問い合わせする

掲示板を介してチケット詐欺に遭われた方は、詐欺師の書き込み内容は証拠として保存しておくべきですが、掲示板によっては記録が残っていない場合があります。

この場合は、掲示板を運営する会社へ直接、『ネット詐欺に遭われた旨』、『掲示板のURL』、『保存しておきたい書き込みの情報(依頼内容)』、『こちら側の氏名・連絡先』を記載した上で、過去の書き込み記録の情報を提供してもらいましょう。

金融機関への連絡

チケット詐欺は、振込め詐欺の一種として取り扱われます。そのため、振込め詐欺救済法によって、金融機関も詐欺師の銀行口座の凍結から被害者への返金まで対応してくれるので、入金した銀行の窓口へ振込詐欺に遭った旨を報告しましょう。

金融機関への報告から返金までの流れは以下の通りになります。

  1. 口座の名義・振込日・金額を入金した金融機関の窓口へ報告
  2. 被害回復分配金支払申請書・「本人確認書類」「振込事実を確認できる資料」を(入金から3ヶ月以内)提出
  3. 詐欺師の振込先の預金口座の凍結
  4. 詐欺師の預金口座の預金残高が預金保険機構のサイトにて公告
  5. 被害の申立人へ返金

口座からすでにお金が抜かれていた場合は、被害額が返金されることはありませんので、なるべく早いタイミングで行動に移すことが大切です。

オークションサイトへ被害の補償について問い合わせる

オークションサイトを介して、チケット詐欺に遭われた方は、オークションサイトから被害の補償を受けることが可能かどうか問い合わせてみましょう。

オークションによって被害の補償の手続きの内容は異なります。ヤフーオークションの手順は「Yahoo!オークション補償 – 補償審査の流れ – ヤフオク!」に記載がありますのでご確認ください。

警察へ被害届を提出する

金融機関への申立と同時に警察へ被害届の提出も行いましょう。

チケット詐欺への警察の対応は、『入金先の口座の凍結』から『口座情報の開示』、『返金』という流れになりますが、金融機関に申し立てた場合と大体同じ流れになります。

金融機関へ申し立てた場合と同様に、既に口座に残金がない場合もあるので早めに被害届を提出するようにしましょう。

被害者同士で連携を図る

実際のところ警察は対応が遅いと言われております。その理由は、『被害金額が少額』、『証拠が揃いづらい』ということ。

また、詐欺事件として捜査されるのは興行の開催日が過ぎた後であり、金銭を振り込んだ時点ではほとんど捜査されません。

金銭が振り込んだ時点では事件性はないため、詐欺をする側は被害者が被害届を提出するまでの間に、警察からの捜査を逃れるための準備をすることができます。

そのため、警察は事件に対してあまり積極的に操作をしないと言われておりますが、今後被害者が多くなれば警察も優先順位を上げるかもしれません。

犯行現場になった掲示板への報告

一般的にチケット詐欺は、1つの興行用チケットに対して複数人の買い手を相手にしているため、被害者は複数人います。

そのため、犯行現場のあった掲示板、SNSなどで他に被害に遭った人に被害者同士が力を合わせるために呼びかけるのも1つの手です。

呼びかける際は、詐欺師の具体的情報(詐欺の内容・チケットの日付・詐欺師に関する情報)などを掲示板に掲載して他の被害者を探すとよいでしょう。

弁護士への依頼

もし、上記の手段をとってもだめだった場合は弁護士に相談することをおすすめします。

弁護士会照会制度という、弁護士法23条の中で規定されている弁護士だけに許された調査方法を駆使して、犯人の特定を支援してくれる弁護士もいます。

チケット詐欺の被害額を返金してもらう為の必要な知識まとめ

チケット詐欺に騙されないための予防策

では最後になりますが、今後、チケット詐欺に引っかからないために必要なことについて紹介していきます。

 

チケット詐欺の手口を知る

まず、大切なことはチケット詐欺の手口を知ることでしょう。

チケット詐欺を行う人間は、興行用チケットの買い手を募集する際に、「余分にチケットが手に入ってしまった。」「当日は、諸事情で見に行けなくなってしまった。」などの募集文句を用います。

この手の募集文句を見かけた場合は、チケット詐欺だと疑ってみてください。

先に金銭を振り込まない

また、チケット代は先に振り込まないことが詐欺に引っかからないためには必要です。

今後、ネットを介してチケットの売買をする際には、『チケットの受け渡しは対面形式にする』、『代引きによる郵送形式』にするなどをして、チケットが届かなかった事態を避けるようにしましょう。

相手の電話番号・住所の所在地を確認する

チケットの売買をする際に、相手と電話番号・住所などの連絡先を交換することがあります。

この際に、相手の連絡先が実在するものなのか必ず確認してください。もし偽物であれば詐欺の可能性が高いので、掲示板やオークションサイトを運営する管理者に報告しましょう。

交渉の段階でメールだけでなく電話で話をする

チケットの売買を交渉する際は、メールだけでなく電話で話をするようにしましょう。

チケット詐欺は違法の業者が行っている場合もあり、教えられた番号が無関係のFAXの番号の可能性が高いためです。

返答が遅い場合は交渉を打ち切る

チケット詐欺では、忙しさを理由に連絡の返答が遅い場合があります。これは1つのチケットに対して、複数の相手と交渉しているためです。

そのため相手の返答が遅い場合は、交渉を打ち切りましょう。

被害の補償をしてくれるオークションサイトを使う

オークションサイトを介してチケットの売買をする方は、チケット詐欺の被害に遭われた場合に備えて、被害の補償を行ってくれるオークションサイトを利用するようにしましょう。

そのためオークションサイトを選ぶ際は、利用規約に記載されている補償制度を確認してください。

大手のオークションサイトは、被害の補償制度が充実しているため、大手のオークションサイトを選ぶことをおすすめします。

まとめ

チケット詐欺に遭われた方は、被害額を返金してもらうために取り急ぎの対応が求められます。

被害に遭われた方、オークションサイトなどを通して興行用チケットを買われる方が当記事を参考にしていただけたら幸いです。

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弁護士法人ネクスパート法律事務所
2016年1月に寺垣弁護士(第二東京弁護士会所属)、佐藤弁護士(東京弁護士会所属)の2名により設立。遺産相続、交通事故、離婚などの民事事件や刑事事件、企業法務まで幅広い分野を取り扱っている。

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