ワンクリック請求への対処方法と予防策を状況別に解説

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弁護士法人ネクスパート法律事務所
寺垣 俊介
監修記事
ワンクリック請求への対処方法と予防策を状況別に解説

ワンクリック請求とは、サイト上で行われる架空請求の一種です。画像やリンクをクリックしただけで金銭を請求され、近年ではパソコンだけでなくスマートフォンの利用者も被害に遭っています。

実際に請求がなされてしまった場合、不当だとは思いつつ、どこまで個人情報が漏れてしまっているかや、請求を無視した場合のリスクなども不安に感じられるかと思います。

ネットを安全に利用するために、こちらの記事では、ワンクリック請求の手口をご説明した上で対処方法や予防策についてご案内します。

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ワンクリック請求への基本的な対処方法

では、ワンクリック請求に遭った方はどのように対処すればいいのでしょうか。以下でお伝えします。

ワンクリック請求の目的を知り、必要以上に焦らないようにする

まずは、業者側がなぜワンクリック詐欺を行うのか、目的を理解する必要があります。業者の目的は個人情報を取得すること、(また、個人情報を脅し文句として)お金を騙し取ること、の2点です。

そのために難解な用語をちらつかせてきたり、「法的手段を検討する」など脅すような表現を使ってきたりします。難しい言葉や法的手段に訴えると言っているからといって、法的に正しいことを言っているわけではありません。

請求を無視して請求画面を閉じる

ワンクリック請求の場合、契約が成立していないためお金を払う必要はなく、無視で問題ありません。売買契約は、売手と買手の双方の合意によって成立します。ワンクリック請求では合意が形成されていない為、契約は成立していないのです。

また、ネットを介して有料のサービスを提供する場合、原則としてユーザーへ契約内容を確認・修正する機会を与えなければならず、この点においても契約は不成立であると解されます。

間違っても業者へ電話・メールで問い合わせをするのはやめましょう。請求は無視し、請求画面のウィンドウを閉じてください。

主務大臣は、販売業者又は役務提供事業者が第十一条、第十二条、第十二条の三(第五項を除く。)若しくは前条第一項の規定に違反し、又は次に掲げる行為をした場合において、通信販売に係る取引の公正及び購入者又は役務の提供を受ける者の利益が害されるおそれがあると認めるときは、その販売業者又は役務提供事業者に対し、必要な措置をとるべきことを指示することができる。

  1. 通信販売に係る売買契約若しくは役務提供契約に基づく債務又は通信販売に係る売買契約若しくは役務提供契約の解除によつて生ずる債務の全部又は一部の履行を拒否し、又は不当に遅延させること。
  2. 顧客の意に反して通信販売に係る売買契約又は役務提供契約の申込みをさせようとする行為として主務省令で定めるもの
  3. 前二号に掲げるもののほか、通信販売に関する行為であつて、通信販売に係る取引の公正及び購入者又は役務の提供を受ける者の利益を害するおそれがあるものとして主務省令で定めるもの

引用元:特定商取引に関する法律:第十四条

消費者が行う電子消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示について、その電子消費者契約の要素に錯誤があった場合であって、当該錯誤が次のいずれかに該当するときは、適用しない。ただし、当該電子消費者契約の相手方である事業者(その委託を受けた者を含む。以下同じ。)が、当該申込み又はその承諾の意思表示に際して、電磁的方法によりその映像面を介して、その消費者の申込み若しくはその承諾の意思表示を行う意思の有無について確認を求める措置を講じた場合又はその消費者から当該事業者に対して当該措置を講ずる必要がない旨の意思の表明があった場合は、この限りでない。

  1. 消費者がその使用する電子計算機を用いて送信した時に当該事業者との間で電子消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示を行う意思がなかったとき。
  2. 消費者がその使用する電子計算機を用いて送信した時に当該電子消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示と異なる内容の意思表示を行う意思があったとき。

引用元:電子消費者契約及び電子承諾通知に関する民法の特例に関する法律:第三条

請求内容・サイト情報は記録しておく

万が一、事件に巻き込まれた場合に備えて、請求内容は写真やスクリーンショットで記録しておいてください。URLなどサイトに関わる情報も記録しておくといいでしょう。

状況別|ワンクリック請求で被害に遭った際の対応方法

ワンクリック請求への基本的な対処方法は無視で問題ありませんが、請求画面が閉じない、電話が止まらないなどの実害が発生している場合は、次の対処方法を試してみましょう。

請求画面が閉じない場合

ワンクリック請求の画面が閉じない場合や、閉じても再び画面が表示される場合などはどうすればいいのでしょうか。この場合、ご利用のブラウザから履歴を削除してください。ブラウザに閲覧した記録が残っていることで再び同じ画面が開くためです。

また、パソコンをご利用の方は、ウイルスに感染していて、請求画面が閉じない可能性があります。ウイルスに感染したことで、個人情報が漏えいする危険があるので、パソコンを利用の方は、ウイルススキャンやセキュリティソフトのインストールを行いましょう。

電話・メールによる請求が止まらない場合

電話・メールによる請求が止まらない場合ワンクリック請求の登録を解除するために、業者に問い合わせをしてしまった方もいるでしょう。この場合、個人情報を知られることで業者から度重なる電話(メール)がくると思いますが、対応せずに徹底的に無視をして下さい。

また、業者からの連絡を止めるために、業者の連絡先を着信(メール)拒否に設定するといいでしょう。拒否設定をしても業者が別の番号を使って請求をしてくる場合は、電話番号(メールアドレス)を変更するのが無難です。

参照:「ワンクリック詐欺で電話をした方が取るべき業者への対処方法

指定の口座にお金を振り込んでしまった場合

もしお金を振り込んでしまった場合は、警察や銀行に被害届を提出してください。お金を振り込んでしまった場合であれば、警察は事件として取り扱ってくれます。しかし、警察や銀行が対処したからといって、必ずお金が戻ってくるとは限りません。

お金を回収したい場合は、弁護士に相談するといいでしょう。

参照:「ワンクリック詐欺への警察の対応と被害が知っておくべき対処方法

裁判所から支払督促が届いてしまった場合

ワンクリック詐欺とは言え、対応せざるを得ない場合がこちらのケースです。もしワンクリック詐欺のサイトに住所などを打ち込んでいた場合、その情報が悪用され、このような状況が発生する例があるようです。

偽造された文書の可能性もありますが、万一、裁判所からの本物の支払督促だった場合、放置すると支払い義務が生じかねません。弁護士など専門家や国民生活センターにご相談し、対処していただければと思います。

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ワンクリック請求に遭わないための予防策

最後に、ワンクリック請求の被害に遭わないために必要なことについて紹介していきます。

怪しいサイトの閲覧を控えるようにする

まず、アダルトサイトや出会い系サイトなどワンクリック請求がよく行われるサイトへのアクセスは控えるようにしましょう。また最近では、芸能人のゴシップサイトやゲーム攻略系サイトなど、日常的にアクセスするサイトでワンクリック請求が行われる場合があります。

送信元が不明のメールに記載されたURLにはアクセスしない

心当たりのないアドレスからメールが送られてきた場合、フィッシング詐欺の可能性もありますのでメールに記載されたURLをクリックしないようにしましょう。

フィッシング詐欺とは、SNSや、銀行、クレジットカードなどのログイン情報を盗む類の詐欺であり、メールに記載されたURLをクリックすると、実在するサイトのログイン画面にそっくりのページが表示されます。

フィッシング詐欺の対処方法について、詳しくは「フィッシング詐欺の手口の特徴と対処方法のまとめ」を参考にしてください。

ポップアップブロックの設定

ワンクリック請求では、自動で別ウィンドウが開くポップアップ機能が用いられます。ポップアップ機能を防止するためにも、ご利用のデバイスで『ポップアップブロック』という機能を活用してください。

《ポップアップブロックの設定の仕方》

  • パソコン:ブラウザ上の「設定」
  • アイフォン:「設定」→「safari」→「ポップアップブロックをON」
  • アンドロイド:「設定」→「高度な設定」→「ポップアップをブロック」

上記の方法でポップアップブロックを設定すれば、もしも怪しいサイトにアクセスしてしまったとしても、ワンクリック請求の別画面が勝手に開かれることがなくなります。

利用規約を事前に読む

動画配信などのサービスを利用する際には、利用規約を確認してください。

ワンクリック請求を行うようなサイトにはそもそも利用規約が無い場合や、不審な内容が記載されている場合もある為、信頼できないサイトか判断する上で参考材料となります。

ワンクリック請求でよくある手口の例

では早速ですが、ワンクリック請求の手口を確認していきましょう。

画像をクリックしたら請求画面が開く

ワンクリック請求は、アダルトサイト上で行われることが多く、サイト内にはアダルトコンテンツに遷移するように見せかけた画像が用意されています。画像をクリックすると、架空請求のウィンドウが表示されます。

アプリをダウンロードしたら請求画面が開く

アダルトサイトでは、動画再生するためのアプリやソフトをダウンロードすることを勧められますが、これはワンクリックウェアと呼ばれる手口で、指定のアプリやソフトをダウンロードすると、請求画面が表示されます。

これらのソフトをダウンロードすると、氏名、電話番号、住所などの個人情報が抜かれるリスクがあるので、ワンクリックウェアに遭遇した方は、ウイルススキャンをしてください。

メールを開けたら請求画面が開く

メールを開けたら請求画面が開く知らないアドレスからメールが送られてきたら、ワンクリック請求の可能性があります。送られてきたメールにURLが記載されていて、リンクを開くと、請求画面が表示される仕組みです。

参照:「ワンクリック詐欺の手口に引っかからないための知識のまとめ

ワンクリック請求手口の背景を理解する

ワンクリック請求に騙されないためには、ワンクリック請求の背景を理解する必要があるでしょう。

IPアドレスなどが掲載される理由

ワンクリック請求で表示される請求画面には、IPアドレスやプロバイダ情報、住まいの地域など、こちら側の情報が記載されています。業者側は全てお見通しなのではないかと不安に思うのも無理はありませんが、脅し文句として記載しているに過ぎません。

これらの情報は、サイトへアクセスしているユーザーのデバイス情報であり、サイトの運営主が簡単に取得できる情報です。IPアドレスだけで個人を特定することはできません。

知らないアドレスからメールが送られてくる理由

見知らぬアドレスからメールが送られてくることもあります。

業者側に個人情報が漏えいしているのではないかと不安に感じる方もいると思いますが、ランダムに作成した不特定多数のアドレスにメールを送っているに過ぎない場合が大半です。

また、過去にインターネット上でメールアドレスを入力し、その時にメールアドレスが流出した場合もありえます。

参照:「ワンクリック詐欺と思われるメールが送られてきた時の対処法

請求画面が消えない理由

ワンクリック請求の画面を閉じても、再び表示されることがあります。請求画面が消えない理由をそれぞれ確認していきましょう。

PCの場合

請求画面へ至るまでの過程で、業者側が用意したソフトをダウンロードしている可能性があります。ダウンロードしたソフトからPCへウイルスが感染していた場合、請求画面が閉じなくなる事があります。

iPhoneの場合

キャッシュがアクセスした情報を保持しているために、safariを開く度に請求画面が表示される場合があります。

※キャッシュ:サイトにアクセスした情報を保存する場所であり、同ページにアクセスしたときにすぐに再び表示させるための機能

ワンクリック請求の事例

ワンクリック詐欺ではありませんが、「DMM.com」を装って架空請求を行った者が2017年2月17日に摘発されました。容疑者はユーザーへ「未納の閲覧料をお支払いください」と請求し、現金をだまし取ったそうです。 今回逮捕された人数は5人組のグループですが、DMMを装った架空請求は1,300件と言われており、被害総額10億円にも上ると言われています。ワンクリック詐欺の摘発に関して目立った情報はありませんが、これを機に警察の取り締まりが厳しくなり、逮捕者が増えるかもしれません。

参照: 「「DMM」装う架空請求に注意~消費者庁|日テレNEWS24

まとめ

ワンクリック請求に対処するためには、まずはワンクリック請求の手口と、請求への対処方法を知る必要があります。今回の記事を参考にしていただき、引き続きネットを安全に利用していただけたら幸いです。

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この記事を監修した弁護士
弁護士法人ネクスパート法律事務所
寺垣 俊介
2016年1月に寺垣弁護士(第二東京弁護士会所属)、佐藤弁護士(東京弁護士会所属)の2名により設立。遺産相続、交通事故、離婚などの民事事件や刑事事件、企業法務まで幅広い分野を取り扱っている。

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