賃貸借契約の必要書類と部屋を借りる際に確認しておくべき7つの費用

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弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤 康二
監修記事
賃貸借契約の必要書類と部屋を借りる際に確認しておくべき7つの費用

賃貸借契約には身分証明証、住民票、印鑑、源泉徴収票、保証人書類などの書類が必要になります。聞きなれない契約や取得に時間のかかる書類などもいくつかあるため、事前準備は欠かせません。

今回は、賃貸借契約での必要書類と確認しておくべき費用について詳しくご紹介します。

賃貸借契約の必要書類と流れ

賃貸借契約の必要書類と流れ

賃貸借契約での必要書類は以下の通りです。必要書類の中には、取得に少し時間がかかるものもあるため事前の用意が必要になります。

  • 身分証明証・住民票
  • 印鑑(基本的には認印+銀行印)
  • 収入の証明ができるもの
  • 保証人の確約書や住民票

また、不動産会社やオーナーによっては必要書類が変わってくることもあるため、必ず必要書類はメールや書類など記録に残るもので確認するようにしましょう。

身分証明証・住民票

賃貸借契約を結ぶ際は借主(契約者本人)の身分証明証と住民票が必要になります。身分証明証は、基本的には免許証などの写真付きのもの、保険証などが挙げられます。また、写真付きのマイナンバーカードなども使用することができる場合もあります。

住民票は、現在お住まいの市役所などで取得することができます。住民票を取得する際には、手数料(200〜400円)が必要になります。また、郵送で取得する場合には1週間程度かかるため事前に準備しておくことをお勧めします。

印鑑

賃貸借契約で必要になる印鑑は基本的には認印、銀行印などです。しかし、不動産会社やオーナーによっては印鑑証明書付きの実印を求めてくる場合もあります。印鑑証明には実印登録が必要になり、こちらも住民票と同様に数日程度かかる場合もあるため事前準備が必要となります。

また、月額家賃などを銀行口座から引き落としする場合は、口座情報と銀行印が必要になります。

収入の証明ができるもの

収入の証明ができるものは、会社に所属している方は源泉徴収票、自営業の方は納税証明書になります。給与明細表などでも可能な場合もあるため、上記書類が手元にない場合は不動産会社やオーナーに確認しましょう。

失業中・転職中など収入の証明が難しい場合

失業中や転職中に引越しをしなければならないこともあります。失業中や転職中は収入の証明が難しくなりますよね。その場合は、不動産会社やオーナーに事情を説明した上で、家賃を支払える状態であるということを証明することができれば入居審査が通る場合があります。

保証人の確約書や住民票

月額家賃や退去時の原状回復費用などを滞納したり未納付だったりする場合は、連帯保証人や保証人に請求することがあります。そのため、連帯保証人や保証人が必要な場合は、保証人の確約書(保証人になることの合意書)や住民票が必要になります。

なお、保証会社を入れる場合は、保証人連絡先だけで良い場合もあるため契約内容を確認しましょう。

賃貸物件を借りる際に知っておくべきお金のこと

賃貸物件を借りる際に知っておくべきお金のこと

賃貸物件を借りる際には、初期費用として以下のお金が必要になります。これらの金額を概算すると、だいたい家賃の5〜6ヶ月分程度になりあます。物件によっては礼金や敷金のないものもあるため、価格が変わることがありますので、賃貸借契約を結ぶ際は必ず見積もりを出してもらいましょう

  • 月額家賃
  • 前家賃
  • 共益費・管理費
  • 礼金・権利金
  • 敷金・保証金
  • その他の費用(不動産仲介手数料など)

月額家賃

月額家賃は、不動産情報に書かれている額面になります。月額家賃は滞納すると、契約の解除や立ち退きなどのトラブルに発展することもあるため必ず毎月支払いましょう。

万が一、特別な事情で月額家賃を滞納した場合は敷金などが担保となります。

前家賃

月の途中などに契約をした場合、先に1ヶ月分の家賃を支払う「前家賃」が発生します。例えば、6月7日から契約開始した場合は、6月分の家賃は日割りとなり7月分の家賃も一緒に支払います。

共益費・管理費

共益費や管理費は、建物の維持管理費にかかるお金です。マンションやアパートなどでは通路やゴミ捨て場などの共用部を整備するために使われます。また、物件によっては、共益費・管理費に町内会費などが含まれていることもあります。

礼金・権利金

関東では「礼金」、関西では「権利金」と呼ぶことがある費用で、貸主に支払うお金です。礼金・管理金は家賃の1〜2ヶ月分程度が相場となっており、敷金などとは違い返還されることはありません。

敷金・保証金

敷金・保証金は、物件を退去した際の下の原状回復費用や家賃滞納の際の担保として、不動産会社やオーナーに支払うお金です。そのため、多くは退去時に返還されます。

敷金は家賃の2ヶ月分、保証金の場合は4〜6ヶ月程度が相場となっています。

原状回復時の契約内容を確認する

敷金・保証金を支払う際は必ず賃貸借契約に含まれている特約や物件に関わる条例などを確認しておきましょう。物件によっては、原状回復費用をあらかじめ敷金から差し引く「敷引き特約」や基本的な原状回復費用が入居者負担となる「原状回復特約」などが契約内容に含まれていることもあります。

【関連記事】原状回復とは|賃貸住宅の退去時トラブルと解決のための全手順

その他の費用

その他に、不動産仲介手数料や火災保険料などがあります。不動産仲介手数料は、仲介会社などを通して、物件を契約した際に支払うお金で、家賃1ヶ月分程度に消費税がプラスされた金額となります。また、火災保険料は1〜2万円程度です。

契約でわからないことは必ず確認する

契約でわからないことは必ず確認する

部屋を借りる際に結ぶ賃貸借契約は、多額のお金が関わります。契約時にわからないことがあったら必ず不動産会社やオーナーに確認をとるようにしましょう。

わからないまま契約の署名・捺印をしてしまうと契約に合意したとみなされ、トラブルになった場合に不利になってしまうこともあります。契約書は必ず全て目を通して、理解するようにしましょう。

まとめ

これから引っ越す方、初めて一人暮らしをするという方にとって賃貸借契約は難しいものに感じるかもしれません。賃貸借契約を結ぶ際の原則は、「契約者との合意と信頼関係のもと結ぶ」ということです。

もしも、契約内容でわからないことがあったりトラブルに巻き込まれた場合はオーナーや外部の専門家に相談しましょう。

この記事で、賃貸借契約の疑問点が少しでも解消されれば幸いです。

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この記事を監修した弁護士
弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤 康二
アンダーソン・毛利・友常法律事務所を経て2014年8月にプラム綜合法律事務所を設立。企業法務から一般民事、刑事事件まで総合的なリーガルサービスを提供している。第二東京弁護士会所属。

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